ジョングルール・ボン・ミュジシャン 「オーカッサンとニコレット」

辻康介:語り手、オーカッサン、歌
名倉亜矢子:ニコレット、歌、ゴシックハープ
上田美佐子:放浪楽士、中世フィドル
近藤治夫:放浪楽士、バグパイプ、ハーディ・ガーディ

2008年6月7日 雑司が谷音楽堂


デデ: 梅雨の中晴れのジメジメした土曜の昼下がり、雑司が谷音楽堂という所に行ってきました。

ガンバ: 雑司が谷ってのは、細い路地が入り組んでいて、小さなお寺やお稲荷さんがあっちこっちにあって、ネコがたくさん出て、面白いところねぇ。

ブチッケ: ほいな。ネコが多かったですニャ (=^^=)

CoCo: こんな茶シマさんとか、



こんなクロさんとか。



ガンバ: それで、池袋からだと都電の鬼子母神の停留所を越えてちょっと先あたり。日常的に歩く距離じゃないけど、たまにぶらぶら散歩がてら出かけるには絶好のロケーションだったわね。

デデ: 来週あたりに地下鉄が通るんだそうで、そうなると便利になりますニャ (=^^=)
なんでも鬼子母神で盛大に記念式典をやって、それから提灯行列をするんだとか。

ガンバ: をいをい、どこの田舎じゃ。

ブチッケ: で、演奏会の話。ヨーロッパの古い歌を日本語で歌う辻康介がこの日の主役。「オーカッサンとニコレット」ってのは題名だけは有名ですが、「ローランの歌」とか「ニーベルンゲンの歌」とか、あるいは様々な形の「アーサー王物語」とか、そういった英雄叙事詩とはちょっと違った、ヘロヘロ物語ですニャー。主役のオーカッサンという王子様が何となくかっこ悪い。

ガンバ: 優柔不断で気まぐれ。ただ奴隷女のニコレットにはメロメロ。

CoCo: 奇想天外なエピソードが次から次へと繰り広げられるんだけど、最後にはめでたく二人は結ばれる。

ブチッケ: 物語の内容はともかく、この4人のジョングルールが実に芸達者でした。中世の旅芸人は、歌ったり踊ったり、あるいはアクロバットをやって見せたり、たぶんプロ中のプロだったんでしょうねぇ。今日の4人はさすがに曲芸までは見せなかったけど、そんな中世の芸人たちを彷彿とさせるエンターテイナーぶりでした。

ガンバ: ハーディ・ガーディ、バグパイプ、フィドル、いろんな笛、太鼓、ガラガラ、鈴やカスタネットのたぐい…楽器は50種類ぐらいあったんじゃないかなぁ。

デデ: 物語の情景に合わせて、いろんな鳴り物を動員して、楽しい歌芝居を繰り広げてくれましたニャ (=^^=)
歌のメロディはオリジナルのものが少し残っているんだそうですが、その単純なメロディをうまく使い回し、楽士のアレンジを施してうまく聞かせる作品になっていたと思います。

ガンバ: そうそう、2時間の出し物として本当に楽しく作り上げていたと思うな。

デデ: ヴォーカルの辻康介がたぶん日本語台本を作ったんだと思うけど、この人の語り口が絶妙。ほかのメンバーも時に応じて合いの手を入れ、コーラスに参加し、おのおのの楽器を奏でたりと八面六臂の活躍。衣装も含めて視覚的にも楽しめる舞台でしたニャ。

ブチッケ: さて日本語での上演、なかなか面白かったとは思うんだけど、翻訳した場合、原語の韻律がなくなってしまうっていうところが一番の問題かなぁ。

CoCo: アーサー王とかローランはセクエンツィアが日本でも上演したことがあって、耳で聞くだけでは言葉の内容はわからなかったけど、言葉の響きというか、詩の韻律はとっても印象に残っているんだよねぇ。特にベンジャミン・バグビーがハープをかき鳴らしながら歌うトルヴェールの歌は絶品だった。

デデ: まあそんな思い出もありますニャー。物語の語り部分は日本語でも、歌の部分は原語のよさを残してくれてもよかったのかなぁ。

CoCo: そういう手もありますニャ。

ガンバ: ニコレット役の名倉亜矢子という人の声がよかったね。声量はさほどでもないけど、よく通る透明な声。アニェス・メロンみたいな感じ。最後にオーカッサンと結ばれる場面では、中世の絵画から抜け出してきたような衣装に着替えて出てきて、客席からもため息が漏れました。ハープをつま弾きながら歌う歌もすてきだったよ。

ブチッケ: 無い物ねだりかもしれないけど、ハープももうちょっと極めて、迫力あるかき鳴らしなんか聞かせてくれたらなぁ (=^^=)


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