アッコルドーネ 「恋人たちのイタリア」

ボーカル:マルコ・ビーズリー
ディレクター、チェンバロ、オルガン:グイード・モリーニ
ヴァイオリン:エンリーコ・ガッティ、ロッセッラ・クローチェ
ギター:ステーファノ・ロッコ
テオルボ:フランコ・バヴァン
リュート・ア・プレットロ:ファービオ・アックルソ

2008年5月19日 津田ホール


デデ: モリーニ率いるアッコルドーネ、久々の日本上陸でしたニャー (=^^=)

ガンバ: はいはい、4年ぶりですね。前回の感想はここらへんにありますよ。あのときはピノ(ジュゼッペ)・デ・ヴィットリオとアルフィオ・アンティコの2人がずば抜けたタレントだったわね。特にアンティコの太鼓は人間離れした神業だった。

CoCo: うん、それにピノさんの歌もよかったね。比べるべきじゃないかもしれないけど、マルコ・ビーズリーという歌手はちょっとねぇ。前回も何となくステージに加わっている感じだったけど、今回もワンマンショーのようなプログラムの割には、イマイチ掴み所のない歌い回しというのか・・・

ガンバ: 母国語の歌を歌うハンディだと思う。ネイティブじゃない人だったら、もっと工夫するし、内容を伝えようとするじゃない? ネイティブだとその努力をする必要がないでしょ。で、聞き手が日本人だから、なんとも・・・あ、そうですかってことになっちゃう。その点、ピノさんはネイティブなりに外国人にも伝えようとする意図があったでしょ。まあ、ステージマナーと言ってもいいかもしれないけど。そのあたりが、歌手としてタレントの違いかなぁなんて思うわけ。

ブチッケ: 確かにね。ピノは2〜3年前、千鳥ヶ淵のイタリア文化会館だっけ(?)あそこに出たときにも、カスタネットを叩きながらファンダンゴを歌って、なかなか芸達者なところを見せていたよね。

ガンバ: あれは大喝采だったね。それで、今回は太鼓叩きのアンティコと歌のピノがいなくて、ガッティともう一人ヴァイオリンが入ったメンツ。なんかメンバーがかなり落ちたなって思っていたんだけど・・・

デデ: まあ、確かに地味〜〜〜〜な感じですよね。でも、救いだったのはリーダーがモリーニだったこと。ガッティがリーダーになると眠り砂を撒いたような音楽になっちゃうからねぇ。モリーニの独特の間合い、リズム感が全員に浸透していて、華はないけど楽しく聞かせる音楽になっていたと思う。

ブチッケ: ヴァイオリンが2本入ったことで、民族音楽ないしは古典ポップスっていう路線からかなりクラシックに戻ってきたように思えたけど。曲目もカッチーニ、フレスコバルディ、モンテヴェルディと古楽の王道を行く選曲でした。

CoCo: でもたとえば、モンテヴェルディのラウダーテ・ドミヌムのイントロやオブリガートに、ゼフィロ・トルナのメロディをヴァイオリン2本で弾かせてみたり、楽しい企画が盛りだくさん。

ガンバ: ああいった所の聞かせ方にも、モリーニの才能が感じられたよね。今日の主役はモリーニと撥弦楽器のお三方。ピック弾きのリュートは軽やかで、小粋な合いの手を聞かせてくれたし、ギターとテオルボもなかなかの役者ぶり。それから忘れちゃならないのがモリーニの即興演奏二曲。

デデ: うん、あれはすごかった。近頃ナンチャッテ・イタリアンとか、トンデモ・イタリアンが幅を利かせていますが、今日の楽器はヴォイシングと調子持ちに多少難ありとはいえ、イタリアのテイストをしっかりと持った楽器で、なかなかよろしかったですニャー。一つはパッサカリアによる即興。重厚な変奏曲のようでもあり、トッカータ風になったり、フーガも飛び出してきて、即興の手練手管の限りを尽くした名演。もう一つもグラウンドをベースにしたカナーリオ。この即興は拍子とテンポの変化が絶妙でした。聞き手の心をつかんで離さない集中力、パラフレーズの遊び心、どこをとってもすばらしい即興でした。

CoCo: 即興の最後に撥弦楽器がおずおずと入ってきて、きれいなトリオを聴かせていました。

ガンバ: あそこの作りはお見事。

デデ: なかなか楽しい音楽会でしたニャー (=^^=)



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