ヒロ・クロサキ ヴァイオリンリサイタル

ベートーヴェンとかC・P・E・バッハなど

2008年3月21日 白寿ホール


(デデのひとりごと)

フォルテピアノというピアノによく似た楽器があります。で、その楽器とヴァイオリンとで合わせてみようという試みでしたが・・・かなり疲れましたです。この楽器の演奏がレコードで発売されるようになった頃、(今から30年近く前ですね)、よく「金だらいを叩くような音」とか、「木を叩くような音」と評されました。確かにこれを聞くのは我慢会だなっていう感じがしたものです。でも、中にはまともな楽器もあって、いつぞやビオンディとモーツァルトをやったトヴェルスカヤが弾いた楽器などは、かなり興味深い音色を持っていました。だから、ついつい脇が甘くなってしまって・・・こんな演奏会にまで出かけてしまったのですよぉ。

今日の楽器は金だらい系ではなくて、木質系でした。木だって拍子木とか木琴とかいい音がする場合もあるんですが、今日ステージに乗っていた楽器は薪を両手に持って叩くタイプ。まともな音じゃない。さらに目一杯弾いたそのかそけき音を、さらに柔らかいゴムで吸い取ってしまうような構造になってるんじゃなかろうか?

フォルテピアノはチェンバロと違って、フォルテもピアノも出せる楽器という謳い文句で登場したんですが、ここで使われた楽器は「メゾフォルテ・メゾピアノ」と呼ばれる系統。強音方向にも弱音方向にも音が伸びない、ダイナミックレンジが極端に狭い楽器です。モーツァルトの時代頃からチェンバロに取って代わったわけですが、モーツアルトが弾いた楽器の音を聞いてみたいですニャー。今日の楽器のようなものしかなかったら、モーツァルトは絶対にフォルテピアノを弾かなかったでしょう。まともなチェンバロの方が遙かにダイナミックレンジも広いし、表現力がある。何より音が美しい!

リンダ・ニコルソンも決して手抜きをしていたわけじゃない。むしろ誠実に音楽に取り組んでいたと思うんですが、楽器の選択という点で大きなミスをしてしまった。これで演奏会はぶち壊し。いつか北とぴあでベートーヴェンをやった時には、もう少しまともな楽器だったと思うんですが(しかも、かなりの名演でした)・・・一般的には北とぴあより白寿ホールの方が響きがいいんじゃないかと考えられていますが、今日の白寿ホールは無反響室のようでした。

フォルテピアノってやつは気をつけないととんでもない目に遭うことがあります。わかってはいたんですが、ついつい・・・こういう演奏会の後は、やたらと肩がこっていけませんニャー (=^^=;;
下手すると疲れが翌日まで残って、生活のリズムが乱れます。困ったモンだ。

というわけで、演奏の内容について書く気にならないので、今日はここまで。


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