(何となく冴えない顔つきの猫たち。船橋屋のカウンターにて)
ガンバ: このメゴチおいしいわね。
CoCo: うん、きすもいいですニャー。今ごろのやつはふわっと柔らかくて、口の中でとろけますニャー。
ブチッケ: そうですニャ。春から初夏の魚は、冬とはまた違った味わいと申しましょうか。
デデ: なかなかのものでございます。琵琶湖の稚鮎なんかもよろしいですニャ。
ブチッケ: ところで、ホントに久しぶりでございますな。
デデ: いやまあ、本当はそこそこ音楽会にも通っていたんだけど、文章にするのは久々ですニャ。
ガンバ: そこらへんは後ほど思い出してまとめる(かもしれない)として、今日の上海京劇院の公演、ちょっとねぇ。
ブチッケ: 何とかならないもんでしょうかねぇ。
CoCo: 楊門女将って出し物は、初めてじゃないと思うんだけど、今日のは何とも退屈な芝居でした。
ガンバ: まず、演出が完全に失敗よね。
デデ: くどすぎる。墓参りの場面なんてちょっと信じられないくらい幼稚な台本だし、今までのストーリーの繰り返しを延々と歌われると、もう何と言ったらよいのか、客にとっては拷問ですね。
ブチッケ: あたしゃ、半分ぐらい寝てました。
ガンバ: そう、何度も何度も同じことを登場人物が語ったり、見せ場というわけでもない、さりとて、どうしてもストーリーの進行上必要というわけでもない場面が延々と続いたり。
CoCo: これで、昼夜二公演、合計4時間という長尺モノになってしまって。
デデ: うまく刈り込んで見どころだけを編集すれば、半分以下になる程度の内容だよね。
ブチッケ: たぶん唱(歌のこと)をたっぷり歌わせようという演出の意図だと思うけど、それにしちゃPAに頼りきりで・・・
ガンバ: 唱を中心にと言う割には、主役の史敏が絶不調でがっかり。たぶん風邪でもひいていたんだと思うけど、あそこまで露骨にPAに頼っちゃうと、オペラとは言えないわよね。
デデ: 史敏が不調だったから、余計えげつないPAになったのかもしれないけど。
ガンバ: ほとんど温泉場の歌謡ショーみたいな増幅具合だったわよね。
CoCo: おや、よくご存じで。
デデ: 舞台上の立ち位置やら、動きに関係なく、真っ正面からモノラルでガンガン音を鳴らされると、もう頭が痛くなってきますニャー。
ガンバ: もともと史敏に関しては余りいい記憶はないんだけど、今日もやっぱりって感じかなぁ。
ブチッケ: まあ、カラフルな衣装を見に行ったということで。
ガンバ: それにしちゃ、お代がちょっとお高いようですが・・・