歌もの二題

秋のシーズン到来

カヴァレリア・ルスティカーナ+道化師
2004年9月15日 二国

ナタリー・ドゥセ オペラアリアの夕べ
2004年9月27日 オペラシティ


デデ: 秋のシーズン到来ということですが、まだまだ暑いですニャー (=^^=)

CoCo: 9月はいきなり二国のオペラだったよねぇ。誰だったか、パリアッチを歌う人がキャンセルになって、代役がジュゼッペ・ジャコミーニ。これを逃す手はないですニャ。

デデ: 道化師にはまあ、必ずカヴァレリア・ルスティカーナが付き物でして、それなりに楽しめたでしょうか。

ガンバ: エリザベッタ・フィオリッロ、坂本朱、アティッラ・B・キス、青戸知といった歌手がちょいと小粒な感じだったけど、アンサンブルとして十分に楽しめた舞台だったと思うわよ。

ブチッケ: そう、とにかくマスカーニの旋律美を堪能させてくれた指揮の阪哲朗という人に拍手ですニャ。

デデ: それでいよいよ道化師だけど、う〜ん、凄かったねぇ。

ガンバ: ゲオルグ・ティヒが前口上を歌い始めたときから、もうドキドキしちゃった。劇中劇の部分はもちろん、アレッキーノやコロンビーナなんかも登場しちゃって、イタリアのコメディア・デラルテの形になっているわけだけど、この短い芝居全体も古典的な枠組みを踏襲しているわけよね。

CoCo: 「さぁ、お芝居の始まり始まり」ってな具合の口上なんだけど、その中に道化の悲哀が込められていて、悲劇を予感させる歌だよね。これがプロセニアムとなって、お客さんも芝居の中に自然に取り込まれてしまう。

ブチッケ: 筋書き自体はたわいのない、三角関係というか四角関係というのか、どうでもいいようなもんだけど、とにかく音楽がよくできているから思わず見入っちゃう芝居だよね。

デデ: トニオ役のティヒ、それにカニオのジャコミーニ、この二人がとにかく壮絶な歌と演技を繰り広げてくれました。嫉妬に狂いながらも、芝居が始まるんで泣く泣く歌う「衣装をつけろ」。あれは超満員のお客さんの心を揺さぶりましたニャー。テレビの収録が入っていたんで、そうとう気合いも乗っていたんでしょうが、一世一代、渾身の演技と歌。スピントというのか、高音も裏声を使わずに押し上げていく迫力は、デルモナコ以来って感じもしました。

ガンバ: 第二幕の劇中劇のシーンでも、現実と芝居とがだんだんごちゃ混ぜになってきて、喜劇が悲劇に変わっていく様子が、すごくリアル。そしてラストの台詞、「これで芝居は終わりました」と跪いて告げるカニオ。これはトニオが言う場合もあるけど、やっぱりカニオに語らせなくちゃ・・・トニオが語ったら、何というのか、計画殺人か殺人教唆ってことになっちゃうもんねぇ。

デデ: さてさて、9月27日にはお隣のオペラシティで、ナタリー・デッセーのリサイタルを聞いてきました。「ナタリー・でっせー」とか「売り切れ・デッセー」とか揶揄されていましたが・・・

CoCo: まあ、本人が言っていたそうだから、デッセーやデセイじゃなくで、ドゥセというのがフランス語の発音に近いカタカナ表記なのかいなぁ。

ガンバ: 名前はどうでもいいけど、これだけの人が初来日っていうのにびっくり。しかも東京ではたった二回だけの公演というわけで、始まる前からなにやら興奮状態の人もいたけど・・・

ブチッケ: その中味となるとちょっと???ですニャー。確かに、最後には一階席はほぼ総立ちになっちゃいましたが。

デデ: 私はルイ・ラングレという指揮者をまずほめたいですニャー。見事なカルメン組曲だったし、「泥棒かささぎ」序曲もすばらしかった。

CoCo: 歌なんだけど・・・前半がボワエルデュー、マスネ、トマと、おフランスもの。

ガンバ: これは、まあ、特にトマの「オフェリアの狂乱の場」なんか、コロラトゥーラの技巧をひけらかすのにはもってこいなんでしょうけど、はっきり言えば駄曲よね。

CoCo: オペラファンというのか、声楽ファンというのか、そういう人たちの心情ってよくわからないんだけど、あんな下らない曲に熱狂するってのはどうしてなんだろう?

デデ: 後半はイタリアものを二曲。ベッリーニの「夢遊病の女」、ドニゼッティの「ルチアの狂乱の場」。この中ではルチアが一番聴き応えがありましたかニャー。

ガンバ: アンコールにムゼッタのワルツなんかやっちゃって、オペラじゃ絶対に歌わない役だろうに。何考えてんだろう。


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