読響名曲シリーズ

ラウタヴァーラ:カントゥス・アークティクス
モーツァルト:ピアノ協奏曲21番
ニールセン:交響曲第4番 <不滅>


ピアノ:小菅優
指揮:オスモ・ヴァンスカ

2004年7月10日 東京芸術劇場


(デデのひとりごと)

なんか殺人的な暑さですニャー。さすがにいつものみなさんもちょっと夏バテ。で、おいら一人で聞いてきました。ええ、なんでも小菅優というピアノがなかなかよろしいという噂を耳にしまして、それで、まあ、近場だしちょっと聞いてみるかってことで・・・

結論を先に言いますと、期待以上の演奏会でした。まずモーツァルトのコンチェルトでソロを弾いた小菅優ですが、この人若い割りにはキャリアが長いんでしょうか。とにかく落ち着いた堂々たる演奏だったですニャー。指揮者のオスモ・ヴァンスカっていう人が、あまりピアノとのバランス取ろうとせずに、オケをガンガン鳴らしていたんですが、柔らかでふくよかな音色でみごとにかわしていたって感じかなぁ。もちろんオケと合っていないと言うわけじゃなくて、挑まれてもさらりと受け流す技を持っているわけです。このピアニストはなかなか楽しみですニャー (=^^=)

さて、最初の何タラカンタラって曲、まあ、おいしいご飯の前の苦いお薬、ぐらいに思っていたんですが、これがまたなかなかのスグレモノ。「鳥とオーケストラのための協奏曲」という副題が付いていて、終始鳥の声がテープで流れています。それにオケの管楽器、弦楽器が絡んでいくわけですけど、それがずっと鳥の声を模倣するとか真似るといった手法ではなくて、絶妙なバランスを保ちつつ、ロマンチックとも言えるような響きを作り出すんですニャー。だけど、低俗な劇伴というわけではない、気品が感じられる作品でした。ラウタヴァーラという人はフィンランドの作曲家で、この作品は地元の大学の卒業式のために1972年に作曲されたものだとか。鳥を題材にした作曲家というと、やっぱりメシアン。その次に武満。メシアンは煌めくような響きの世界を作り出しました。武満は聞くほうにもかなりの緊張と集中を要求しました。だけど、この曲はさらっと聞き流せて、しかも印象に残る不思議な曲ですニャー。

後半のニールセンですが、これも立派な演奏でした。「不滅」って名前は有名な割にあんまり演奏される機会がないですよね? おいらも初めて聞いたわけ。指揮者のヴァンスカという人も同じデンマーク人で、ニールセンを得意にしているらしい。そこらへん全然予備知識なしにふらっと出かけたもので、まあ、期待以上のものに感じたのかもしれません。この不滅は1916年の作品。交響曲はマーラーの時代に完璧に歪みきってしまいましたが、ニールセンは正反対に形式を甦らせたと言えるんじゃないでしょうか。少なくとも、その後のショスタコーヴィッチにつながるものを感じましたニャー。しかも書き込みが相当細かい。リズムも独特。対位法的なテーマも頭がクラクラするような複雑なリズムで、まあ、よく演奏するなぁって感心したほど。読響を聞くのはホントに久しぶりだったんですが、ずいぶんうまくなったって気がしました。全体切れ目なしの4楽章構成ですが、最後のクライマックスでは2群のティンパニが登場して、トントン・スコトン・トンスコトン♪、盛り上がりましたニャー (=^^=)ノ

ところで、今日の演奏会、B席7000円。ちょっと高くはないかぁ? 今時のオケってどこもこのくらい取るのかニャー (=^^=;;


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