(デデのひとりごと---某掲示板に投稿した記事です)
アラン・プラテル・バレエ団を見てきました。いや、聞いてきたといったほうが当たっているでしょうか。
演奏はアンサンブル・エクスプロラシオンという、恐らく、この出し物のためのグループでしたが、リーダーのディルティエンス以下、ほとんどのメンバーが、あの「ドイツ・バロック・カンタータ全集」を入れた、リセルカールコンソートの面々。ヴァイオリンがフランソワ・フェルナンデス、フルートがフランク・トゥンズ、オーボエがサスキア・フィッケンチェル、チェンバロ&オルガンがロベール・コーネン。歌手は、グレタ・ド・レイヘル、マックス・ファン・エフモント、それに私は初めて聞く人でしたが、カウンターテナーがスティーヴ・デュガルダン(この人なかなかです)。
曲目はバッハのカンタータからのアリアのいいとこ取りを中心として、ヴァイオリンソナタ、無伴奏チェロ、無伴奏フルート、管弦楽組曲、音楽の捧げもの、チェンバロ・コンチェルト、 マタイ受難曲・・・等々のメドレー。
舞台の上ではかなり汚らしい、日常生活、身辺雑事とでも表現できるようなダンスが繰り広げられているわけですが、そういう日常性のレベルにまで引きずり下ろしても、やっぱりバッハは凄いですねぇというのが、このバレエのテーマだったでしょうか? いやあそれにしても、このアンサンブルの連中は凄い。特別「さぁ合わせましょう」って気負いがまるで感じられない、空気のような音楽。ごく自然に言葉をしゃべるように音楽を奏でていました。
音楽家も半ばバレエに参加するような作りになっていたんですが、謹厳実直なコーネン・センセが半ズボンにサンダル履きでオルガンやチェンバロを弾いたり、合間に舞台上でワインをがぶ飲みしたり。チェンバリストとして、こんなおいしい仕事ってあんまりないんじゃないでしょうか。
なお公演は30日まで。