黒川能解説
作成99年8月15日
黒川能の歴史
山形県東田川郡櫛引町大字黒川に鎮座する春日神社の宮座(能座)伝承される黒川能の起源は定かではない。役者達の附けている紋所から平安時代の荘内の領主だった武藤家が深く関わっていたことが想像される。室町時代のものとされる、翁装束が上座・下座にあり。太夫が交代するときだけ使う装束として残されていることからも室町時代後期に黒川へ能が伝承されたらしい。
能は観阿弥世阿弥の大成させた猿楽能で、江戸時代一時衰微した記録もあるが、庄内藩領主の酒井家に保護されて維持されてきた。
黒川能の特徴は面装束の付け方の古風な点で、面のつけ方にしてもまず面をつけその上から鬘帯をつける。五流では鬘帯を附けてから面をつけるため黒川の方が、古い付け方だと実感できます。装束の付け方も黒川流です。(うまく説明できないので写真参考にしてください)(スキャナーを導入して五流(宝生流)との違いを説明する予定です。)
能は五流(観世・宝生・金剛・金春・喜多)とほぼ同じ演目を上演するが、神事能ということもあり五流では稀曲・廃絶曲なのに黒川ではポピュラーな能やその逆もある。(たとえば、上座「鈴鹿山」「現在鵺」下座「鐘巻」「変化信之」、黒川で出ない演目としては老女ものや「班女」「半蔀」「富士太鼓」「籠太鼓」「求塚」「弱法師」等々)
五流廃絶曲で上演可能な演目には次のような演目がある。
上座 「宮川」「獅子」「木曽願書」(観世の改訂前の謡)「大般若」「河水」
「鈴鹿山」「今上巴」
下座 「鐘巻」「変化信之」「芦屋弁慶」「現在熊坂」
以下続く
黒川能王祇祭演目

1999年2月王祇祭演目

上座演目
大地踏
式三番
絵馬
八島
吉野天人
葵の上
現在鵺
猩々
下座演目
大地踏
式三番
高砂
敦盛
熊野
変化信之
御裳濯川
1998年2月王祇祭演目
上座演目
大地踏
式三番
絵馬
三本柱
獅子
茶壺
江口
蟹山伏
羅生門
鬼清水
鷺
下座演目
大地踏
式三番
大社
弥宜山伏
石橋
棒縛
東北
猿替勾当
鐘巻
名取川
大瓶猩々
附 弓八幡
1997年2月王祇祭演目
上座演目
大地踏
式三番
難波
末広
山姥
千鳥
羽衣
仁王
羅生門
柿山伏
猩々
下座演目
大地踏
式三番
高砂
弥宜山伏
放下僧
千鳥
三輪
こんかい(釣狐)
紅葉狩
節分
大瓶猩々
黒川能王祇祭写真
黒川能演能写真
黒川への交通手段

東京付近から黒川へ
3月5月11月の演能を見るためには春日神社へ午前10時までに到着する必要があります。ですから前日に新幹線乗り継ぎで鶴岡へ入り温泉等で宿泊して、櫛引町春日神社へ行くか、夜行の列車・バスで行くことになります。
鶴岡駅から櫛引町春日神社まではバスかタクシーです。バスは「宮ノ下」で下車です。
帰りはバスかタクシーで午後4時頃黒川を出れば鶴岡まで約30分でつきますので「いなほ」にのれます。(積雪時注意)
注意 下記の時刻表と料金は変わることが有りますので行かれる場合は再度調べてください。
夜行バス「夕陽」
渋谷発→池袋→大宮→鶴岡・酒田行き(月山道) 鶴岡片道7540円 往復割引有り
2230 →2310→2350→0655→0740 国際興業 03-5917-8510
0640 ←0610←0525←2220←2135 庄内交通鶴岡0234-24-7600
夜行列車「ムーンライトえちご」 全席指定席 東京〜鶴岡7140円座席指定500円
新宿駅→赤羽→大宮→新潟→村上 乗り換え 村上→鶴岡
2309→2326 2340 0506→0605 → 0608→0755
0500← ←2231 ← 2231←2036
夜行寝台列車「あけぼの」 片道運賃7140円 特急料金2830円 寝台6300円
上野駅発2141→鶴岡0437 この列車だと早すぎるが王祇祭の時はタクシー使うと王祇降ろし間に合う。
飛行機
羽田発 庄内空港行き
新幹線 鶴岡発19時30分のいなほで東京まで帰れますが(積雪時は特に)接続の電車に注意してください。
上越新幹線 東京〜新潟〜鶴岡 運賃7140円 乗り継ぎ特急割引で(5750)円
いなほ14号鶴岡発1714→新潟着1909 新幹線あさひ6号 新潟発1917→東京着2055
いなほ16号鶴岡発1930→新潟着2115 新幹線あさひ340 新潟発2128→東京着2340
山形新幹線 山形から月山越えのバスありバスで約90分位 新庄まで伸びれば便利になる。