アジア旅行記

【ミャンマー編】 '96/04/27〜05/08          更新日:'96/07/14


アジア旅行記の索引ページに戻る
ミャンマーの索引へ戻る

【パガン遺跡の馬車での観光】 '96/05/03

◆馬車をチャーター
 パガンに着いた翌日、マンダレーからの船で一緒になったNさん、Y君と一緒に馬 車をチャーターしてパガン観光をすることにした。Y君は別の宿に陣取っており、朝 迎えに来た。馬車を捕まえてまずは値段交渉。お決まりの文句「アップ・トゥー・ ユー」(仰せのままに)なんて言いながらも、向こうの言い値は1日チャーターで5 00Ks/人。「地球の歩き方」によると300Ksなので250Ks程度を提案。 結局300Ksで落ち着く。食事は付いてないよと念を押された。思いもつかなかっ た。でも、中には要求する奴がいるんだろうね。
 どこへ行く?と聞かれたが、これだけ沢山遺跡があったら、どこへなんて言えない。 今度はこっちから「アップ・トゥー・ユー」(仰せのままに)。どうせ、しばらくパ ガンにいるから、見落としても大丈夫。Nさん、Y君も「アップ・トゥー・ユー」な んて言う客いるか?なんて言いながらも、それが楽だね、てな具合にお任せ状態。
 まずは壁画のチャンスィッター窟院へ。入口で懐中電灯をタダで貸してくれた。Y 君がしきりと貸賃は幾らか聞いていた。彼曰く、ベトナムではいろんな名目で料金を 請求されるからしつこく聞いておかないと気が済まないとのこと。そのときは私も彼 ほどでないにしても気になっていたが、パガンでは不思議なくらい旅行者に尽くして くれる。
 壁画の方は保存状態がかなり悪い。落書きや傷つけられた痕や、ヒビの部分にコー ルタールみたいなものを塗ったとんでもない補修の痕が一杯ある。役に立たない過去 の遺産を後生大事に取っておくなんてのは、贅沢なこと何でしょうか?
 窟院を出た所の土産物屋で絵葉書を買う。1枚25Ks。結構高い。みんなで20 枚買って1枚分まけてもらうのが精一杯だった。
 馬車の兄ちゃんが次はバッテリーがどうのと言っている。何のことか分からないが、 どうせパゴダの名前かなんかだろうと「OK、OK」なんて言っていたら、マーケッ トの方へ戻り、車のバッテリー(電池)を交換した。何で馬車にバッテリーがいるの? 兄ちゃんによるとテールランプ用らしい。
 馬車は後ろに少し傾いている。後ろ向きの席に座ったが、最初は乗り慣れないので 揺れるとそのまま後ろに落ちそうな気がしてしがみついていたが、そのうち慣れてき た。サイカーにくらべたらずっと乗り心地がよかった。前向きの席はもっといいと思う。

◆パゴダは裸足
 パゴダはどこも土足禁止である。靴下もいけない。日本でもお寺の建物の中は土足 禁止が多いが、ミャンマーでは敷地内はすべて土足禁止である。パゴダの外塀から建 物までは屋外なので、足の裏が靴の裏と同じ状態になってしまう。靴の中が泥だらけ になってしまうので、1日中素足でいることにした。
 しかしである、屋外を素足で歩くのはかなり厳しい。なんせ、この炎天下。地面は 物凄く熱い。木陰から木陰へダッシュするのだが、それでもとてつもなく熱い。熱い というより、それを遥かに通り越して痛いくらいだ。ほとんど火傷寸前。更に屋外な ので小石が落ちている。これがまた痛い。まるで苦行を積んでいるみたい。どこかで サンダルを買って、せめてパゴダの外では熱い思いをしないで済むようにしたい。ミャ ンマー人のガイドの人に「裸足で外も歩いてるの?熱いでしょ?」と呆れられてしまっ た。でも、この日は願いはかなわなかった。

◆これ、キレイね!
 「これ、キレイね!」土産物屋に行くと必ず聞く日本語である。つまり、だから買っ て頂戴、というわけである。有名なパゴダの入口には土産物屋があって、そこで「こ れ、キレイね!」攻撃が始まるのである。そして、無視してパゴダを見て歩こうとし ても、しつこくついてくるのである。じっくり見て回りたいのに興醒めしてしまう。 意地悪な私はこんな奴らから何も買ってやるか、と思ってしまう。せめて帰りがけに 声を掛けるようにして欲しい。
 それに男の人にも「これ、キレイね!」ばかりを繰り返されるのも、実に変な感じ だ。「〜ね」って女言葉だと思うんだけど。女の人が繰り返しても、「買って」って 言え、「だから、なん何だ!」と思ってしまう。
 ちなみに、土産物屋で「キレイ」といって売られているものは、パガン特産の漆器 である。まあ、確かにデザインも良くきれいなのだが、はっきり言って作りが甘い。 器の縁の円や直線であるべきところが、うねっているのである。さらに厚みが見て分 かるほど違う。そのせいで、えらく安っぽく見える。確かにきれいなだけ惜しい。

◆かわいい少女とすばらしい壁画
 アーナンダ寺院はカラフルな寺院である。私が子供の頃に見たロボット物?の漫画 などで登場する悪者一団の南の国にあるアジトと言った感じがする。(良く分からな い表現かな?)もちろん、悪者がそこにたむろしているわけではない。
 この寺院の中はとても涼しい。また内部に多くのレリーフがある。寺院の入口のと ころには例によって土産物屋があり、回廊を進んでいき本堂?に入ったところに、か わいい少女がいた。驚くほど流暢な英語で案内をしてくれる。聞いてみると13才と のこと。こっちの人は若く見えるが、この子はしっかりしていてもう少し大きいかと 思った。別にガイドをやっているわけではなく、学校が夏休み?で家が近いので遊び に来ているとのこと。
 Nさんと「ミャンマーにはかわいい娘が多いけど、あの子は特にかわいいね」「う ん、うん」なんて言っていたら突然、「ありがとう」ときれいな日本語で言われてし まった。「えっ??」である。まさか、まさか日本語まで話せるとは。会話が出来る ほどは日本語が出来るわけではないが、いろんな文章(単語ではなく)を覚えている。 流暢な英語と言い、才能かねぇ。実際、本当にかわいい子で多くの日本人の観光客に 言われるのかな?なんて思って聞いてみたら。「うん」とのこと。自他共に認めると 言ったところか。さらに利発な子で、近所の人達にも人気者のようで、また一目置い ている感じ。名前も住所も聞いてしまったが、ヒ・ミ・ツ。Sちゃんとしておこう。
 その子に案内してもらい寺院を巡る。東門をでて左に行ったところのパゴダも案内 してくれる。普段そこは鍵がかかっていて中に入れない。Sちゃんが東門のところに いた兄ちゃんに言って鍵を開けさせる。
 このパゴダの名前は「地球の歩き方」にも載っていないし、名前なんてどうでもよ かったので、わからない。パガンを高いところから見たらすばらしいだろうな、と思っ ていたので、鍵を開けてくれたときには、登れるのかな?と期待したけど、それは無 理だった。なーんだ、と思ったのも束の間、「おーっ」となってしまった。目の前に すばらしい壁画があるではないか。旅行中に見た中で最も保存状態の良い、すばらし い壁画であった。真ん中の部屋に大きな壁画があり、その部屋の外周りに物語が描か れている。ちょっと残念なのは人の手が届く辺りから下の壁画が痛んでいることであ る。誰のせいかは知らないが、しっかり保存して欲しい。内部は撮影禁止なのでしっ かり眼に焼き付けるように。いや、撮影できたとしても、実物にはかなわない。

◆パゴダでご馳走さま
 アーナンダ寺院を後にして次の寺院へ。もうこの辺から次の寺院としか言い様がな い。寺院が多すぎて覚えられないし、暑くてどうでも言い気分になっている。馬車の 兄ちゃんに「次はどこそこでいい?」って聞かれても「アップ・トゥー・ユー」(好 きにして)である。
 12時半頃行った寺院でぐるっと回って出口に戻ると、土産物屋の家族が御飯を食 べていた。どんなものを食べているのかな?とずうずうしくものぞき込む。そしたら、 お父さんが食べろ食べろと勧めてくれる。Nさんはお腹壊すと嫌だし、と言っている。 私の方は食い意地が張っているので、つまませてもらう。
 フィッシュカレーみ たいなもの。こりゃいける!そこらの食堂で食べるよりずっとおいしい。「うまい、 うまい」と言っていたら、「そっちも食べてみろ、もっとあるぞ、ご飯も食べろ」て な具合にさらに勧めてくれる。どれもおいしい。いやホント。そのうちNさんも手を 出しだした。真っ赤なとうがらしの一杯入ったフリカケ見たいなのを勧めてくる。 「大丈夫、甘いから」とか。本当かな?なんて思いながら口にいれると、辛い〜〜! みんな笑っている。やられた。Y君によるとお母さんが「うそ、うそ」てな具合に首 を振っていたらしい。教えてくれよ。口直しか、お母さんがマンゴを1人に1つづつ くれた。昨日の晩に食堂でもマンゴを食べたが、そいつは酸っぱくて仕方なかったが、 これは甘くておいしい。
 バクバク食べるわけにもいかないし、お腹も減ってきたのでお昼を食べに行こうと いうことで立ち去ろうとすると、「ところで、土産物でもどう?」とのこと。う〜ん、 まいった。欲しいものがあるわけではないが、見ないわけにも行かない。他の寺院の ところと代わり映えしない。漆器でいいのがあれば買おうかな、とも思ったが、やは り作りが甘い。大変申し訳ないが、何も買うことなく後にした。

◆待望の眺め
 レストランに行き、お昼ご飯。ちょうど日本人の女の子2人組が出てきた。裸足で 歩いているのを見て、暑くないですか?と聞く。分かりきっているじゃないか、熱い よ、日向で話し掛けられても立ち止れない。彼女達の現地ガイドの人も、よく歩ける ね、と呆れていた。
 レストランには他に学生さんらしき日本人5人組がいた。我々は庭の木陰の席をとっ た。馬車の兄ちゃんには2時半から午後の部と告げておく。この暑さにはまいる。我々 3人がくたくたなのに対して、学生さん?御一行の元気のいいこと。
 2時半近くになって、3人して「まさか、時間通りに帰ってこないよね」なんて行っ ていたら、向こうから馬車が来る。律儀。普段なら歓迎だが、今日はまるで嫌味のよ う。彼をテーブルに呼んで、ジュースをご馳走してもうしばらく休憩。学生さんで、 夏休みなのでお父さんの代わりに馬車を走らしているとのこと。
 じっとしていてもラチがあかないので、出発する。まずはMTTへ。そこで登れる パゴダを聞こうと思ったが、みんなお昼寝中。ちょっと声を掛けたが起きる気配はな い。我々も昼寝をしたい気分なので、起こすのも悪いなと帰りかけたところへ、外か ら職員が入ってきた。その人に登れるパゴダを教えてもらう。「地球の歩き方」では パーミッション(許可)が要るようなことも書いてあったが、不要だった。ついでに その隣のマンダレー・エアーでNさんが帰りの便のリコンファームをする。
 その後、教えてもらった1つのミンガラゼへ。ここは日の出がすばらしいそうだ。 登って振り返り、ただ、ただ、感動!そう、見たかったのはこの眺め。緑の中に無数 のパゴダが顔を覗かせている。緑は地平線まで続いており、近代的な物などどこにも 見えない。すばらしいの一言。

 一番上に登って東を望んだ眺めがすばらしい。午後はうまい具合にてっぺんのス トゥーパが影を作ってくれ、比較的涼しい。3人して半ば放心状態でボーッとたたず む。時間がゆっくりと進む。いや、止ってるのかな?そんな感じである。
 下の方から呼ぶ声がする。何かな?と思うと入口の土産物屋のおじさんが「冷たい 飲み物はいらんかね?」と言っている。欲しいけどまだ上に居たいし、下に降りるの も面倒。「出前してくれる〜?」と半ば冗談に言ってみたら「OK、OK、何がいい ?」との返事。出前料金取るかな?と思って値段を聞いてみたが70Ksで通常料金。 なんともありがたい。7UPを頼む。2人のおじさんが4〜5本持って上がってきた。 7UPは3本なかったらしく、色んなのを持ってきた。親切だね〜。
 続いてお決まりのパターン。ルビーはいらないか?と来た。いらない。と断ると、 ここでは買わない方がいいぞ、どうせ偽物だから。と内情を暴露しだした。やっぱり ね。と思いながらも、どうしてそんなこと話すの?とも思う。さらにチャットに両替 しないかと来た。レートは119だという。それも1Ks利益ださしてくれ、といい ながらである。なんとも正直な商売気のないおじさんだこと。
 どっちにしても感動していたところなんだから、俗世の話は今しないで欲しい。構 わずにいたら下へ降りていった。しばらくすると向こうから車が来た。観光客だ。欧 米系の夫婦。静かに感動に浸っていられなくなったので、退散することにした。

◆夕陽と砂嵐
 夕方も近くなってきたが、まだもう少し時間がある。川岸に近いパゴダへ行く。自 信はないが、多分ブーパヤー・パゴダだと思う。カメラ持ち込み料を取られる。これ もはっきり覚えていないが、カメラ1つにつき20Ks、ビデオカメラは50Ksだっ たと思う。
 きれいなタイル張りの床になっている。下が白、上が金色のきれいなパゴダです。 でも、ここの見どころはパゴダではない。やはりイラワジ川だ。どうてっことないと 言えば、川があるだけなのでそれまでだが。川を望める場所にベンチがある。そこに ゴロッと横になって空を見る。真青な空と金色のパゴダの先端しか見えない。ちょっ と不思議な気分。日本語が聞こえる。昼間の2人組の女の子達。さすがに日本人がい ると横になってるものちょっと恥ずかしいのでムックリと起き上がる。
 川を見ると犬がトコトコ歩いている。すると川に入って肩?まで浸かってじっとし だした。やっぱり毛皮を着ているだけあって暑いんだろうね。しかし気持よさそう。 大分長い間じっと浸かっていたが(それをじっと見ていたが)沐浴を終えてどこかへ 行ってしまった。続いて人間様のご登場。みんなで水浴びをしている。
 さて、日の入も近づいたのでシュエサンドーへ行くことにする。MTTで夕陽がき れいだと聞いていたパゴダである。遠くからでも多くの観光客がいるのが分かる。こ んなに沢山の観光客を一度に見たのは船の中を除いて、ここだけであった。静かなほ うが好きなので、ちょっとがっかりだが、そういう自分も観光客。贅沢は言えない。 行ってみると、なんとSちゃんがいるではないか。「やっぱり来た。」なんて具合に 話し掛けてくる。結構人なつっこい。そういえばお色直しをしている。水浴びでもし たのかな?
 日の入の眺めはまあ、まあ。これを最初に見れば感動ものだが、川の向こうに山が あるので、ミンガラゼから東を見たように無限に続くというイメージがなく、ちょっ とスケールダウン。日が沈む頃、川の向こうがもやっている。あら〜。また、砂嵐だ。 そう思っているとすごい風と砂が吹き付けてくる。砂は地面の近くで舞っているだけ だと思っていたら、大間違い。パゴダの上にいても砂に襲われる。パゴダを降りるこ とにするが、もともと高所恐怖症なので風が吹いてなくても怖い。ましてや砂嵐とな ると怖くて仕方ない。Nさん、Y君に待ってもらってゆっくり、ゆっくり降りる。本 当におっかない。

◆宿へ
 宿に戻る途中、果物屋さんによる。と言っても屋台みたいな所だが。そこで、Nさ んがパイナップル、Y君がマンゴを買った。あんまりまけてくれなかった。だいぶ暗 くなったので馬車のテールランプを着けた。なる程、今朝のバッテリーはこれの為だっ たわけね。
 宿に戻ってシャワーをあび、一息ついたら、Y君が晩飯に誘いに来た。ロビーに降 りてみると1人増えている。Y君と同じ宿の女の子のHさん。晩ご飯は我々のGHの 隣のレストランに行った。話を聞いてみるとHさんも結構、強者。みんなでマンダレー ・ビアで乾杯し、これまで旅行した国の話などをしながら楽しく食事をした。
 夕方買ったパイナップルをGHの冷蔵庫で冷やしてもらっていたので、オーナーが 同じなのをいいことに、取りに行ってもらい、さらに切ってもらう。持ち込みどころ の話ではないが、別に何も言われなかったし、追加料金もなかった。(多分)
 その後、マーケットの近くのコールド・ドリンク屋さんで2次会。ここでも旅行談 義に花が咲き、12時半頃までとぐろを巻く。店の人が片付けを始めたのでそれこそ 仕方なくと行った感じでGHに戻った。お休みなさい。

◆パガンの宿情報    詳しくは「マンダレーからパガンへの船旅」参照
・Pynsa Rupa   私の泊まったGHです。お勧めです。
・Lucky Seven   Pynsa Rupa からマーケットよりにあります。
・Golden Myanmar Lucky Seven の向かいです。


アジア旅行記の索引ページに戻る
ミャンマー編の索引へ戻る
次のページ『パガンの太陽』へ

このページの先頭へ戻る