アジア旅行記

【ミャンマー編】 '96/04/27〜05/08          更新日:'96/07/14


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【パガンでの日課】 '96/05/02〜07

◆パゴダの少女を尋ねて
・出会い '96/05/03
 パガンに着いた翌日、船で知り合ったNさん、Y君と一緒に馬車を1日チャーター し、観光にでかけた。アーナンダ寺院に立ち寄ったとき、そこにかわいい少女、Sちゃ んがいた。ちょうど学校が夏休み?で、家が近くなので遊びに来ていたらしい。英語 が堪能で、日本語も少し話せた。ガイドをしてくれた。
(【パガン遺跡の馬車での観光】◆かわいい少女とすばらしい壁画:参照)
 夕方、日の入を見ようとシュエサンドー・パゴダにいくと、また、そこにSちゃん がいた。アーナンダ寺院からそれほど離れていないので、ここもテリトリーなのかな ?おもわず、「どうしてここにいるの?」と聞くと、「来ると思ったから」なんてか わいいことを言ってくれた。

・日課(?)の始まり '96/05/04
 3日目の朝、パガンがなかなか居心地がいいので、帰国の前日にヤンゴンに戻り1 泊するのを、帰国の日に飛行機でヤンゴンに戻ることにし、Nさんと2人で飛行機の チケットをオールドパガンのエアー・マンダレーのオフィスまで買いに行った。その 帰り、まだ9時半頃だというのに日差しがきつくなっている。船で焼けた腕が痛くなっ てきた。これ以上日焼けをすると目も当てられない状態になりそうだった。
 ところで、ミャンマーの女の人(小さい男も子も)は、ほっぺたにタナカという化 粧をしている。これは単にきれいに見せるためだけでなく、日焼け止め、虫除けの効 果があるらしい。で、これを思い起こし、ちょうどGHへの帰り道にアーナンダ寺院 があるので、もしSちゃんがいたらタナカを分けてもらって腕に塗ろうと厚かましい ことを思いつき、押しかけていった。
 寺院に入ると昨日より時間が早いせいか、観光客が少ない。向こうにSちゃんがい た。遊び相手?の観光客がいないからか、ちょっと暇そうな感じ。この日の朝マーケッ トに行きミャンマーの民族衣装であるロンジー(巻きスカート)を2人とも履いてい たので雰囲気が違ったのだと思うが、手を振っても最初はキョトンとしていたが、気 づいてくれた。
 「Sちゃんのほっぺに塗ってるタナカは日焼け止めだよね?」
 「うん」
 「日焼けで腕が真っ赤になって痛いんだけど、分けてくれない?」
 「いいよ、じゃ、こっちへおいで」
てな感じで、Sちゃんの後をトコトコついていった。どこまで行くのかな?と思って ついて行った。寺院を出る。外の道をSちゃんが裸足で歩いているのを見て、昨日自 分が1日裸足で歩き我慢できないほど暑かったのを思いおこし、やっぱりこっちの子 はなれてるんだな、と思っていたら、小走りに走りだした。やっぱり彼女も熱いんだね。
 1件の家の前に来てSちゃんが中に呼びかけている。ありゃま、家まで押しかけて しまった。まあ、上がりなさい、とおばさんが言ってくれるので、遠慮なく上がって しまった。そしたらSちゃんのお姉さんがタナカの木とそれを擦るすずり見たいな物 を持ってきてくれた。あらっ?まあ!お姉さんも美人!墨を擦るようにタナカを擦っ て準備をしてくれる。ちょっと時間がかかりそう。いやはや、結構大変なお願いをし てしまった。
 Sちゃんが腕に塗ってくれる。するとお姉さんがNさんに、「あなたは塗らなくて いい?」と聞く。「ぼくは大丈夫だからいい」と言ったが、Sちゃんとお姉さんは悪 戯心を起こし、「顔に塗ってあげる」と言い出す。Nさんもさすがに最初は断ってい たが、しまいには塗ってもらってしまった。
 その後、話をしていたら、Sちゃんが“あなたの友達”は今日はどうしたの?と何 度か聞く。あら〜?Y君気に入られたかな?
 GHに戻ったあと、夕食時に「Sちゃんが呼んでたよ、かわいい娘を待たせちゃい かんな〜、明日は行ってやらにゃ」などとY君をからかう。

・様子を見に '96/05/05
 昨日の朝Nさんと2人でミンガラゼの日の出を見に行って「良かったよ」と言って いたら、Y君が今日の朝行ってこようと行っていたので、YさんのGHには寄らずに Nさんとマーケットに出かけた。少し買い物をして午前中を過ごす。
 GHに戻り、うたた寝をしていると「ご飯に行こう」と呼びに来た。食事が済んで、 さて、Y君はどうしてるかな?GHにはいなかったけど、Sちゃんのとことに行った のかな?と言うことで、様子を見にいくことにした。(暇だね〜)
 アーナンダ寺院に行くと今日はさらにひっそりしている。Y君もSちゃんもいない。 Y君は来てないのかな?などと思いながら、寺院の外を回って反対側の入口に行こう とする。そしたらたまたまSちゃんの家の前を通っていた。
 誰かが大きな声で「S、S」とSちゃんの名前を呼んでいる。おや、Sちゃんはい るみたい。誰かが呼びに行っちゃったし、顔くらい見せとかないといけないかな?と 思っていたら、Sちゃんが眠そうな顔で出てきた。昼寝中だった。悪いことしたな。 そしたら、「友達は寺院で寝てるよ」と言う。「???」。どこ?アーナンダにはい なかったけど、と思っていると家のとなりの小さな寺の2階に案内された。
 Y君がゴザと枕を用意してもらって寝ている。見ず知らずの旅行者がふらっと立ち 寄って地元の人の所でゴザと枕を借りて寝てるなんてちょっとすごい。Y君にどうし たの?と聞いていたら、「あなた達も昼寝したら」とさらに2人分のゴザと枕をどこ からか持ってきてくれた。さらにマンゴーを持ってきてくれる。ちょうどリュックに 今朝マーケットで買った豆菓子があったので、こちらからはそれを出す。
 Sちゃん、お姉さんのCさん、Kちゃん、おばさん、おばさんの子供、おばさんも 英語が達者で、ユーモアもある。みんなで楽しくおしゃべりした。おばさん曰く、こ の次パガンに来たらGHなんか泊まらず、家に泊まればいいから。とのこと。さあ、 次はいつになるでしょう?
 外で何かやっている。Y君が行ってみる。しばらくすると、Kちゃんが呼ぶ。何か と思うとY君が鍬をふるっている。何をしているのかと思えば、下水管の埋設を手伝っ ている。マンゴーとかご馳走になったし、と言うことで3人で手伝う。掘っていると 焼き物の破片が出てくる。遺跡関係の土器、瓦の破片のような感じ。う〜ん。もしか して、破壊活動に手を貸しているのだろうか?そんなことを話ながらやっていたが、 地元の人よりずっと作業がへたで遅いので交替した。手伝っていたのか、邪魔をして いたのか分からない。
 となりの家の人達が一列に座ってこちらを見ている。なんだか完全に見せ物になっ ている。お茶と、漬物見たいな物にピーナッツを混ぜたお菓子をご馳走になった。雲 行きが少し怪しくなってきたので引き揚げることにする。

・帰国挨拶へ '96/05/06
 Nさんは朝、帰国の途についた。私も明日の朝出発するので、実質今日が最終日。 お土産を買ったり、買ったまま1枚も書いていない絵葉書を慌てて書いたりしていた。 日差しが少し弱くなってきたころ、Sちゃんの家に挨拶に行くことにした。
 行ってみるとSちゃんはいない。おばさんに聞いてみると、いつも昼時に昼寝をす るのだが、きっとY君がくると思って寝なかったらしい。そしてなかなかこないので、 「きっと来る」と思って夕陽で有名なシュエサンドーに行ったとのこと。
 昨日の感じからすると昼時に来ると、昼ご飯をご馳走になりそうで、迷惑を掛ける 気がしたので夕方来たが、逆にかわいそうなことをした。シュエサンドーに行こうと 思ったが、おばさんが「もうすぐ日の入だし、戻ってくるよ」と言うので、おばさん と話をしていた。明日の朝、帰国なので先に挨拶しておいた。そうしたら、漆塗りの 器をプレゼントしてくれた。こちらが何かをしてあげたなど何もないし、毎日のよう におじゃまをしていたので大変気が引けたが、ありがたく頂戴することにした。土産 物屋でよく売っている品物だが、家で作っているとのこと。
 日の入が近づき、やっぱりSちゃんが待っているシュエサンドーに行くことにした。 やっぱり行ってあげたほうが喜ぶだろうしね。
 シュエサンドーに行くとSちゃんがいた。Y君が「ごめん、ごめん」といい、Sちゃ んは「いいの、いいの」と言っている。はたで見ているとSちゃんはさりげなくY君 に寄り添う感じ。1周り近く違うのだけど、Sちゃんにとって恋心を抱かせる存在だっ たのかな?

◆休憩は果物屋で
 パゴダが集まっているオールド・パガンとGHのあるニャウンウーのちょうど中間 くらいのところに果物屋さんがある。毎日この道を往復していたのだが、途中必ず立 ち寄っていた。お母さん、お父さん、娘さんでやっていた。
 最初は馬車での観光を終え、GHに戻る前に立ち寄った。持ち帰りもできるし、そ の場で切ってもらって食べることもできる。いつも果物を買った後、お茶と砂糖菓子 をご馳走になっていた。
 食べたのはパイナップル、マンゴー、西瓜、巨大なミカンの様なもの、パーム・フ ルーツ。

ここで2回目に買った西瓜は中が白かった。熟れてないのでは?と思ったが、ちゃん と普通の西瓜の味がした。巨大ミカン、これは以前タイで食べておいしかったので、 買った。名前を聞くのだがすぐに忘れてしまう。酸っぱさ控えめで甘くておいしい。 パーム・フルーツ、食べたヤツは甘くもなんともなかった。拳大の大きさで、中にレ イシの様な実が入っている。柿のような香りがした。
 GHからマーケットに行こうと歩いていたとき、後ろから誰かが「ハロー」と声を 掛けてくる。誰かな?と振り向くと果物屋の女の子だった。サイカーに乗ってお母さ んとマーケットに買い出しらしい。おとなしい女の子だったので、向こうから声を掛 けてきたので驚いてしまった。

◆毎夜、毎夜の旅行談義
 バックパッカーが集まって食事をすると、これまでの旅行、これからの旅行につい て止めどもなく話が弾んでしまう。7時頃夕食に行って、ゆっくり2時間以上かけて 食事をし、その後、コールド・ドリンク屋へ行って2次会。そこで12時ころまでと ぐろを巻く毎日だった。さらにGHに戻って2時まで屋上で飲んでいたこともあった。
 どこどこへ行った、どうだった、と言うのや、各国の首都当てクイズから、海外を 一人で旅をして得たことを今後の人生にどう活かしたらいいのだろうなんて哲学的な ことまでいろんな話をした。
 私もだが、みんなも普段はあまりこんな話をしないとのこと。なぜかと言うと同じ ような旅をしていない人に旅で感動したことを話をしても「ふ〜ん」で終ってしまい、 話すのがばからしくなるから。そうか、みんな、同じように感じているんだなと納得 してしまった。結局は「百聞は一見に如かず」。みんな、旅に出よう!

◆パガンの宿情報    詳しくは「マンダレーからパガンへの船旅」参照
・Pynsa Rupa   私の泊まったGHです。お勧めです。
・Lucky Seven   Pynsa Rupa からマーケットよりにあります。
・Golden Myanmar Lucky Seven の向かいです。


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