アジア旅行記 |
'97/04/26〜05/05 作成日:'97/10/18
◆バンテアイスレイへ
今日はバンテアイスレイへ行く予定だ。アンコールワット遺跡群の北側35km程度の
所にある遺跡で、途中のエリアは治安に問題があると言われるところなので、セイフ
ティガード料を軍(?)に支払って通行することになる。予定通りの8:30予定に出発し
た。
やはり少し緊張する。危険かも知れないというのと、あんまりいい道でないところ
をバイクの後ろにまたがり長時間走る言うのと両方だ。途中に2ケ所チェックポイン
トがあった。始めのうちは一応舗装してあったが、残りの 2/3 位は未舗装で、砂ぼこ
りがすごい。向こうから車が来たりするともう最低!最初のチェックポイントからフ
ランス人の観光客のバイクと、なんとなく並走することになった。小さな寺院が見え
てきて、“遺跡群のエリアに入ったのか、もう少しだな”と思ったらとそれがバンティ
アイスレイだった。えっ?小さい!この大きさは少しがっかり。
中に入って行くとここの彫刻は彫りが深くみごとなのが分かってくる。参道を過ぎ
てここから寺院内へというところで警官がこっちでチェックインしろみたいなことを
言う。一緒に並走してきたフランス人はそのまま行かせて僕だけ?何で何だよ?気分
盛り上がってきたところなのに!もの凄く不満。とは言っても相手が相手なので一緒
に行ってみると入口のところでバイクの運ちゃんがOKと言いながら、いいから見て
こいと手を振る。オラオラこんだけなら呼ぶなよ!
確かにここの彫刻はくっきりと残っているし、盗掘もあまりないようで、実にきれ
いだ。一番くっきりしているデバダーの写真を撮っていると日本人の女の人に“撮っ
てもらえませんか?これが一番有名なんですよね?”と声を掛けられた。知らなかっ
た〜。そうか有名なのか〜!素人の僕でもいいなと思うくらいだもんな。しかしこの人
はちゃんと勉強して来てるんだなと思ったら、実はツアーの添乗員さんだった。
汗だくだったのでハンカチで汗をぬぐうとハンカチが茶色くなる。思わず“ウワッ”
と叫んでしまった。すると添乗員さんが“ファンデーションですか?”って聞いてく
る。今度は“エッ?”男でそんなのする人いるのかよ?一人で来たというと、“凄い、
凄い”と驚いていた。
その一団がいなくなると誰もいなくなりにぎやかだった寺院が急にひっそりとした。
静かになると“危険”と言われているのを思いだし、なんとなく少し不安になってく
る。さっきまでいた兵士もツアーを護衛して(?)行ってしまっている。見終わって
出ていくとバイクの兄ちゃんがこっちこっちと呼ぶ。何かと思うと 116 (106?) 才の
おじいさん(おばあさん?)と一緒に写真を撮らないか?だと。しっかりと“被写体
料”を請求されたが、まあ、お年寄りは大事(?)にしなくちゃいけないしというこ
とで500Rお支払いした。(500はセコかった?)
◆お腹を空かしながらの観光(バンテアイ・サムレ、タ・ソム他)
バンテアイ・スレイから帰る途中、ちょっと寄り道するとバンティアイ・サムレっ
て言うところがあるけど行くか?と運ちゃんに聞かれ、ここまで来たらせっかくなの
で行くことにした。やはり“危険地帯”なのでセイフティ・ガード料が別途必要との
ことで2ドル取られた。しかしバンテアイ・スレイに行くときもそうだったがガード
料というのは良く分からない。ガードがついてくるわけでもないし、一体何をどうガー
ドしているんだ?+2ドルも運ちゃんのポッケではと疑ってしまう。
もうとっくに12時を回っている。途中で何か食べ物を売っていればいいのだが、
残念ながらない。運ちゃんがタ・ソムも行くかって聞くもんだから、そこも回ること
に。暑いし、腹減ったし、バイクにずっと乗ってて疲れてきたが、もー、こうなった
ら全部見てやるぞ。
タ・ソムの入口で2人連れの日本人に出会った。彼らもまだ昼をとっていないとの
ことだし、せっかくなのでアンコール・ワットの前の食堂で一緒に食事をする約束を
して一旦別れる。あー、すでに1時前だ。バイクの兄ちゃんがお腹を空かしているみ
たいなので、僕がタ・ソムを見てる間にと、お腹の足しにココナッツをおごる。タ・
ソムを見て、さらにアンコールワットへ行く途中にある2つの寺院も見て先を急ぐ。
(急ぐんなら見ずに行けよ)
着いてみるとまだ彼らは来ていない。いつもの食堂に座るとドッと疲れてきた。食
事が出てきたところで彼らも到着。実は彼らは別の食堂が良かったらしい。彼等曰く、
昨日来たときに外人用のメニューとカンボジア人用のメニューで値段が違うのでもめ
たらしい。彼らはシェムリアップの宿で知りあったとのこと。1人は明日帰国で、も
う1人は1年の旅行の予定で2カ月経ったところと言っていた。こういう人時々いる
よね。(えっ?普通見かけない?)お茶はタダだと思うのにそれも頼まず自分の水を
飲んでいた。料金取られるかもと考えてそこまでケチケチしていたら楽しくないんじゃ
ない?旅のスタイルが違うな、なんて思ったりもしたが、話し相手も欲しいので夕食
も一緒に食べる約束をした。僕のGHの近くのマーケットにある屋台の場所を教え、
7時の約束する。
◆届かない絵はがき
ゆっくりと昼御飯を食べ、休むためにGHに戻る。途中銀行に寄り両替し、プノン
ペンまでのエアーチケットの予約を入れる。5時に受け取れるとのこと。頭のてっぺ
んからつま先までドロドロなので今日持っていった物すべてを洗う。服は言うに及ば
ず、デイパックまで洗った。いやはやホントにものすごくほこりっぽかった。 バイ
クの運ちゃんに5:00にまた来てもらって、まずはチケットを受け取りに行く。 55ド
ル。続いて郵便局に行ってハガキを出す。1枚1600 R。切手はシアヌーク国王のデザ
インで、物凄く大きい。文面に少しかかってしまった。郵便事情が極めて悪く、ひど
い場合には郵便局員が切手を剥がして小遣い稼ぎをするなんて噂も聞いていたので、
スタンプを押すまで見ていようかとも思ったが、運ちゃんに待ってもらってるし、夕
日も見に行きたいしで、信じることにした。(後日談:半年以上経ったが、まだハガ
キは届かない。噂は本当だったのか?例の“クーデターまがい”が影響したのか?あ
のハガキはもう世の中に存在しないんだろうな)
外へ出てみると雲行きが怪しく、風も強くなってきた。夕日を見に西バライに行く
つもりだったがあきらめる。すぐに戻ってくれても良かったんだけど、バイクの運ちゃ
んがサービス(?)でその辺を回ってくれた。西の方の空を見ると明るかったので未
練が残ったが、今日は少しお疲れなのでやっぱりGHへ戻ることにした。そしたら戻っ
てすぐに雨が降り出した。干していたカバンを取り入れギリギリセーフ。夕日を見に
行かなくてよかった〜。
◆にわか日本語教師
雨が止んで西の空を見るとメチャメチャきれい。あわててカメラをもって外へ出て、
夕日の見えるポイントがないか探す。が、やはり一応街中、見晴らしのいいところは
なかった。うろちょろして路地の方に入っていたし、暗くなってきたので戻りかける
と、三差路の角のところで声をかける人がいる。なんだ?と思ってそちらを見ると、
机が並びホワイトボードまである。なんと日本語教室だそうで、声をかけてきたのは
先生。先生としばらく話をしてその後結局にわか教師をすることになった。名前は何
で、どこから来て、何語が話せるとかをホワイトボードに書いたりした。最後にみん
なで写真を撮って、送ってあげるのに先生の住所を聞く。しかしこの先生、お間抜け
なことにカタカナで住所を書く。それじゃ届かないだろう!英語とクメールで書いて
もらおうとするが、この簡単なことがなかなか理解してもらえない。すでに夕食の約
束をした7:00を回っていたのであせった。
ようやく“解放”されてマーケットの方に向かうが道は真っ暗。大丈夫かなと心配
になる。さっきの生徒の誰かがバイクで送ってくれないかなと期待するが、住所を教
えてもらっている間に生徒の皆さんは帰っていた。GHには寄らずにそのままマーケッ
トに行き、いつもの店のところで彼らを見つけるが、すでにほとんど食べ終わってい
た。なんとここで財布がないのに気付く。しまったと思っていたら、彼らは今食べた
ところなのに、店を換えもう1度食べるというので一旦GHへ財布をとりに戻るはめ
になってしまった。