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１９９６年10月１１日開始
火だるまG
第３３回：１９９８年２月１１日
WILD LIFE/CAPTAIN BEEFHEART（69 IN TROUT MASK REPLICA）
俺はこの曲はナイフとライフとワイフがかかっていると思っていたのだが、ナイフという言葉はどこにも存在しないようだ。俺のヒアリング力も大したことないな。まことに情けない。
以下現代の若者を密かに思うロックバーの酔っぱらいマスターのたわごと。
「だいたい先こうなんていうのはよ。威張るのが商売だろう。威張ってなんぼというものだ。先こうが威張っているのが気に入らないという御時世になったら、だぁれも先こうになんてならないわな。別に世の中に先こうがいなくなっても困らないが、先こうになる奴なんて、威張りたいからなる奴等に決まっているんだ。それが人間というものだ、君だって、威張られるほうではなく、自分が威張るほうにあるならば、しっかり威張ってしまうのではないか？ 自分は威張ってもいいけど、人には威張られたくないって？ まぁ、そうだよな、みんな」
「それにしても、君は、どうしてこうも生き急ぐんだ。いや、死に急ぐんだ。どうしたって、もう10年もすれば、社会のほうから、つまらないものになり果てた、十ぱひとからげの君をしっかり殺してくれるというのに、きれるとかむかつくとか、まるで狭い檻の中で刑を待つ死刑囚みたいだ。だぁれも君のことを狭い場所に押し込めたりしていないのだぞ。君が好きで入っているだけだ。そんなことよりも、楽しめよ」
「実は世の中の大人は、若い者に対して、あぁしろとか、こうしろとか、今現在誰もそんなこといっていないんだよ。不況でそんなこといっている暇はないし。それに今現在、これが正しい人間の生き方なんていいきれる奴なんか誰もいないんだよ。みんな何が幸せがわからないでびくびくおどおど暮らしているんだ。つまり若い君には今は最高に生きやすい世の中なんだ。大人と喧嘩やったって、栄養はいいから体もでかくて、あんたらのほうが強いのです」
「社会全体が元気なくたって、若者までがそんなつまらないムードに流される必要はない。社会が元気がない理由は、社会が歳をとってきて、死期が近づいてきて、みんな、歳をとるのが恐いからなんだよ。テレビを見てみなよ。ジャリタレ。ロリタレ。それはみんなが若さに憧れている証拠なのさ。現代の強者は若者なんだよ」
「それをどうして、そんなに不自由に暮らしているのだい？ 学校が嫌ならいかないで本でも音楽でも映画でも見てればいい。サッカーすればいいじゃんかよ。親がなんかいったら、きれてたたき殺す前に、冷静に新聞でも見せるんだね。糞みたいな官僚や政治家がパクられている記事で満載だ。そして親にいうんだ、こいつらみんな東大早大慶大出ているらしいよって」
「セックス？ それもいいけど、あんまり早くからやりすぎるとあきるぜ。セックスにあきた人間を大人っていうんだぜ。そんなに早く大人になりたいのかい？」
「俺の実感だけど、どこのどいつでも、25歳くらいまでは人生は楽しいよ。切れるならそれからでも遅くはない。そしたら革命でも起こしておくれよ」
「俺？ 俺はもうすぐ四十だけど、人生は面白いよ。生きているという実感で溢れている。その秘訣については君たちが25歳をこえたら教えて上げよう」
「ひとつだけまじめに聞いてほしいのだけど、たとえば君たちはそこいらへんにいるどうでもいい大人を尊敬していないだろう？ そう、人間には、どんなに威張られたり命令されたりしても、その人を、尊敬しない、愛さないという自由があるんだ。俺はこの国の総理大臣、特の今現在の人は全く尊敬していない。肉体的に、経済的に、どんなに強制を受けても、どこの誰にも感情や思考の自由はとめられないのだね。だから、裏返しでいえば、自分が誰かに愛されたり、尊敬されなくても、それは仕方のないことなのだ。自分が人から愛されない、異性にもてない、人気がない、そんなことで一喜一憂してもしょうがない、逆に、それが一番の関心になってしまうと、人生は地獄になるよ。だって明日雨が降るか晴れるか気になって気になって眠れない。そんな間抜けな話と一緒なんだもの。考えてもしょうがないことは考えないし、気にしてもしょうがないことは気にしない。人間に必要な強さというのはそれだけなんだ。でもね、まず、自分のことが好きになる。これは簡単。するといろんなマジックがおきてきたりするんだよ。ヒント与えすぎかな？」
僕のこの歌詞にスポットをあてる連載で、取り上げる曲の音楽面が最高に格好いいことは保証します。大音量で10回続けて聴いてみてください。きっと感じるものがあるでしょう。（この企画、文章、考え方などの著作権は一応存在するといっておきます）
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 音楽中毒=A |
 酩
酊料理人 ・工 |
