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WRITE IT LOUD!! ROLL OF ROCKS

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                        1996年10月11日開始

                                  火だるまG

第20回:1997年7月25日

GUILTY/RANDY NEWMAN(74 IN GOOD OLD BOYS)
ONE OF US MUST KNOW(SOONER OR LATER)/BOB DYLAN (66 IN BLONDE ON BLONDE)


そうです、たしかに僕は酔っぱらっています
だから、ここに来るべきではなかった
だけど、どうしようもなく
ほかに行くべき場所がなかったのです

バーでウイスキーをしこたま飲んで
友だちからもらったコケインも飲んで
あなたの腕の中に今一度、戻りたく
それで、歩き回るしかなかったんです

悪い、僕は、悪い
残りの人生においても、僕は悪いままでしょう
どうして僕にはするべきことができないのか?
どうして僕のすることはみんなダメになるのか?

もうばれているとは思いますが、僕はそんなやつです
自分自身でも、まったく辟易します
だから、自分自身ではない誰かの
ふりをして生きるしかないのです



大人になってよかったことといえば、人とつきあい、人と別れる時に、人と別れることとなった理由が、きちんと自分の胸に刻まれていくこと。ガキのころは、ただなんとなく人とつきあい、ただなんとなく人と別れた。
だから、ガキのころは、人と別れることとなっても、その人と別れることとなった理由が、自分自身の中のダメさにあるなどとは想像もつかず、去っていった人たちとの別れを、ただただ不条理な現実として、ぼうぜんと受けとめるばかりであった。自分自身の罪という条理に気がつかなかった。
時はいつの日にも親切な友だち。これは荒井由美氏の名言であるが、この言葉が通用する期間が、ガキということであり、きれいごとでいえば、青春ということであろう。なぜなら、罪の本質が、おのれに内在する場合に、時などというものは、糞の役にもたちはしない。だから心ある大人は酒を飲み、そして、いつの日にか、路上でくたばるのだろう。
花に嵐のたとえもあるぞ、サヨナラだけが人生だ。これは井伏鱒二氏の名言であるが、これは、大人の言葉であろう。サヨナラという哀しみの前に、花が咲いたという事実を心に刻んでおくという心のあり方に、大人の分別がある。
しかし、同時に、大人になって辛いこといえば、人とつきあい、人と別れる時に、人と別れることとなった理由が、いちいち、きちんと自分の胸に刻まれていくことである。人との出会い、人との別離が偶然ではなく、条理であると知った時に、大人は、自分の悪徳や罪を知る。そして、その罪を抱えたまま、大人はそれから先も生き、出会いと別れをくり返していくのだ、酒を飲みつつ、路上でくたばるおのれの姿の予感に打ち震えながら。



君をどうかしてやろうなんて、全然考えていなかった
そんなにすべてのことを自分に引き付けて考えなくてもいいのに
君に嫌な思いをさせる気もなかった
たまたまそこに君がいた。それだけさ
君が君の友人に微笑んで、サヨナラをいった時に
まさか、それが永遠の別れを意味するなんて思いもよらなかった
どうせすぐ彼らの元に帰っていくのだろうと思っていた

でも、遅かれ早かれ
僕にも君にもわかる時が来る
君はしたかったことをしただけだし
僕はただただ、君と仲良くしようとしたのだということをね

君は僕をよく知っているといっている
僕もそれを信じる
でもどんな風に僕を知っているのかな
君はスカーフで口元を隠すから
君が僕にいおうとしていることが
僕にはわからないよ
私をとるの、それとも、彼女?
君が僕の耳元でささやく
君がいっていることがわからない
君がそんなにガキだなんて、思いも寄らなかった

でも、遅かれ早かれ
僕にも君にもわかる時が来る
君はしたかったことをしただけだし
僕はただただ、君と仲良くしようとしたのだということをね

君の声を聞いている
いつからこんなに真冬の季節になっちまったのかと思う
君はわかっているというから
僕もそれを信じるけど
僕らはどんな道筋をたどってきたのだろうね?
そして、僕が謝ると
君は、冗談よっていうんだ、私は別に物わかりの悪いほうじゃないって
君がいくら僕の目をつぶそうとして、ひっかいても、僕には、僕は君を傷つける気なんてないって
そういうだけだけど

でも、遅かれ早かれ
僕にも君にもわかる時が来る
君はしたかったことをしただけだし
僕はただただ、君と仲良くしようとしたのだということをね




僕のこの歌詞にスポットをあてる連載で、取り上げる曲の音楽面が最高に格好いいことは保証します。大音量で10回続けて聴いてみてください。きっと感じるものがあるでしょう。(この企画、文章、考え方などの著作権は一応存在するといっておきます)


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