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WRITE IT LOUD!! ROLL OF ROCKS

                        1996年10月11日開始

                                  火だるまG

第16回:1997年5月25日

SIMPLE MAN/LYNYRD SKYNYRD(73 IN LYNYRD SKYNYRD)
SOMEDAY NEVER COMES/CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL (72 IN MARDI GRAS)
MATTRESS ON THE ROOF/FUNKY KINGS(76 IN FUNKY KINGS)


少年のころ母にいわれた
ここに来て私の話をお聞き
いつかきっと貴方にもわかる話よ

ゆっくりと生きなさい
生き急いではいけません
トラブルは付き物だけれど
そうそう続くものではないわ
女の人を見つけなさい
愛を知りなさい
そして決して忘れてはいけないのは
上を見てもキリはないということ

単純な人間になりなさい
自分自身で愛せる、自分自身で理解できる
単純な人間に
できたらそうしてちょうだいね

お金持ちのことなんか気にしないで
大事なのは貴方の魂
がんばるのよ
満足を知る人になって

単純な人間になりなさい
自分自身で愛せる、自分自身で理解できる
単純な人間に
できたらそうしてちょうだいね

心配はいらないわ
きっといつかは心からわかる
自分の心だけを頼りに生きて
がんばるのよ
満足を知る人になって



今でも思い出すのは
ガキのころ
わからないことだらけだったので
なんで? どうして?
おやじを質問責めにしていた思い出
おやじはいつも笑っては
俺の手を取りいったもの
いつかはおまえもにもわかるさ

しかし今となっては、俺は君たちにこういうしかない
すべてのガキどもよ、よぉ〜く聞け
早いうちに知っちまえ、若いうちにわかっちまえ
いつかなんてきやしない

時も、涙も過ぎて
俺はクズみたいな生き方をしてきた
しかしそれでもわからないことばかり
くたばってったおやじの遺言は
男らしくあられたし、いつかはわかる

しかし今となっては、俺は君たちにこういうしかない
すべてのガキどもよ、よぉ〜く聞け
早いうちに知っちまえ、若いうちにわかっちまえ
いつかなんてきやしない

ある春の日
実際俺はそこにはいなかったのだが
だってわからないことばかりだったもんで・・・・・・
俺にガキができて、母親にあたる女性が、そいつを抱いて
いつかはあんたにもわかるわよ、なんてぬかしやがった

しかし今となっては、俺は君たちにこういうしかない
すべてのガキどもよ、よぉ〜く聞け
早いうちに知っちまえ、若いうちにわかっちまえ
いつかなんてきやしない

俺が死んだのは秋だった
結局なにもわからないまま、俺の人生は終わった
俺は俺のガキが
男らしく生きようとして、俺の墓の前に立っているのを眺めている
いつかはおまえにもわかるさ、なんてつぶやきながら





この間の日曜日。縁あって知り合うこととなった24歳の青年と朝まで飲んだ。彼は音楽の専門学校を出て、西新宿界隈の輸入盤屋やブートレッグ屋で店員やスタッフなどをしながら暮らしてきたが、最近では、猿岩石やV6が、シングルカットする楽曲を選ぶさいに、その候補曲に立候補しようとする楽曲のアレンジのバイトをしているそうだ。1曲やって5万円。週に1曲のペースだけど、徹夜したりして一日中やっているので、時給に直すと1000円以下だといって笑っていた。その世界は1曲が世に出るために、10曲の候補が選ばれ、10曲の候補になるために、100曲の候補予備軍がいるという世界だそうだ。
彼には、そうこうしてなんとかその世界とコネを付け、ふだんはバイトやらで生活している仲間たちの音楽を世に出すチャンスを探るという夢がある。自分はミュージッシャン指向ではないと彼はいう。しかし音楽を志しながら、生活に疲れ、世間に一度もそれを問うことなしに、あきらめていく仲間たちを見ることは悲しいと。
彼は同じような考えを持つ仲間3人とプロヂューサーチームを結成して、レーベルを持ち、そのようなミュージッシャンの楽曲をコンピレートしたサンプルCDを作成したい。そのためには金がいり、だから、もう少し割のいいバイトを探さなくてはといっていた。彼はそのような彼の夢で食えるなんて、当座のところは、さらさら思っていないそうである。

彼の決して平らかではなかった過去や現在の話もずいぶん聞いたのだが、やはり印象に残るのは、彼の未来に対する、楽観的な態度であり、それに基づいた現在の身の処し方である。若いっていいよなぁ。

笑ってしまう。俺はもう1週間もすると39歳になる。

人間はどうして、過去と現在だけで、生きていけないのだろう? 未来なんてだれにもわからないではないの。最近つくづくそう思う。
もう少しクリアな言葉でいうと、未来に対する漠然とした不安が、現実の過去や現在の歓びや哀しみを浸食することが理解できない。それでは、人生とは、まるで味わうことなしで、ただ生をつないでいるだけではないか。
もっとも、最近の俺(たち)の未来に対する不安は、漠然なんてものではなく、実にヘビーメタルな重厚なものではあるのだが・・・・・・
しかし、それでも、
俺はあの日の感動を思い出していたい。今の今この時の歓びを味わいたい。昔の苦しみを忘れたくない。今の哀しみを抱きしめていたい。
そして未来に対しては、彼のような、地の塩のような夢を見ていようと思う。
若き人よ、君は君の道を行け、僕は僕の道を行こう。そしてまた機会あれば酒を飲もう。





メイフェアパークの駐車場の善意の箱の上にそのマットレスは置いてあった。
幾ばくかの小銭を投げ込み
愛車ストゥドベーカーの屋根にくくりつけて
僕はそれを家に持って帰った
僕にとってはいつものことではあるが
最高の買い物である
それにしても、これは1世紀に一度あるかないかという
最高のアイディアである

おいでよ、僕と一緒に登っておいで
そのオンボロ梯子を天まで登ってくればいい
まぶしい陽光、美しい夜の風
花の香りを味わいながら、僕の屋根の上のマットレスに寝転がり
暮れゆく夜空を見上げれば
それはまさに偉大なるヴァン・ゴッホのようだ

麻のシートやらいろいろ持ち出して
僕は要塞のようなものを作った
もちろん夜空が見えるように、天井は大きく開けてある
他人から見ればアホに見えるだろう
しかしある人にとってのクズが、ある者にとっては天国なのである

おいでよ、僕と一緒に登っておいで
そのオンボロ梯子を天まで登ってくればいい
まぶしい陽光、美しい夜の風
花の香りを味わいながら、僕の屋根の上のマットレスに寝転がり
暮れゆく夜空を見上げれば
それはまさに偉大なるヴァン・ゴッホのようだ

どんな億万長者にも負けないほど
僕はこの人生を楽しんでいる
信じられないのなら
いつでも証明して見せよう
僕と一緒に登っておいで
陽の光、陽の息吹、君の髪を風が撫でる
僕の屋根の上のマットレスの上で





僕のこの歌詞にスポットをあてる連載で、取り上げる曲の音楽面が最高に格好いいことは保証します。大音量で10回続けて聴いてみてください。きっと感じるものがあるでしょう。(この企画、文章、考え方などの著作権は一応存在するといっておきます)


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