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火だるまGのTHANK YOU REPORT


since 96.5.03

毎月3と9の日に僕のHEART AND SOULからお届けします。1カ月単位でバックナンバーに在庫していきます。

1997年9月3日〜1997年9月29日

9月3日 進化するスポーツ・退化するジャーナリズム
9日   道を削って歩く男と眼があって
13日  必然的な突然の発作で星に願いを
19日  経緯をたどった連続した瞬間は本性を招く
23日  ALONE**老婆心**TOGETHER(004)
29日  しかし定着するもの

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3日(水曜日)

進化するスポーツ・退化するジャーナリズム

需要と供給の大幅な見積もり違いというか、見当違いのマーケットリサーチの行き着く果てというか、はたまた、自分らが幼稚だから消費者=視聴者=一般人はもっと幼稚に違いないと思いたいという幼稚な心というか、あるいは、すべての物事には光あればその光量と同等なだけの暗闇も存するのだという当たり前の道理もわからないおおばかもの揃いというべきか、最近のスポーツジャーナリズムの退潮ぶりには目をおおいたくなるばかりである。

一事が万事。8月30日のプロ野球、横浜対阪神の19回戦。試合を決めたのは7回の表の横浜の攻撃、2アウト1、2塁のチャンスに横浜、谷繁の放った右中間を抜けようかというライナーを頭からのダイビングキャッチでキャッチした、阪神のセンター、新庄の奇跡としか言い様のないファインプレーであったことは明々白々である。新庄の伸ばした腕がボールに届いた瞬間には、彼にはそれを閉じる筋肉的な余力はなく、まるで平面のグラブでバウンドするが如く、ボールは鈍く跳ねた。そしてそれが再び重力で彼のグラブに戻った時に、彼はそれを握りしめたのだ。
スポーツ紙は知らない。しかし現場でそれを見たはずの、朝日新聞運動部、森田博志なる記者は、それに一言も触れず、優勝を意識し始めた横浜の金縛りとか、あせりとか、およそスポーツの躍動から離れた記述に終始しており、あきれ果てた。勝ち負けだけがスポーツのすべてであると思っているのは、おおよそ、新聞記者くらいのものだといっても、この御仁にはわかるまい。
もっといえば、内角球を右方向に飛ばすのが真骨頂の谷繁に対し、そこにおあつらえ向きの一球を投じぬかったように見えたが、実は、新庄がフルに機能すればとれる可能性のあるあたりしか打てないほどの、気合いと精緻さに満ちた投球を見せた阪神、中込の技術について一行でも触れろというのは酷なのだろう。中込としては、最近奇跡的なホームランを連発している谷繁の、この場合の一発狙いだけは、なんとしても防ぎたく思い、セオリーの外角低めを無視して、内角の直球(スライダー?)にすべてを託したのだと思う。プロ野球の選手というのは、結果ばかりを気にして金玉のちじこまらしている凡人ではなく、外角球でも、それが予想できれば踏み込んでホームランボールにしてしまう類の天才たちである、新庄にそれをとられた時の、谷繁の表情は、こいつはすげぇや、という表情には悔しさよりも素直な賞賛に満ちたものであった。自分がせこいからといって、世間もせこいと思う奴ばかりが蔓延するから、世間はますますせこくなる。ましてやそれが世間の気分創造に大いに寄与するマスコミの場合においておや。

二事も万事。8月31日、めでたく、アメリカ、プロ、アメリカンフットボール(NFL)が開幕し、インディアナポリス・コルツとマイアミ・ドルフィンズの試合を観戦した、フットボールは真冬のスポーツゆえ、この時期のプレーにはそれほど妙味はないが、NHK衛星の本年の放映態度には大いなる疑問を持たざるをえない。
本年から、NHKは18時15分〜21時30分の枠で、アメリカ大リーグ(MLB)、バスケット(NBA)、ゴルフ(PGA)などを組み合わせ、いえば、2本立てロードショーという形式でアメリカプロスポーツを見せている。そこには、CSやペイTVなどとの、スポーツをめぐるメディアウォーズに負けないように、とにかくたくさん長く見せます、という思想があるのだろう。俺は、CSやペイ・パー・ビューに金を払ってまで、細かくスポーツを見る気はないので、それはそれで認めたい。
しかし、それだけ、試合中継ばかり、ほぼ流しっぱなしという放映形態になった結果、ナビゲートするというか、サマライズするというか、情報を簡潔に集約し、それを伝えることにより視聴者により積極的な興味を持たせる、あるいは、彼らが楽しむための下拵えをていねいにするというような、サービス精神が霧散してしまった。
野球はマァいいとしても、フットボールをただ見て楽しめというのは、ほとんど不可能なことなのである。俺は、ここ15年ほど、それを眺めているが、いまだとてもマニアとはいえそうもない、というぐらいに、それは、複雑なゲームなのだ。
実際アメリカでもフットボールは難しいスポーツとして有名で、だからこそ、NFLは、毎年毎年、その歴史や戦術、名選手、守備のパターン、攻撃のアサイメント、そしてルール解説などと、ていねいにジャンル分けしたプロモーションビデオを作成し、くり返しくり返し放映しその普及に努めている。そしてNHKでも以前は試合終了後の10〜20分の時間にそれを流してくれていた。そこで見た、ローレンス・テイラーや、マイク・シングレタリーなどのラインバッカーのプレー、ブルース・スミスやレジー・ホワイトなどのディフェンス・エンドのプレーの詳細な解説がなかったら、俺にとって、フット・ボールはいまだに、クォーター・バックが投げ、ランニング・バックが走り、喧嘩の強い奴が多いチームが勝ちという、シンプルな世界で終わっていた。
いくら情報量が多くなっても、そこに、多少ともの親切心なかりせば、情報は単なる垂れ流しで終わる。これは実にもったいないなぁと思うのは、俺がジジイだからだろうか。

三事も万事。横浜の進撃に伴い、横浜にドームスタジアムを作ろうというアドバルーンが、前建設事務次官・高秀市長近辺から上がってきた。この間のオリンピックの候補地立候補もそうだが(負けてよかった)、この、土建屋政治家のアナクロニズムには辟易するが、各スポーツマスコミの、ビッグなプレゼントとか、優勝のご褒美とか、その、無批判な追随ぶりには、情けなくて涙も出ない。
これは子どもでも知っている道理だが、野球は、お日さまの下、月空の元、風を頬いっぱいに浴びてやるスポーツであり、雨や雪の日には、お休みでいいのである。
ドーム球場はいいなどと思っているのは、おそらく、そこにいったことのないテレビだけで野球を見ている雷同層であろう。テレビでは、人工芝でも天然芝でも、ドームでもオープンエアーでも、その違いは分かりはしない。
まるで巨大な収容所にでも押し込められたような、ドーム球場の不快な息苦しさとその閉塞感はスポーツの躍動とは相いれないものである。常に現場にいるマスコミがそれを伝えねば、だれがその道理を伝えられるというのだろう。どうせドームは建つのだろうけど、せめて、開閉式にしてくれと、俺はいいたい。そして、その名前は『横浜平和ドーム』にしてくれと。1978年、改修され横浜スタジアムに変身した元の球場は、横浜平和球場という、夢のようにステキな名前でありました。

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9日(火曜日)

道を削って歩く男と眼があって

最近新宿近辺で道を削って歩く男が出没している。
道を削って歩く男とは、すなわち、なにか棒のようなものを引きずって、きーきー音を立てて街を闊歩する人物である。年の頃は60前後だろうか? 身なりといえば、けっこうしっかりしていて、ラフな格好ながらも、GTホーキンスのリュックなどを背負っているので、けっしてホームレスではあるまい。その男が機嫌の悪そうな表情でぶつぶつなにかを呟きながら、ちんたら歩き、きーきー音を立てるのだ。もしかして、彼は、なにかその棒のようなものに恨みがあるのではないか。彼の移動にあわせて身を削っていく、棒のようなものがちょっと可哀想だなと思ったりもする。
金属製なのか、プラスチックなのか、棒のようなものの先はちょうど90度の角度で曲がっていて、それが縦に狭い接点で道とすれれば高い音を立て、少々横になって幅広く道に接すれば低い音を立てたりする。
この人の存在はなにを意味するのかと思っていたのだが、彼に遭遇する時は、映画の時間に遅れそうだったり、うんこが漏れそうだったり、いつも危急の事態だったので、追求するひまがなかったが、この間初めて余裕のある時に出会った。
それでストーキングしたのだが、はっきりいって、そうなればもはや本当に怪しいのは僕のほうということになる。きーきー男の10メートルあとをソフトクリームをなめなめ歩く、半ズボンの中年。
結果報告。
なんとこの棒は、煙草やカンの飲み物のベンダーの下に落ちている(といいなぁと彼が思っているところの)小銭をほじくり出すための細工だったのです。彼はおもむろにションベン座りをすると、金庫破りのような表情で眼を細め、その棒みたいなものをわずかな隙間に差し込んでアタリ(=タッチ)をたしかめつつほじくり始めました。局部内の女の人のGスポットの位置を探ろうとする男の人差し指のような微妙な彼の手つき。
そこで、目を開けた時、同じようにションベン座りをした、僕と眼があって、彼はえへへへへと笑った。
「あった?」と僕はきいた。

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13日(土曜日)

必然的な突然の発作で星に願いを

喘息持ちのくせに自分の胸の音(=ラッセル音)に無自覚になってしまった。店、バイト、真夜中の大歩行、そして、連夜の大飲酒という日々日常で肉体疲労が慢性化し、その体調の不良感が、それら日々の乱脈的生活から来たものなのか、それとも、喘息の軽発作による酸欠状態から来たものなのかの区別が付かなくなってしまったのだ。
先週、行きつけの病院で新しく主治医となった先生に軽い発作が起きているね、といわれた時には、マジでびっくりした。たしかに体が重かったのだが、喘息だとは思わなかった。前の先生が、いちいち、僕の身体に聴診器をあてたりしなくなって長かった。
ということで、季節が夏秋の交代時期ということもあり、いつやや強めの発作が起きてもおかしくない状態とは思っていたのだが、それが、店を閉めて、これから久しぶりにやってきたハゲと飲みに行こうと約束した直後だったから、たちが悪い。軽い気持ちで鼻をかんだら、まるで、排卵期の子宮のように臨戦態勢で腫れ上がっていたらしい鼻の粘膜が反応したと思ったら、くしゃみを5〜6回連発、はいそれまでよで、俺の肺活量は半減、ほとんど息も絶え絶えである。
それでも、頭はクールに働くので、ここでこのまま帰宅しても、100%睡眠不能であり、自宅ベッドの上に猫の交配のポーズの四つん這いで、おのれの胸の猫の鳴き声(=ラッセル音)を鑑賞しているよりも、酒場の喧噪の中で、久しぶりに俺の顔を見に来てくれたハゲの話を聞いている方が生産的だろうと即断する。あえていえば、そのような生き方を選んだ俺であるので、そのような為なら、死んでも致し方ないだろうとも思った。(そのようなの正確な定義については現在検討中です)
もうひとついうと、こういう体調の時にはバイトで眠れない時間を金に変えるのがもうひとつの得策なのだが、その夜は、MO(=MAGNETO OPTICAL DISK DRIVE)をAのところに回したばかりだったので、バイトのしようもなかったのである。
それで、行きつけのNVに行った。
この時点で深夜2時半。
ふだん仲のいい常連の女の人が喧嘩していた。片方が男の人から海外旅行へただで連れていくと誘われたので、それを半分こにするから、一緒に来てといわれたもう片割れが、自分がひとりで行きたくないからといって、そのような餌を蒔くような話で人を誘うのは汚いと怒ったのである。怒られた方は「だって前からあなたと一緒に旅行したいと思っていたし、大勢で行くほうが楽しいジャン」と反論していたが、ここは、怒ったほうの完勝である。しかし、その場に、やはり常連であるらしい、誘った男がいたなら、この話をどう聞くのだろう? 正義でもずるくても女の人は怖いなぁ。
てな話を聞くでもなしに、ちびちびレモンハイをなめていたら、肺活量が復活した気がしたので、煙草も吸った。
昼からバイトのうちあわせがあり、11時には起きなくてはいけないということで、はやめにひきあげた。帰宅4時半である。6時間睡眠は確保したつもりだった。
それで帰ったら、やはりというか、バカは死ななきゃなおらない。結局猫の交配のポーズで悶々とした時を過ごすこととあいなった。人間肺活量が極端に不足すると、目の前に星がちらつくことを健常の方々はご存じなかろう。ようするに気絶する直前なのですね。俺の目の前で、ビーダマの奥底に潜んでいたら似合いそうな小さな光点がブラウン運動を繰り広げる。その中でも大きな奴は、おそらくそんな星を見つめる俺の瞳なのだろう。俺の脳膜で繰り広げられるプラネタリュウムのなんと美しきことよ。それにひきかえ、自律神経を完全に喪失し、もう衣服を着ていることさえも苦痛で、素っ裸の四つん這いで、それを見つめる39歳の俺のなんたる醜くきことよ。
それで、おもわず、俺は目の前の星に願ったね。
「もっと酸素を!」
どうやら酸欠から解放され、寝付いた時には、8時をこえていた。明日の朝に、また一山ありそうな予感がする。
とにかく、「もっと酸素を!!!」

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19日(金曜日)

経緯をたどった連続した瞬間は本性を招く

アメリカプロフットボール(NFL)、第3週。マンディ・ナイト・ゲーム、ダラス・カウボーイズがフィラデルフィア・イーグルスを21対20でくだした試合はまれにみる興味深い試合であった。ここの18日のところでも述べたとおり、私は、今シーズンのカウボーイズのチームとしてのまとまりに疑問を抱いているのだがカウボーイズのサイドラインには、予想通り、北風が吹いている様子であった。うまくいえないが、チームとしてみんなで一緒に勝ちたいというよりも、名前もプライドのあるアスリートとして勝ちたい個人たちの集まりという感じがした。現状の横浜ベイスターズともっとも遠いチーム状態といえば、ニュアンスがわかりますでしょうか?
後述する、大橋巨泉氏も、チームの柱、QBのトロイ・エイクマンが紆余曲折の経緯をたどってチームを去ったジミー・ジョンソン前監督(現マイアミ監督)に対する尊敬を公然と口にするので、現監督バリー・スイッツアーとの関係がぎくしゃくしていると事情通の一端を示してくれていた。ようするに、ここのところ最強を誇るカウボーイズはジミー・ジョンソンが作ったチームであり、その果実の部分だけをオーナーのジェリー・ジョーンズや急に登場した監督が持っていくのはフェアではないという感覚がチームとしてのまとまりに微妙な影響をきたしているのだろう。いうまでもなく、ジミー・ジョンソンにも色々ある(らしい)ので、このような物言いもアンフェアではあるが・・・・・・。
さて、まれにみる興味深い試合といったが、好試合とはいわないのは、得点は競っていたが、プレー自体には平凡なものが多かったからであるが、そんな試合を、まれに見るほどに興味深いものに仕立て上げたのが、解説を担当した、その、大橋巨泉氏のコメントであった。
巨泉氏のアメフト好きは有名であるが、この日の衛星放送は、MCのアナウンサーがアメフトを知らなかった(このことも大きな問題にすべき問題ではあるが、日本の文化状況についての小言に疲れたのでネグレクトする)こともあってか、音声の99%を巨泉氏が担当した。ほとんど漫才時代のたけしときよしみたいな調子でした。(祝ベネチア映画祭グランプリ)
そのコメントは、知識を振り回す類のものとはほど遠い、あるものごとに知悉していて、一定以上の知性のある人間に脳裏には、その物事の進行と平行して、どのような思いが巡るものであるかを正直にドキュメントした類のものなのであった。平たい言葉でいえば、ひとりごとを公開したともいえるが、アメフトに対する大いなる愛情と楽しみを分かち合いたいという善意にあふれた夢のような時間でもあった。
アメフトは何年見てもわからない。ルールが戦術がエモーションが複雑すぎる。私はアメフト歴10年なのだが、歴25年という巨泉氏のコメントで知らなかったルールを2つゲットした。それを説明してもいいが、それは、本編の主題とは微妙に離れるので、インテンショナル・グランディングでタイムアウトをとります。
そして、問題のゲームなのだが、イーグルスが残り1秒で、4ヤードのフィールド・ゴールを迎えたのだ。4ヤードといっても、実は、ゴールラインの10ヤードと、オフェンスラインのセンターからのスナップを受けてキッカーのためにボールを静止させるフォルダーまでの距離が7ヤード離れているから、合計21ヤードなのだ。ねっ、難しいでしょ?
しかし、その、21ヤードというのは、プロのプレースキッカーにとっては百発百中の距離なので、だれもが、これで23対21でイーグルスの勝ちと思ったら、ほんのちょっとスナップがそれ、フォルダーとキッカーのタイミングがずれて、キッカーはボールをけらず、気まずい沈黙に耐えられなくなったフォルダーがボールを抱えて走ったが、当然、カウボーイズのラインメンの強烈なタックルを受け轟沈した。だれにも予想のつかない結末である。

1)キッカーは、もしこの不安定な状態でのキックでに失敗すると責任をかぶるおそれがあるので、この状況がスナッパーとフォルダーのミスによって生まれたことを明確にするために蹴らなかったんだな。
これが私の直感である。
2)スナップがそれてフォルダーが変な格好でボールをプレースした結果、フォルダーの掌がボールの内側に入っていた、それを蹴飛ばせば確実に手の指の2〜3本は折れる。キッカーはそれを回避したのだ。
これが巨泉氏の独り言。
少々解説を加えると、アメフトのフィールド・ゴールはラグビーと違い、フォルダーと呼ばれる人が、楕円形のボールの頂点をほんの少し押さえてボールを静止させ、それをキッカーの太股がフルスウィングするのである。
3)あの場合、フォルダーがボール抱えてゴールラインを割れる可能性は1%もない。しかし不安定とはいえ、キッカーがちょこんとでも蹴っておけば、ゴールできる可能性は50%はあっただろう。それを蹴らなかったのだから、キッカーは結局責任を問われるだろう。おまけにキッカーは去年までカウボーイズの選手であり、マスコミは色々書き立てるだろう。
これが巨泉氏の独り言ではない、あとからの正式のコメント。
4)スポーツの経緯をたどった連続した瞬間は、見ているだけの観客でさえ、その人間の本性を顕にするから、おっかないなぁ。
これが本日の私の公式コメント。
巨泉という人は大きい人だ。なかなか咄嗟にそこまで、ものごとは見えない。

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23日(火曜日)

ALONE**老婆心**TOGETHER(004)

別にそんなこと興味なんかねえぞという方が多数おられることは承知の上で申しあげますが、万が一、あなたが、今現在この国で総理大臣をしている橋本龍太郎なる御仁の人となりに興味があられるならば、私としては、『水俣ー患者さんとその世界』(70/土本典昭)という有名なドキュメンタリー映画を御覧になられることをお勧めします。

この映画で水俣病の患者さんたちが、窒素と行政の責任を認めない厚生省に抗議に訪れる場面がありました。そこで対応に当たったのが、若き厚生族、おそらく政務次官かなにかだったのでしょう、橋本氏です。業を煮やした患者さん(患者さんの親御さんか奥さんかだんなさんかも知れません、なんせ大昔に観た映画ですので、その点はご容赦を・・・・・・)が、「国は俺たちを殺す気か?」みたいな言葉を口にしました。それに対応して、橋本さんが顔を真っ赤にして怒った。
「殺す気かとはなんだ?」
場が凍り付きました。
、実際、被害を受けている患者さんの、ほんのささいな言葉尻をとらえて、恫喝するというか、開き直るというか、こういう人間の頭と心の中はどうなっているのだろう?
私はわが目を疑いました。行政の怠慢という大問題が、その場の言葉の妥当性という、どうでもいい問題に見事にすり替えられた、悪夢のような瞬間でした。
橋本龍太郎という人には、著しく倫理観が欠けていると私は思います。
「批判は知っている。そうしたことを考えた上で私なりに出した結論だ」
「(一度過ちを犯した人にも)二度のチャンスが与えられていいんじゃないかと思う」
現在世情を騒がしている、結局辞任した佐藤孝行元総務長官登用においての、橋本氏の言葉です。普通これだけ大見得を切って、世間と折り合いがつかないとなれば、自分の信念に殉じて責任をとり、職を辞するというのが、政治家のみならず、恥を知る、人間というものなのですが、もちろん、橋本さんにはそんな気はありません。なんか、私ども国民に「おわび」をするらしいですが、今度はどんな空虚な美辞麗句を並べるのでしょう? 開き直りは得意中の得意でしょうから、楽しみです。
映画から30年、橋本という人には、倫理観や恥のみならず、成長という言葉もないというが、私の結論です。
ちなみに、私も橋本龍太郎さんの人となりなどになんの興味ありません。
昔から、チンコはいじるから大きくなる、と申します。へんに相手をするからつけあがりふんぞり返るのです、このような輩は無視するに限ります。


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29日(月曜日)

しかし定着するもの

いきつけの飲み屋、NVで一番声の大きいお客はTという40過ぎの大工である。博覧強記を絵に描いたような彼は、とくにクラシックについては一言も二言もあるらしいが、俺には唐人の寝言と察知したのか、北北西へと進路を変えて、これについてもだれにも負けないのだと豪語する、ロックの話をふってきてうるさくてしょうがない。これについてもの、も、というのが凄い。こういう人は、きっと森羅万象なんについても無敵なのだろう。
とにかく、ロックバーのおやじであることはばれていて、知らぬ存ぜぬを決め込むわけにもいかないし、察しのいい男は、いいタイミングでいっぱいおごってくれたりするので、俺もとりあえず九官鳥程度にはお付き合いをする。
「は〜」
「ほ〜」
「もう少し小さい声で喋ってください」
さて、博覧強記の博覧強記たる、真骨頂は、同じ話は二度しないということで、いつも、同じ話ばかりしている、俺みたいなものとは、知識と情報の歩留まりが違う。彼が列挙した、無名ながらすばらしいというロックバンドの数々、もともと名前さえ聞いたこともないのだから、知識としても俺に定着しようもないが、ためしにHOT TUNAを聴き直してみた。HOT TUNAはジェファーソン・エアプレーンから枝分かれした、いかにも、サンフランシスコという、スケールの大きいグルーブを提供するバンドで、コモンストックにはLPが2枚あるのである。
とうの昔に忘れていた、あるいは、このLPを買った時には認識できなかった、すばらしい曲が何曲かあった。俺は最近そればかりくり返して聴いている。
T氏がまた、聞いたことのない、ロックバンドの名前を呪文のように唱えている。聞いたことのある、そして店にある、バンドの名前が彼の口からこぼれ落ちて俺の耳におさまることあれば、俺はそれを聴き直してみようと思う。
彼によると、ディープ・パープルの「MADE IN JAPAN」のジャケットには、武道館でリッチーのプレーに歓喜する若き日の彼の姿がくっきりと刻印されている由だが、店にあるのは、別ジャケットの「LIVE IN JAPAN」だから、俺はまだそれを確認していない。
デジタル情報時代から落ちこぼれた、ちっぽけな話ではあるが。

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