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神奈川月記9610

冠省
ひと頃のドル安のように暴落を続けたメモリ ボウドもぼちぼち底を打ったらしい。欲しいなあ。冬のボーナスで48MBかいっそ80MBにしたいものだが,その頃は旧に復してるんだろうな。ここ数週間がラストチャンスか。連絡船の最終便が出る時刻になった心持ちだ。
自家用にはWindows95を入れてないで,OS/2 WARPからWindows3.1を呼んで未だに16bitアプリを遣っている。急流から外れて先細りの支流にぷかぷか浮いているてなもんだが,それで何か不都合があるかと言うとなんにも無い。手持ちのアプリで誤算だったのはページれいあう太の新版がWin-OS/2で動かなかったことくらいで,これを見て他のアプリのWin95対応版(ここではWin32sを遣うものを指す)へのヴァージョンナップをすべて見合わせているから,かなり安定した環境で安穏としている。
実のところWin3.1アプリを最もうまく動かすのはDOSでもWin95でもNTでもなくてOS/2なのだ。これが行き止まりの湖沼で水が腐ってこようとも大丈夫,瞬時にワープすれば良い。OS/2 WARP4は買うつもりだからそれで動かせるWin32sが広がって,れいあう太も蘇ることだろう。
Win95を入れないについては,おれのWin-OS/2がナマの3.1を遣うタイプであることも一因である。95を導入したところで畢竟3.1も残しておかねばならんのだ。Win-OS/2内包型(95が3.1のコードを癒着的に丸抱えしているのとは違うぞ)WARP4 に移行すれば,いよいよDOS+Win3.1ともお別れということになろう。ただそれでCドラが空くにしたって95を入れるくらいなら辺見えみりと同衾するほうがましである。どうせならNT4.0を選びたい(NTはCドラじゃなくてもインストールできるのかな)。
手持ちのワープロ(WordPerfect 6.0)の機能や操作性に不満は無いけれども──これまたすっかり大型マイナの代表格となっており,32bit化は望み薄である──如何せん重い。文字装飾をしない即ち印刷しない文書にワープロを起動するのは贅沢ではなくリソースの無駄である。ほんとはWin3.1のお負けのnotepadに上書きモウドがあれば充分なんだけど──以前かいた文章に上書きしていくのが好きなのである。メールの返事なんかも書きやすい──それが適わないので適当なのをずっと適当に捜していた。
あんまり高度な機能は要らないが,上書きできることと[Cntl]+[X]・[Cntl] + [C]・[Cntl]+[V]がクリップボードの操作に割り当てられていること,[Cntl] +[Home]・[Cntl]+[End]でファイルの冒頭・末尾へカーソル移動することは必須である。おれがWin3.1からのPCユーザだからこその条件であるが,名だたるエディタで存外サポウトされていない。コピイ&ペイストは[Cntl]/[Shift] +[Ins]でもまぁ我慢できるけれど,この辺カスタマイズできるようなものはお値段もちょっと張る。おれの使途で5000円なら高すぎるな。
エディタというのは元元プログラム言語のコーディング用に作られたものであって,ワープロ代わりにテキスト編集するほうが異端なのである。だから高級言語(Cとかね)の予約語が色分けされたりタブ処理が精妙だったりで,高度なエディタはしばしば非プログラマを不思議がらせるようだ。今後のエディタは更にHTMLを意識してゆくのだろうが,HTMLの記述はプログラムのコーディングとはちょっと違う。ワープロいやさDTPソフトに展開させる方向が望ましかろう。
先日やっと理想に近いエディタ(arakenさんのQX 3.0)を見つけ,(おれにとって)もはやこのためだけに存在するNiftyの送金代行システムでユーザ登録しておいた。QXも機能満載であり,エディタとしてはちょっぴり重く感じる。iniファイルをいくつも読み込むせいか初期画面は1/4拍あって開く感じだ。使い勝手のほうは頗る良い。
IBMのCD Showcaseの会員になっていて,だいたい隔号ペイスで(Showcaseを) 買っている。市販品を収録してある分には会員価格よりも秋葉での売り値のほうが安かったりしてもひとつメリットを感じないのだけれど──電車賃と時間と手間を考えたらお得か──フリーやシェアの佳作を労せずして入手できることがある。にしても高くついてるかな。
最新号にホームページ・ビルダーが載っていて──'HomePage'ってのはブラウザのデフォルトWebのことではなかったか──そう言えば体験版をダウンロウドしてたなあと思い出して開けてみたらとっくに期限切れだった。Webを持って全世界に作品をという野望は抱いていないんだけど,メールで送れないような大きさのバイナリをupして相手にダウンロウドしてもらうといったことができるのではないかと目論み──ほんとにできるかは未確認──ちょっとWWWに食指が動いている。ホームページ・ビルダーは雑誌のレヴュで誉めてあり,これと32MBメモリの実勢価格を調べあわよくば買ってしまおうと久しぶりに秋葉原に出向くことにする。
ホームページ・ビルダーは案の定やすかった。OS/2版とWin95/NT版の同梱である。IBMはことOS/2となると気前が良い。後で判ったのだが8cmCD-ROMの素材集も入っていた。JAVAのJDKもあってこりゃラッキイと思ったらそれは95/NT用だけである。けち。
メモリはいつも行く大型店で下見するに,32MB2枚組みのが5万円台後半。16MB2枚で充分とは思えども,売価ディップを明らかに過ぎつつある現在マシンが食える最大容量の物を押さえるべきだろう。よっつしかないスロットが既に8MB4枚で埋めつくされており,今後の更なる増設を考えてもここは踏ん張り所だ。幸い来月は増収が見込める,仕事で「動かないコンピュータ」を作ってしまって徹夜と残業が続いているからな。厭な増収だなあ。
それでも5万円を大きく越えるのは高い気がして小さなパーツ屋も覗いてみた。マニアックな小店舗なら安いというものでもないが,一般則は無視できない。店員に依るとやはりメモリ価格は上昇に転じており,16MB板が先月より3000円高とのことである。クリスマス商戦マシン用にPCメイカが買い付けて,小売店への流通量が落ちたためらしい。ふむふむ。半導体メイカも減産してるしね。
さてこの店にメイカ不詳のやや怪しげな32MB板が2万2500円で出ていた。パリティなし・60nsである。2枚買うとしてさっき下見したの(有名メイカ製)より1万円以上やすい。1年前の8MB板の値段だ。安ければ冒険するつもりだったからこっちにしようっと。おれのマシンは70nsだが,メモリのほうが速い分には構わない。店員の兄ちゃんは親切で,パリティなしで良かったかおれの記憶があやふやだったのを熱心に裏付け調査してくれた。大事を採ってパリありにすべきだったのかもしれないが,それだと下見品と大差なくなるのだ。
家に帰って取り付け。ミニタワの筐体をあけるのも久久である。ベイの隙間に埃が溜まってやんの。いい湯だなはははんとお先にのんびりしている純正(ここでは始めから刺さっていたという意味)の2枚と去年かい足した2枚と,4秒かんがえて純正のほうを抜くことにした。増設分にはカネを遣ったという浅はかな心理が働く。第1スロットから容量の大きい順に挿入しなさいとどこかに書いてあったような憶えもあるしな。はて,逆だったかな。まぁ良いや。
電源を入れて初期診断の画面。たらららららっとカウンタが上がる。じゃじゃん,'081920KB'と表示された。わーお,80MBだ。ここまで来るとはなー,PCを使い始めた3年前には夢想もしなかったことだ。
で,どうなったかっつーと,うーむ。フォルダや空ウィンドウが開くのとかデスクトップのアイコン群を描くのなんかは俄然はやくなっているけれど──これってVRAMの仕事じゃなかったのか──アプリの立ち上がりや実行速度は変わんない気がする。もうHDとかSCSIボウドの転送速度がネックになっているのかな。画像ヴューワで楽に開ける枚数は増えたような気がするな。あっH動画がかなり滑らかになった気がするぞ。
気がしてばかりで何だけど,確かに効果はあるようだ。問題は対費用でどうかという点だが,一応○を上げよう。今よりメモリ食いになるはずのWARP4(やひょっとしてNT4.0)の受け入れ準備は整ったというところかな。

不一

1996年10月12日


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辺見えみり
 この人の魅力はでかいケツもさりながら,何と言ってもその名前であろう。語呂が良いんだか悪いんだか,へんみえみりと発音するとき口の内外をえも言われぬ快感が走る。

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Webを持って全世界に作品をという野望は抱いていない
 わたくしは嘘をついてしまいました。

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動かないコンピュータ
 日経コンピュータ誌の連載記事。様様な企業・団体のシステム構築失敗事例を隔号ペイスでひとつづつ紹介している。おもしろすぎる。

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いい湯だなはははん
 ドリフターズのヒット曲「いい湯だな」の1節。ビートルズ来日公演の前座で唄ったかどうかは知らない。

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※ メモリの単価はこの後また下降に転じ,97年2月頃が底値となった。振り返ってみれば割と高値で買ったことになる。(97/03/08記)

written by nii. n