Q2.百人一首の歌「かささぎのわたせる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞ更けにける」は、万葉集には載っていないそうですが、本当に家持の作なのですか?
A.わかりません。
この歌は、ご存じのように百人一首や新古今集に家持の歌として選ばれていて有名ですが、もとは『家持集』という私家集に入っている歌です。
『家持集』は、家持の死後、長い時を経て出来たものと考えられています。万葉集の家持の歌も入っていますが、それはごくわずかで、他人の作がたくさん紛れ込んでいます。万葉集の巻10の作者不明歌などもたくさん入っていて、かなりずさんな編集であるとの評価が定着しています。
こうしたことから、『家持集』の歌のほとんどは、実際には家持の歌ではないだろう、というのがほぼ通説になっています。
お尋ねの「かささぎの…」の歌は、いかなる経路で『家持集』に採録されたか、明らかではありません。
歌風は万葉風とは言い難く、やはり家持の真作であることは疑われています。
私自身は、よくわからないのです。
万葉集に大伴家持の作として残っている歌は、四十歳頃までのものに限られます。晩年の家持の歌風は、知ることができないのです。
A.(家持) 百人一首? かささぎの…? (?_?)
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 百人一首カルタ(江戸時代中期)
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