陸奥のしのぶもじずり誰ゆゑに乱れんと思ふわれならなくに(源融「古今集」) しのぶ山忍びて通ふ道もがな人の心の奥も見るべく(「伊勢物語」) 陸奥の思ひしのぶにありながら心にかかるあふの松原(藤原長実「金葉集」) あやなくも曇らぬよひをいとふかな信夫の里の秋の夜の月(為仲「新古今集」) かぎりあれば信夫の山のふもとにも落葉がうへの露ぞ色づく(通光「新古今集」)