(Last update:2013/01/20)
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基板表 久々に両面基板を使用 |
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基板裏 |
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ケース内部 SSR 基板はケース側面に固定 |
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外観 |
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背面から USB コネクタで 5V (Max 2A) 供給が可能 |
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実戦投入の様子。 |
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回路図 |
【注意】
以下の記事を参考にする場合はあくまで自己責任で。漏電、感電、発火、火災、低温火傷、一酸化炭素中毒などを起こしても管理人は一切の責任を負いません。
【きっかけ】
冬のキャンプ場は空いていてとても静か。不快な虫もいないし割引料金になっているところも多く、寒ささえ克服できれば大人のキャンプを楽しめる非常に魅力的なシーズン。
管理人は喜んで冬キャンに出撃するのだが AC コンセントの付いた「AC 電源サイト」はマスト要件。就寝時、愛犬用にホットカーペットを使う必要があるからだ。
ただ AC 電源サイトを利用するにあたっては以下の問題がある。
問題 1:最近の暖房機器は数時間で自動的に電源が切れてしまうものが多い。(特にホットカーペット)
問題 2:ブレーカーが集中管理されているところでは下手にブレーカーを落とすと復帰が大変
^^;
この2つの問題を解決すべく製作したのが今回の作品。
【仕様】
・4時間毎に一旦通電を停止し、10秒後に再通電するタイマー機能を有する。これでホットカーペットも事実上常時通電可能に
・通電停止までの残り時間を 2色 LED で点滅表示
残り時間 1時間未満 → 赤、1時間以上〜2時間未満
→ 橙、2時間以上 → 緑
通電停止中 → 消灯
・使用電流量を 20ポイントのバーグラフ LED で表示。
・汎用 USB 5V 出力付き
【ソフトウエア】
相変わらずアセンブラで記述(逝)。この程度の規模のプログラムなら楽勝
^^;
(1) タイマー処理
時間のカウントは 31.25ms 周期の TMR1 を使用。プリスケーラー 8 設定で
250ms 毎に TMR1 割り込みがかかるので、この割り込み 4回で 1秒をカウントしていけばよい。
(2) 電流値表示
PIC16F1938 内部の基準電圧モジュールを 4.096V に設定し、電流センサーからの電圧を
A/D 変換で読み取って、4.096V を 100% とした場合の値を 20ポイントのバー
LED で表示する。(要するにフルスケール 4.096V の汎用リニア 20 ポイントレベルメーター)
LED は LED 一個あたり約 1ms でダイナミック点灯しており 20 LED 表示で合計約
20ms。この合間にデータサンプリングしているので、サンプリング周期は約 20ms
が最短となる。
ただサンプリング周期 20ms だと表示がちらついて見づらかったので、最終的には
5 回サンプリングの平均値を表示するようにした。(みかけのサンプリング周期
= 100ms)
【回路設計】
(1) 電流センサーまわり
電流センサーは(少々オーバースペックだが)手持ちの都合上クランプ型の
CTL-10-CLS
を使用。
定数計算は以下の通り。
PIC 入力電圧 = 0.9 (Vrms) x 結合定数 (k) x 貫通電流 (A) x 抵抗 (Ω)
/ コイル巻き数
負荷抵抗 1.1K 付近の結合定数 (k) = 0.84(特性グラフから読み取る)
AC -> DC 変換定数 (Vrms) = 0.9
コイル巻き数 = 3000
よって 15A 時に Vref の 4.096V になる負荷抵抗値は
0.9 x 0.84 x 15 x R = 4.096 x 3000
R = 4.096 x 3000 / ( 0.9 x 0.83 x 15 ) = 1083Ω
R をラフに計算→ k 値読み取り→再計算すると、
フルスケール 30A → R = 568Ω(k = 0.800)
フルスケール 20A → R = 853Ω(k = 0.800)
フルスケール 15A → R = 1083Ω(k = 0.840)
フルスケール 10A → R = 1808Ω(k = 0.775)
となる。
ただ実測してみると案外ズレが生じるため、最終的には VR で調整することになる。
ちなみに管理人はフルスケール 20A ( 1 LED = 1A で読み取り易い)で固定しているが、ロータリースイッチでフルスケールを切り替えられるようにしておくのも便利だろう。
(2) AC 制御
秋月の SSR キットを使用する。今回使用したのは 25A
版だが 35A
版の方が取り付けが簡単でオススメ。
(3) LED
バーグラフ用の LED は秋月で売っているものを使用したが、緑の色合いが異なるため(黄緑と青緑)やや違和感がある。色合いを揃えるなら青10
+ 青5緑3赤2 で構成するとよいかも。(電流制限抵抗値は要再検討)
【実装】
(1) 配線について
交流部分の配線は全て 17A 対応ケーブル(芯径 2mm)を使用。芯が太いので
40〜60W のハンダゴテでしっかりとハンダ付けする。ビニール被覆が厚くて固い配線の取り回しにスペースを要するので、少し大きいかなと感じるぐらいのケースで丁度良い。
(2) トライアックの放熱
秋月キットの説明書には「無放熱では 2A 程度まで」と注意書きがある。ペット用ヒーターは無放熱でも楽勝でクリアできるが、一般的な三畳のホットカーペットは
900W (=9A) 程度とかなりの電気喰い。
トライアック発熱量 = 1.5(V) x 電流(A)
なので 9A 流すと 13.5W となり、そこそこ大型のヒートシンクが必要になる。
そこで今回は金属ケースへ放熱させることにした。写真のとおりそれほど大きいケースではないが、700W
程度ではほんのりと暖かくなる程度で問題は無いようだ。900W の三畳用ホットカーペットを入手次第、追加検証予定。(成田ゆめ牧場「あったかパック」のレンタルホットカーペットで試せるかな?)
(3) 電源部
市販の AC-USB アダプタ(最大 2A、USB コネクタ x 4 )を開腹してマイコン用電源
5V を取り出す。またケース背面から USB 出力を取れるよう実装。
【使用感】
管理人の暖房器具は
・石油ストーブ(フジカハイペット)x 1(+ CO 警報機)
・セラミックヒーター 600W
・ペット用ホットカーペット 25W
就寝時にストーブを消してもこのコンセントタップのおかげで人も愛犬も安心・ホカホカで朝を迎えられるようになった
^^v
また USB 5V を供給できるようにしたのも非常に便利。
プログラム (HEX ファイル) 2013/01/16 ver 1.1 |
Camp_Outlet_v1.1.zip |