■ヤカジ■
　「ヤカジ」は「矢数」または「矢飾」の文字があてられています。
　雌雄一対の竜が向きあった姿が厚紙に印刷された、五角形の武具入れの袋です。その中に長い柄のついた矛（ほこ）を中心に、青竜刀や槍、弓矢に的（まと）などの厚紙に印刷された武器が入っています。大小ありますが、大きなものは全長が９０センチ位あり、後ろから木枠で補強され、吊り下げるようになっています。
　出産祈願や男子の出産祝いに、ユッカヌヒー（旧５月４日）に柱に下げて、除魔招福を祈ったものです。
　（付記）このような武具、武器は、戦闘用ではなく、古来より、祭祀の道具として用いられてきたことが、よく知られています。おそらく古代の人々は、高貴なる武具に「呪力」を感じ、神との交感や、祈りのためにこれらを大切にしたものと考えられます。
「ヤカジ・フータン・アダン葉細工」製作者：
　　　　　　宮城且事「八州民芸」：那覇市楚辺1-3-7..TEL: 098-834-0757

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４年前の１９９６年４月１日に、「全国郷土玩具の旅」として連載を始めましたこのページも、ようやく全国各地の代表的な郷土玩具の画像収録が完成いたしました。
ここに掲載しました作品以外にも、各地方にはまだまだ多くの珍しく楽しい玩具が埋もれていると思います。また、この郷土玩具は、廃絶や復元が繰り返され、さらに新しい創作の作品や作家が生まれています。
この連載の間に、励ましのメールを頂いた方やいろいろの情報をお寄せ頂きました方々に、厚く御礼申しあげます。また、関連の情報がございましたなら、ぜひお知らせ頂ければ掲載して、いっそうの充実を期したいと存じます。
なを、全国の収録はいちおう完了いたしましたが、もとの出発点へ戻って、さらなる改修を行い、画像の修正や記事追加の作業を継続していきたいと思っていますので、今後ともなにぶんにもよろしくお願いいたします。
また、このページは、群馬県上野村・全国郷土玩具館館長の郷土玩具研究・畑野栄三さんの資料提供と協力がなければ、「全国郷土玩具バーチャルミュージアム」の建設は不可能でした。ここあわせて畑野さんに厚く御礼申しあげます。

２０００年２月１２日　　菜根庵亭主敬白　　

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