日本列島・全国郷土玩具の旅

----沖縄県篇・第2回(1)----

----OKINAWA(2)----






山原船(ヤンバルブニ)■
 沖縄の水上生活には欠くことのできない船を模したもので、ほんものそっくりの麻の帆を張った「ジャンク」の模型です。
 大型(全長70センチ)から小型まで種々があり、郷土玩具に含めていますが立派なな置物になります。

サバニ■ 沖縄で漁に使われてきた舟です。
クバ舟■ クバ(ビンロウ樹)の芯をくりぬき、葉を帆にした舟玩具です。
ハーリー船
爬竜(ハーレー)船。旧5月5日に行われる「競舟行事」の船を、玩具化したものです。
本物と同じように1本の木をくりぬいて、船首と船尾には竜の頭と尾の彫りものがついています。
カラー写真の資料が入手できず残念ですが、船には色が塗られていて、黄色の船は「久米=唐」、黒は「泊=琉球」、青は「那覇=大和」をなぞらえたもので、それぞれの色の旗と幟が立てられています。
 この行事は本来は「豊漁祈願」のための儀礼でしたが、いまや激烈なハーリーレースが話題の、沖縄観光の目玉となっています。
 ---以上の作品は、前回紹介の古倉さんの製作です。---
フータン(風蝶)■
フータンは「風蝶」と書き、凧揚げを更に楽しむもう一つの凧といえます。 蝶の形の羽は2枚の片羽からできています。
このフータンには2個のコイル状のはり金がついていて、すでに揚げている凧の糸に取り付け中吊りの状態にします。フータンは風の勢いにのって、凧の揚げ糸をつたって空へ上っていきますが、やがて上の凧のみち糸に当たり、両翼を支えていたバネがはずれて、フータンの羽が閉じられ、糸にそって降りてきます。
 バネの部分に紙きれをはさんでおくと、バネがはずれたとき、紙ふぶきとなってヒラヒラと舞い落ちる光景が見られます。この地方だけでしか見られない凧の遊びです。
 前回の「アダン葉細工」、次ページの「ヤカジ」と共に、宮城且事さんが製作しています。

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(2000.2.12号.p1)