----宮崎県篇・第2回----
---- MIYAZAKI(2)----
■復元のうずら車■
前回の「宮崎の諸玩具」で紹介した山口清磨さんが復元した作品です。 法華嶽薬師寺や久峰観音の古い記録にあった背模様を参考に、復元されたものです。 ■法華嶽薬師寺のうずら車■ 法華嶽の「うずら車」は、明治24年刊の「うないの友」1巻にも載っていて、かなり古くから知られていました。 もともとは、旧1月8日の薬師の祭礼に、麓の集落で作ったうずら車を、戸板に並べて売っていました。今でもこの日に限り、2、3人が作っているようです。 常時は、法華嶽薬師寺境内の茶店でも売っています。また山を少し登った「国富農村勤労福祉センター」の売店にも置いています。麓の集落には製作者の市来喜一さんの家があります。 ここのうずら車は、タラの木を素材にとげのある樹皮を剥ぎ美しい木肌にして加工します。形は久峰観音のものとほとんど同じですが、法華嶽の方は車のとりつけ部分に焼き火箸で穴を開け、竹の車軸を通して、小枝を輪切りにした車がついています。 製作者:市来喜一:東諸県郡国富町深年4446..TEL: 0985-78-1018 ■久峰観音のうずら車■ この「うずら車」は、かっては、旧1月17、18日の久峰観音や、旧1月27〜29日の鬼子母神社の祭礼に売られていて、その頃は観音堂のあった丘の麓の門前町で作っていましたが、今はこの地域に作者はいなくなりました。 現在は、兵頭正一さんが上田島の方で作っていて、久峰観音では売られていません。兵頭正一さんは2代目で、父の一(はじめ)さんが戦後まで作っていましたが亡くなり、後を継いでわずかながら製作しています。 ■佐土原のぶんぐるま■ 兵頭正一さんは「佐土原のぶんぐるま」も作っています。 ぶんぐるまとは竹製の「うなりごま」のことで、以前は佐土原では春の市になると近在の農家がにわか「こま屋」になって、ぶんぐるまを売ったので「春ごま」ともいいました。また、「神代(じんだい)こま」とも呼びますが、これは兵頭さんの父が地方に売り出すために付けて商品名です。 九州各地でみられる「うなりごま」と同じ竹製のこまですが、竹の胴に模様の紙を水貼りし、松の枝でいぶし焼きすると、竹の肌からにじみ出るアブラと松ヤニが溶けあって黒く仕上がり、型紙をはがすと模様になって竹の地肌が残ります。上下の蓋に塗った赤と、胴の黒が美しいコントラストとなり、風雅な竹ごまとなっています。 製作者:兵頭正一:宮崎郡佐土原町上田島7969..TEL: 0985-74-0397 日豊本線、佐土原町駅下車、北6キロ。 |
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