日本全国郷土玩具バーチャルミュージアム:民芸館 :熊本県篇・第6回(2):KUMAMOTO(6)-2





山鹿灯籠
 山鹿市には「山鹿灯籠」として知られる金灯籠があります。また、土産用に小型化したものも作られています。
 金灯籠といっても山鹿灯籠は、すべて精巧な切り紙細工で、山鹿だけにしか伝承されていない珍しい技術です。
この灯籠制作は、(1)木や金具などは一切使わず、和紙と糊だけで作られます。
(2)柱、根太、障子の桟にいたるまで、紙を折り曲げて作ります。
 この他に、精巧な「神殿造り」「和風座敷造り」「お城造り」などがあります。
 8月1日の「灯籠祭り」の夜、大宮神社の境内では金灯籠を戴いた千人灯籠踊りが火の波をうねらせます。この灯籠奉納の行事は古くから伝えられてきたものです。
 現在、数名の灯籠師がその技術を伝承して、奉納用の灯籠を制作しています。
◇金灯籠は市内九日町の山鹿灯籠の店「なかしま」や「山鹿とうろうセンター」などで売っています。また、「熊本県伝統工芸館」でも入手できます。
   なかしま:山鹿温泉バスセンターより徒歩5分、九日町。
◇山鹿市への交通はバス便しかなく、熊本市のバスセンターから出ています。
 製作者:「なかしま」中島二人・清:山鹿市九日町1588..TEL: 0968-43-2659
 山鹿とうろうセンター:山鹿市山鹿1 温泉プラザ内..TEL: 0968-43-3823

とうきび人形
 阿蘇神社の門前町である一の宮町は、とうもろこしの産地としても知られています。その「とうもろこし」で「とうきび人形」を迫(はざま)幸七さんが作っていて、弟子も15人ほどかかえていられるそうです。
 迫さんの作るとうきび人形は、各地に見られる同種の人形とは一味違っています。頭はもちろんのこと、着物から足の先まで、すべて、とうもろこし製で、皮だけでなく芯の部分も、先の茶色の毛も、すべてが素材となっています。
 この人形は、日本髪姿から女神人形・かぐや姫・孫悟空などいろいろあり、すべて迫さんの創作です。
 製作者:迫(はざま)幸七:阿蘇郡一の宮町宮地186..TEL: 0967-22-0765

木の葉猿
 「木の葉猿窯元」の永田禮三さんは、7代目を継いでいます。
 この猿は、小型の団子猿以外はすべて手捻りで、型を使わない手法が伝承されてきました。現在作られいる猿は、15種類ほどあります。
 昔はこの地方では、この猿を神棚にまつり、夫婦和合、子孫繁栄、安産子宝を祈ったそうです。
「由来」:都からの落人(おちうど)4人が、木葉の里でわび住まいをしていた養老7年(723)の元旦、夢に現われた老翁のお告げで、奈良の春日大明神を祭りました。そして木葉山の赤土で祭器を作り、その余った土を捨てたところが猿の形となり、いずこともなく飛び去りました。ところが次に鼻の高い赤顔の巨人が現われ「木葉の土でましら(猿)を作れば幸いあらん」と告げて姿を消しました。
落人たちは、これは神のお告げだと、赤土で祭器と猿を作り神前に供えたところ、天変地異の災害が起こったときも、無事平安に過ごすことができたと伝えられています。
 製作者:永田禮三:玉名郡玉東町木葉60..TEL: 0968-85-2052
  ---鹿児島本線、木葉(このは)駅下車、北、徒歩10分---


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(1999.10.17掲載)