日本列島・全国郷土玩具の旅

----熊本県篇・第2回(1)----

---- KUMAMOTO(2)-1 ----






宇土張り子
 宇土張り子は、昭和56年に作者の坂本カツさんが亡くなり 、一時廃絶の噂も流れていました。掲載作品は坂本カツさんの作です。
 掲載作品でご覧のように、明治大正の雰囲気とロマンを感じさせられる玩具ばかりで、種類も30種近く作られていました。
「歴史」:宇土張り子の創始についてははっきりしたことはわかりませんが、明治26年頃から、坂本勝治が妻のサキと共に「張り子」を作り始めました。勝治は大正2年に75才でなくなりました。
その時、カツは19才で、張り子作りはもうベテランでした。母サキと共に製作を続け、太平洋戦争の戦時中も作り続けましたが、残念なことに終戦の前日の空襲で、原型のすべてを消失してしまいました。
 しかし、戦後もいち早く復活し、昭和30年頃にはかなりの種類が復元されました。また、地元の愛好家などの協力もあって、宇土張り子の種々は復元されていきました。
 その後、カツの跡を継ぎ孫の光勝氏が勤めのかたわらに制作していました。
 その光勝さんは小学校の校長をしていて、退職したら人形作りをしたいと楽しみにしていられましたが、平成11年12月13日55歳にて他界されました。
 (2001年現在) 光勝さんの奥さんの、紀美子さんは「そんな夫の気持ちに少しでも応えられたらと思い」現在非常勤の仕事のその合間に製作を続けられています。
製作者(2001現在記録):坂本紀美子:宇土市本町1-84..TEL: 0964-22-0457 

五人姉様(現在廃絶)■
 この姉様も、阪本カツさんの作品です。
 五人姉様は、かっては熊本市内で作られていましたが、戦前に姿を消していました。これをもとに、阪本カツが作り出した姉様です。


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(1999.9.12掲載)