----熊本県篇・第1回----
---- KUMAMOTO(1)----
■熊本県の郷土玩具ガイド■(掲載されていないもの、廃絶品を含みます)
熊本市 お化けの金太。肥後こま。人吉の羽子板と花手箱。 青井阿蘇神社の獅子頭。手取り神社のうそ。 荒尾 きじ馬。 山鹿 山鹿灯籠。 木葉 木の葉猿。 一の宮 とうきび人形。 宇土市 宇土張り子。 登立 登立天満宮のうそ。獅子頭。 八代 一間羽子板。 人吉 きじ馬。うずら車。花手籠。羽子板、ウンスンかるた。 人吉周辺 しゅんなめじょ。 大畑町 木製玩具(きじ馬。弾き猿。跳ね猿。担い猿など)。 天草 天草土人形。 湯前 きじ馬。 日奈久 ぺんた人形。板相撲。きじ馬。 ■施設■ 市立熊本博物館 熊本市古京町3-2: TEL: 096-324-3500 熊本国際民芸館 熊本市竜田町上立田 三宮公園内:TEL: 096-338-7504 山鹿灯籠民芸館 山鹿市九日町1606-2: TEL: 0968-43-2952 市立歴史民俗資料館 本渡(ほんど)市今釜新町3706: TEL: 0969-23-5353 市立天草切支丹館 本渡市船之尾町19-52: TEL: 0969-22-8345 (展示・販売) 熊本県物産館 熊本市花畑町7-10市立産業文化会館3階 TEL: 096-353-1168 熊本県伝統工芸館 熊本県千葉城町3-35 TEL: 096-324-4930 ■参考情報リンク■ 熊本県ホームページ(公式) メニューより→観光情報・特産品 CPH・全国郷土玩具マップ →熊本県 熊本県伝統工芸館 / 水野清一:登立天満宮のうそ。獅子頭。牛深の木彫人形。 桑原土産店 : べんた人形,板角力 / 宮原健雄:人吉のきじ馬。花手箱。羽子板。 熊本國際民藝館 :展示 ・ 佐土原人形。尾崎人形。 肥後まり |
■お化けの金太■
お化けの金太は張り子製で、首をもたせた台の後ろの紐を引くと、赤い舌が延び、目玉が白目、黒目と変わる仕掛けになっています。こんなたわいもない「からくり人形」ですが、作り始められてから150年近くも続いている人気商品の人形です。 熊本市内の新町の厚賀さんが作っていますが、この新町は、加藤清正が古町に対して新しく作った職人町で、近くには細工町、桶屋町などの名前も見られる古い町並です。 製作者:厚賀伸彦「西陣屋 厚賀人形店」:熊本市新町4-1-32..TEL: 096-356-0826 ■肥後こま■ こま(独楽)は高麗からの渡来といわれていますが、高麗に近かったせいか九州の各地でさかんに作られてきました。その中でも伝統的な「肥後こま」がよく知られています。 彩色もきれいで赤、黄、緑、黒を主に、ロクロを使って描かれています。また、こまの形にはいろいろの変化があります。 ちょんがけごま・だるま・とんぼ・坊主ごま・どんべえ・胡麻などの呼び名があり、20種類ほどの型が作られています。 製作者:中島寅男「中島工芸社」:熊本市龍田町弓削1192-20..TEL: 096-338-1142 【熊本市内で作られている人吉の玩具】 ◇もともとは人吉市周辺で作られてきたものですが、人吉の羽子板に肥後の花を描いていた池口正樹氏の長男、真人(まさと)さんが、熊本市内で父の作品を復活、花手箱や羽子板、青井阿蘇神社の獅子頭を復元、製作しています。 羽子板や花手箱ともに、なかなか味わいのある絵が描かれています。 作品は熊本県伝統工芸館や人吉駅前の土産店に出ています。 人吉で作られている諸玩具は、熊本篇・第4回にも掲載しています。 ■人吉の花手籠■ 花手籠は、肥後菊、肥後椿など4主種の花が描かれています。人吉で作られている箱は一般に白い和紙が貼られ、その上に椿の花が描かれていますが、池口さんのものは美しい木目の見える木にじかに描かれ、絵の具のにじみを防ぐ処理がされています。 ■人吉の羽子板■ この羽子板は、上下に人吉伝統の赤、黄、白の縦縞模様、まんなかに椿の花が一輪描かれています。 池口さんの得意の絵はその裏面で、熊本付近で咲く花の中で、頭に肥後のつく椿、花菖蒲、朝顔など13種類の作品があります。 花手箱・羽子板および下欄の青井阿蘇神社の獅子頭の 製作者:池口真人(まさと)(瓢古庵):熊本市龍田町上立田391..TEL: 096-338-9508 (記録)この羽子板や花手箱はかなり古くからあったようで、昭和初期の本でも記録されています。 池口真人の父、正樹氏(昭和60年、没)が羽子板や花手箱を手がけるようになったのは、昭和35年頃からです。熊本国体が開かれ、人吉がソフトボール会場になりましたが、それを記念してなにか土産物をと思いついたのが、羽子板復元の動機でした。 正樹氏の記憶にあった人吉の羽子板は30年以上も昔であり、妻の記憶と合作で復元にこぎつけました。 また花手箱もそれと同じ頃からの作品で、もとは「市箱」と呼ばれていましたが、「香箱」という名をつけたものも売り出され名称に混乱が生ました。正樹氏の提案で「花手箱」と統一されこれが定着して、今日もそれが使われています。 |
■青井阿蘇神社の獅子頭(守護獅子)■
これも上記の、池口真人さんが製作しているものです。 大(タテ、ヨコ、幅、各12センチ)。張り子製。 小(約6センチ角)。紙粘土のプレス。下顎は厚紙製。これは同神社の秋祭りに安価に売るために考案されたもので、「守護獅子」と呼んで池口正樹氏が昭和9年から販売するようになったものです。 青井阿蘇神社では平成5年より正月の授与品とし守護獅子を出すようになりました。 ■谷尾崎のきじ馬と祝い臼(廃絶)■ 谷尾崎は熊本市の西方の荒尾山麓で、梅林公園で知られています。この地方で、かっては土地の人達が「キジヤケンケン」と呼んでいた「きじ馬」や「祝い臼」がありました。 祝い臼には細長い「杵」がついています。 戦後もきじ馬だけはわずかに作られいましたが、それも廃絶しました。いずれも松の木を素材とした牧歌的な素朴な玩具でした。 かって高麗門付近の寺院では、2月15日に涅槃会(ねはんえ)のご開帳があり、春一番の市がたちましたが、この時にこのきじ馬や祝い臼を戸板に並べて売らていました。 ■手取菅原神社の「うそ」■ 熊本市内の手取菅原神社では「うそ」が授与されています。 現在は、紙の「うそ」だけが授与されていて、掲載のものはいまは手に入らない古い記録です。 「うそ替えの神事」では、うそに書かれた番号が当たると「金のうそ(木製、金泥ぬり)」が授与されました。 手取菅原神社:熊本市上通5-34..TEL: 096-355-0520 |
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