日本列島・全国郷土玩具の旅

----高知県篇・第2回----

----KOUGHI (2)----



高知の古玩
 戦後の高知県を代表する郷土玩具作者の作品で、掲載のものは原形の型より復元されたものも含まれています。
 岡林藤吉(坊さんかんざし・女だるま・たぬき)
 初代・山本香泉(つればり・闘犬:鯨船)
「つればり」は、珍しい人形といえます。これは明治の頃の風俗で(なにをしているのか考えてください)、現在はこんな姿はありません。原作者の香泉は、画家であっただけに大胆なデザインの中に、下劣さを感じさせないユーモラスな人形を作りだしました。
( 山本香泉については前回の「土佐の姉様」の項で紹介してあります。)
これらの多くは「土佐民芸社」により複製されています。(土佐民芸社は前回を、参照)



安芸土鈴
 安芸瓦の産地として知られている安芸市で、かなり以前から高村光紅さんが、土地にちなんだ相合土鈴・土佐闘犬土鈴・鯨土鈴などの土鈴を焼いていました。
四国では土鈴が少ないほうなので評判がよかったのですが、近年は病気のため製作を中止されているようです。
この高村さんの型は、「土佐民芸社」に譲られているそうです。
潮江のうそ
 潮江(うしおえ)天満宮の授与品です。
 各地の多くの天満宮で行われるように、1月25日の「うそ替えの神事」に授与されます。
 この「うそ鳥」は、東京の亀戸天満宮のものと非常によく似ています。直径3センチ、長さ9センチくらいの円筒形です。
潮江天満宮:高知市天神町19-20...TEL: 0888-32-2896

土佐凧
 高知市の隣町、香我美町で「土佐凧」が作られています。製作している吉川さんの作業所は、凧とともに、節供用の「フラフ」と呼ぶこの地方独特の旗やのぼりなどを染めている染工場です。
◇土佐凧の特徴:
 この凧は形は正方形ですが、凧を揚げたとき対角線が上下、左右にになり、絵も角が天になるように描かれていますので、「スミタテ」とも呼んでいます。
 紙は物部村(香美郡)の土佐和紙を3年ほど自然乾燥させて、下絵から7つの工程で仕上げられます。
 凧絵には、定紋(家紋など)、文字(龍、祝、寿など)、絵だけのものは「鶴、武者、金太郎、姫だるま、その他」があります。
◇製作者の吉川年登志之さんは、凧師4代目です。初代は土佐の有名な絵師・狩野洞意(絵金)の孫弟子にあたる吉川半蔵で、その流れを汲んで凧絵も芝居絵の風情を漂わせています。
製作者:吉川年登志之:香美郡香我美町岸本56...TEL: 08875-4-2528

---高知県編・終り---


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(1999.5.2掲載)