群馬県篇ー2

----GUNMA----


■総社の挽き物玩具■
前橋市総社町を中心に渋川市、赤城村、榛東村などで、挽き物玩具(ロクロで挽いた玩具)が生産されています。
コマ、日月ボール(ケン玉)、だるま落し、ままごと道具、などがあります。
しかし、現在は、これらの玩具よりも「近代こけし」が主流の産業となって、生産量では全国一といわれています。

総社町でロクロ細工を挽くようになったのは、明治43年(1910)に東京で木工ロクロ技術を習った関口専司によるもので、町内の植野に足踏式ロクロの工場を開設したのが始まりとされています。
関口専司の業績をたたえて、群馬総社駅の広場には、左右に石のこけしを配した、彼の碑が建てられています。


■虫切り獅子頭■:この獅子頭は、頭に被るようになった珍しい形のものです。これを子供に被せると「カンの虫が治る」といわれています。山名八幡宮の授与品。

■ミニ農具■:吾妻地方のもので、本来は小正月に神棚に供え、農具に対する感謝の気持ちをこめて、豊作をいのる信仰品です。(郷土玩具愛好家や研究者の間では、これらのものも郷土玩具の範囲に含めて収集されています。)


近代こけし
近代こけしの生産がはじめられたのは昭和23年頃で、土産物問屋から東北のこけしのようなものを挽いてほしいという注文があり、観光地や温泉の名を入れた「こけし」を生産するようになったのが始まりです。こうして、「だるまこけし」「たぬきこけし」「カッパこけし」など次々と面白い発想のこけしが生みだされました。
盛んに作られていたにもかかわらず、あまり話題にのぼらなっかたのは、各地の観光地や温泉場などの地名を入れた「----こけし」「----温泉みやげ」として売られていたためでしょう。


伝統こけし・近代こけし・創作こけし■:このような新しいこけしの誕生により、従来から東北6県で作られていたこけしを「伝統こけし」、新しく生まれたこけしを総称して「近代こけし」といって区別しています。
また、昭和34年より「全群馬近代こけしコンクール」が開かれるようになり、従来のお土産こけしとは離れた、こけしという形態をモチーフとして、伝統こけしにはみられなかった「こけし」を創造しようとする工人が現われ、そのような人々の作品を「創作こけし」と呼んでいます。
そして、この「創作こけし」は、いまでは郷土玩具とは別の道をも歩み始めているようです。





-----群馬県編・おわり-----

(1997.4.28掲載)


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