第90話 不況も I T で1丁あがり!?

間ではITというのが騒がれている。と言っても主婦の間で話題になっているわけでは全然ない。ママが気になるのはお豆腐 1丁の値段なのだ。ITって、Internetなんちゃらの略かと思ったら、違うのでした。Internetも全くの無関係ではないと思うけど、Information Technology(情報技術)のことです。そういえば、一時期、CI (corporate identity)というのがはやったこともある。困ったときの2文字神話か。ITで1丁あがり、と済めば楽なんだけど、そうは行かないのが世の常なのだ。

NHKスペシャル、「IT・情報技術革命の衝撃」(2000.5.13, 14放送)を見ました。今回は、これに関して書きたいと思います。また、2000.5.14の夕方、TBSの報道特集でも「ネット革命の激流」と題して特集を組んでいた。こちらは夕飯の餃子を包みながら、あまり真剣には見てなかった。とにかく今、インターネット、ITにみんなが注目しているのは確かなのだ。

まず、見てない方のためにNHKスペシャルの概略です。メモを取っていないので、ママの記憶に残ったところになります。このため、多少の間違いや偏ったものになるかも知れません。でも、そもそもNHKの番組作りもある程度は色が付いているのだろうからよしとしよう。


1日目は、楽天市場(インターネット上の商店街)の急成長、iMode携帯電話の爆発的な普及、セブンイレブンなどが参入したネットバンキングの特集だ。

楽天市場を立ち上げた創業者はまだ若い。操業前は銀行に勤めていたそうだ。楽天市場を立ち上げた当時、すでにいくつかのバーチャル商店ができていた。しかし、楽天市場は誰でも簡単にお店を開ける仕組みを提供することと、安価(5万円/月)で出店できることを売り物に、急速に出店者を増やしている。

インターネット上のお店は従来地域に限定されていた商店を全国販売に拡大できる。鹿児島の薩摩揚げ屋さんは、今まで地域内だけの販売だったのが全国からの注文を受けるようになった。担当者は一人だけ、その人が最前線の営業マン(女性だったのでウーマンか)で、頑張っている。今は地元以外からの注文が月30万円ある。ちょっと少ないような気もする(ママの私感)が、それまで0だったことを考えるといいのかもしれない。

また、大手量販店?のインターネット販売でも活用している。目玉商品のビデオデッキの売り上げが落ち込んできた。担当者は、いとも簡単に商品の陳列位置をページの先頭に変更し、同時に値下げした。これが実際の店舗だと、商品の入れ替えやディスプレイ変更は大変な作業になるが、仮想店舗なら指先のちょっとした作業で完了だ。その結果、ビデオデッキのページへのアクセスは大幅に増加し売り上げも伸びた。

楽天市場のセミナーには出店や新たなサービスを考える企業から大勢の参加がある。 社長との名刺交換には長蛇の列だ。

次は、iModeの旗振り役、NTTドコモの35歳の部長が登場。iModeは世界中が注目した日本発のIT革命だ。普及させるために通話時間ではなく、情報量で課金する仕掛けを作り、サービスを提供する企業の普及に力を入れてきた。当初は少なかった情報提供会社も今は非常に増えている(数字は忘れた)。

この部長のところにも、様々な業種から参入のアドバイスを求めるアクセスが続く。米国のマスコミからもコンタクトがあり、日本のiModeニュースの購読者の割合などを聞かれる。また、iModeを使った量販店での販売促進、顧客アンケートサービスがある。全国の店舗から即座にアンケート情報が収集される。本部ではそれを元に即座に販売方法の指示をだす。番組ではパソコンの横にデジカメを展示し、セットで販売する指示がだされていた(ちょっと、ヤラセっぽい)。

ネットバンキングではセブンイレブン、さくら銀行などがでてきた。この当たりの報道は前にママが書いたネットバンキングの話と似たようなものだった。24時間オープンのコンビニはバーチャルと現実をつなぐ窓になるのだ。


2日目は、製造業におけるIT革命だ。冒頭にでてきた光で固まる樹脂を使って携帯電話の型を作るシーンで、ピカピカと光(レーザ?)でスキャンした樹脂の中から携帯電話のモックアップが浮き上がってくるのはSFX映像をみているような衝撃だった。

日本の熟練工の独壇場だった金型(かながた)作りをコンピュータで実現したリンクス。全ての工程をコンピュータ化し、金型作りの期間を1/2以下に短縮した。さらに高速回転のドリルで金型の土台となる金属を削る時間を1/10にしようとしている。

IT投資の日米比較では、日本がバブルの後始末をしている間に、米国との間に2倍以上の差がでてしまった。米国のIT化の代表としてGM(ゼネラル・モーターズ)が紹介された。一時は日本車に追われ瀕死の状態だったGMはITで復活した。GMでは、"eGM"というプロジェクトを興し、IT化を推進している。車のデザイン評価も3D画像で行っている。

かたや日本の代表としてシャープの冷蔵庫の生産管理のIT化も頑張ってる。従来、月単位の生産計画を1週間単位に切り替えた。一つのラインで1週間に何機種もの冷蔵庫を生産するために、生産設備の切り替え時間を以下に短縮するかが生産効率の鍵となる。このための設備投資も大変だ。下請け会社にもITへの対応を要請する。Faxしかない孫受け会社は存亡の危機だ。

しかし、中小企業もITによる新たな取引の可能性を探っている。下請け会社のネットワーク:NCnetworkは従業員300人以下の会社のネットワークだ。従来、親会社からの系列による垂直取引だったものを、下請け同士が水平取引することにより、互いに仕事を融通したりして生き残りをかける。専任の営業マンを置けない小さな会社にとって、インターネットは強力な武器だ。

大阪の金属加工会社Harmanは従業員100名以下だ。ネットワーク上で協力して貰う会社を探す。東京蒲田の会社から返事がきた。全国はもとより、韓国の会社からもメールがくる。また、親子3人で営むアルミ鋳物の会社もパソコンを導入し、営業を始めようとしている。

IT革命は大企業から中小企業まで、今までの仕事のやり方を変えている。うまく使いこなせる企業だけが21世紀を生き残れる。と、いった感じの2回でした。


マの周りの主婦達も最近では携帯電話を持つ人が多いし、パソコン環境が自宅にある(使ってるかは別にして)人も多い。「IT革命」はママの生活の周辺にも徐々に広がっています。ママの知らないビジネスの社会では企業の存続を懸けて「IT革命」による変革が起きているようだ。このままだと、情報を操る人(一部企業のトップ)と情報に操られる人(大多数の一般人)と情報から取り残される人(お年寄り)にも差別化していくのだ。

現場で積み上げた技術を全て計算機のデータに置き換え、ルーチンワークから解放された、人間は新しい技術を生み出す事に専念できるから効率はあがるの?現場で生まれていた新しい技術はこれからはパソコンの前で生み出されるのかな?人間の頭脳はどこに行くのだろう。

ママは新しい製品や情報を使い、便利な生活を享受しつつ、新しい技術の仕組みは理解できなくても、その技術がどのように社会を変えていくか見守りたい。「IT革命」により情報やネットワークを利用して社会全体を効率化し、精神的に余裕のある生活を作れるといいなぁ。ますます、社会が複雑化して混乱していくのは困るよ。

オヂがパソコンを買うという暴挙
オヂがパソコンを買うという暴挙
田淵純一
アスキー出版局

書館が移転のために閉まる直前に借りてきた本が、「オヂがパソコンを買うという暴挙」田淵純一著です。「マックパワー」1995.1月号〜1999.12月号に連載されていたらしいです。連載期間5年は伊達ではない。なかなかパソコン(Macintosh)購入に踏ん切れなかった著者がついにPOWER BOOKを購入し、ワープロ・インターネットに奮闘、DTPに驚愕、そのうちに奥さんの方がMacに詳しくなり社長になる。また、自分も会社でDTPによる本作りまで到達する。やはりただの世間一般のオヂではないのだ。

ママが初めてWindowsマシンを買ってから3年、あの時に自宅にあった(今でも子供が使っているが)Macintoshをもっと使ってマック道を極め、今のiMacブームを迎えていたらもっと違う形でパソコンと関われたかも知れない。DTP出版やデザイン会社の社長とかね(^_^) ないない!

最近の「IT革命」関連の情報に触れ、ホームページを作り続けた3年間にママにもビジネスチャンスは沢山あったのにそれを見過ごしてきたと後悔。メールマガジンで活躍している田口ランディさんのコラムなどを読むと本当に才能がある人は鋭い感性で現代社会の問題点を指摘して、注目を集めてますね。ママのような普通の専業主婦が特別に変化のない日常から話題を集めてインターネットに発信することのむなしさも感じます。だけど一般人がホームページを作り、自分の考えを自由に世界に向けて発信できる事もひとつのIT革命でにあることは間違いない。

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M.Nakamura May 20,'00