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23   無線LAN導入記(その2) (2001.7.1)

今回は前々話に引き続き、旦那が無線LAN導入記の後編を担当します。しかしその前にママから、「光は意外と早くやってくることになった」ことをご報告します。

ADSLにした際、ADSLモデムとスプリッタはレンタルにしました。これは、買い取った場合とレンタル費用を比べると3年位以内ならレンタルの方がお得だとの計算があったわけです。3年以内には光ケーブルに変わるだろうと期待していました。

ところが、ふたを開けてみてビックリ。NTT東日本は、6月28日に光・IP通信網サービス「Bフレッツ」の本格提供開始について発表しました。これによると我が家の住んでいる町田市は、なんとなんと2002年1月から光ファイバー接続のサービスが開始されます。「一部」となっているのでどうなるかわかりませんが期待大です。あと半年もすると10Mbpsか100Mbpsで繋がるかと思うとワクワクしてしまいます。

今回購入したADSL対応のAirStationのブロードバンドルータ機能は、WAN側が10Mbpsなので100Mbpsで契約したら役にたたない? そのときはまた別のルータが必要なのかと思うと頭が痛い。まあ100Mbpsが必要か?と問われると疑問もあるのですが、とにかく早く日本中が光ファーバーで結ばれることを楽しみにしている。小学校も早く光ファイバーを繋いでほしい!!

では、無線LAN導入期の後編です。なお、こちらが前編と、さらにその前哨です。

◆◆◆ 無線カード と トホホ事件 ◆◆◆

現在入手できるメルコの11Mbps対応の無線LANカードには、WLI-PCM-L11(以下、L11)とWLI-PCM-S11(以下、S11)の2タイプがある。L11は128bitの暗号に対応したものでセキュリティが強く、メルコでは企業内のLANに薦めている。値段も少し高い。これに対してS11は最近発売された廉価版で、40bitの暗号対応でホームユースを薦めているようだ。家庭内でのLANに流れる重要なデータは、せいぜい家計簿やオンラインバンキングで照会する預金情報程度で、盗聴・解読の労力を考えたら全然ペイしないから40bitでも安心だと思う。ストーカーとかだとちょっと怖いが。

でも、この2つのカードには暗号のbit数の他にも重要な違いがあったのです。これがトホホな事件のはじまりでした。S11をノートパソコンのサテライトに挿そうとして、はじめて変なことに気がつきました。なんと、S11はサテライトに挿さらなかったのです。なぜ? しばらく悩んだ末、カード先端の切り欠き部分がふつうのカードと違うことに気づいた。カードの先端部が厚くなっていて、ガードしているのです。これがL11とS11のカードの先端を拡大した写真です。手前の白い方がL11、黒い方がS11です。

改めてメルコのページでS11の仕様を確認してみると、電源電圧 3.3Vと書いてあり、L11には特に書いてない。この時までPCカードに5Vと3.3Vの2種類があることを知りませんでした。結局、L11は5Vで動作し、S11は3.3Vで動作するようです。

最近のノートパソコンのPCカードスロットは、5V/3.3Vの両方に対応しているようなので、どちらのカードも問題なく使えるので気にしなくていいようです。しかし、なんと我が家のサテライト200CS は 5Vカードにしか対応していなかった模様だ(確信できないが)。サテライトの仕様が書いてあるページをみても、PCカードは 5Vのみ だとは書いてないんだよ。サテライトが発売された当時は、PCカードは5Vだけだったので特に書いてないのか? しかしこれは重要だよ。

サテライトの無線接続はあきらめなければならないのか? さらに新しくL11カードを購入するのか? 悩んでいてもはじまらないので、とりあえず週末を待って会社のビブロに挿して無線接続を試してみることにしました。ところが、ここで第2のトホホ事件が発生したのです。

出勤してビブロの電源を入れたところ、突然Windows(2000です)が起動しなくなってしまいました。起動途中にエラーが起きているようで止まってしまいます。PC担当の詳しい人に調べてもらい、CD-ROMから起動して chkdsk をしたらDISKのエラーがでます。一応、修復ができたようでWindowsは起動しましたが、非常に不安定です。ちょっとしたことでブルー画面になってしまいます。あわてて仕事のデータのバックアップをとり、DISKをフォーマットし直しての再インストールです。

ところがWindows2000を入れ直して、いくつかのアプリをインストールしたところで再びブルー画面になるようになり、ビブロは修理と相成りました(でも後日、ハード故障はなかったとのことで復帰)。こんな訳で、サテライト、ビブロともに無線カードが使えなくなり、無線LANは試せなくなったのがトホホ事件の全貌です。

AirStationと無線カードはあるのに無線LANが使えないのはあまりにも情けないので、サテライト用に L11 を買おうかなと考えていた矢先、なんと友人が L11 を使っているので、S11 と交換してくれるという。Thank you!! 友人のパソコンは新しいのでS11でも大丈夫なのだ。会社のビブロも戻ってきて(結局ハード故障は見つからず、再々度のWindows2000インストールで復活)21世紀最初のトホホ事件は解決に向かったのでした。

◆◆◆ 無線LANのセットアップ ◆◆◆

こちらがL11とS11の写真です。左がL11、右がS11です。外見ですがL11の方が少し長くて、角張っています。出っ張り部分も少し厚いです。あと、L11は外部アンテナを取り付けるためのアンテナ端子用の穴が付いています。オフィスなど広いところで使うには外部アンテナが必要になるかもしれないので、暗号の強さ面と併せてL11は企業向けなのでしょう。

無線LANカードのセットアップも難しいところはなく、マニュアル通りに進めたら難なく完了です。カードを挿してプラグアンドプレイでドライバのインストールを行い、その後AirStationのクライアントマネージャをインストールする。クライアントマネージャでは、無線のチャンネル(デフォルトの14ch)、ESS-IDというコードと、WEP暗号の5文字を指定したらあっけなく我が家のLANに繋がった。

サテライトとL11無線カード
ビブロとS11無線カードはこちらです。

ちょっと予想外だったのが無線LANカードはモデムカードや普通のLANカードと比べるとちょっと出っ張っていたことだった。カードを刺したままノートPCを持ち運ぶときには注意が必要だ。きっとこの部分に無線機とアンテナが入っているんだろう。アンテナがあまり短くてPC本体に近づくとうまく通信できなさそうだから仕方ない。友人はベッドでパソコンを使っていて、この出っ張りをシーツに引っかけてしまい、まだ新しかったシーツを破ってしまったことがあるそうだ。とにかく注意すべし。

こちらがサテライト、ビブロ両パソコンに挿した無線LANカードのアップ写真です。左がビブロとS11、右がサテライトとL11です。S11は電源LEDとLINK LED(無線接続していると光る)が明るく点灯しています。L11は電源LEDとActive LED(パケットが流れると光る)が点きますがちょっと暗い。

仕様では、サスペンド・レジュームには対応していないとなっていますが、ビブロ(Windows2000)+S11 では、スタンバイモードから復帰して繋がりました。でもサテライト(Windows98SE)+L11 はだめでした。きっと色々と複雑な事情があるのだと思うけど、深く追求せずにそのまま使うことにする。世の中、わからないことの方が多いんだし(と訳のわからん理由をつける)。

◆◆◆ 無線LANの到達範囲 ◆◆◆

両パソコン共に無事に無線で接続できることを確認したので、次に電波の届く範囲を調べてみました。我が家は小さな木造2階建てなので、家中どこからでも問題なく届くだろうと思っていたのですがそうでもなかった。まあ、接続できない訳ではないので問題という程でもないのですが。

1階の居間の壁近く(家全体からみると中心より南に3/4程寄っている)にAirStation本体を置いていますが、ここから一番遠くに位置する2階の北側の部屋の端で使うと、パソコンの向き(無線カードの位置)によって接続状況が悪くなることがありました。電波状態は50%前後で、手のひらを無線カードの上に持ってくるだけで状態が急激に変化します。しかし、電波状態が悪いからといって、必ずしも接続状態が悪くなるわけではありません。こんな感じで、電波状態57%でも接続は99%だったりします。接続の速度は低下しているのかも知れませんが、体感できるほどではありませんでした。

電波状態はAirStation本体の向きや置き場所によっても変わりそうです。我が家の場合、ちょっとデスクトップのディスプレイに近いかな?という気がします。もう少ししたら置き場所を工夫したいと思っています。できれば水平方向は家の中心あたりに持っていきたいけど上下方向は難しいな。居間の天井近くに設置すればいいけど見た目が悪いし、そこからACアダプタの線とかLANケーブルを引っ張るとますます見栄えが悪い。無線LANを導入した意味がなくなってしまう。

その他の部屋やトイレの中からも問題なく接続できることを確認し、ついでに庭(といっても狭いのですか)にもでてみました。庭は南側なので十分に電波が届きます。こんな感じですが、実際に庭でパソコンを使うことはないでしょう(^_^)

電波の人体への影響や隣近所との混信などを考えると、無線の電波は極力弱いほうがいいので(もちろん使用可能な範囲で)、一般家庭で使うにはこの位の強さがちょうどいいのでしょう。バッテリで動作させたときの消費電力の問題もありますし。

また、無線LANの周波数は2.4GHz帯といって、電子レンジの使っている周波数帯と同じだそうで電子レンジの近くにおくと影響を受けるらしいです。試しに使用中の電子レンジの近くにもビブロを持っていきましたがあまり電波状況に変化はありませんでした。 そのうち、気づくことがあったらまた報告します。

◆◆◆ 無線LAN導入所感 ◆◆◆

無線LAN+ルータ経由のADSLによるインターネット接続の速度を計ってみると、1.1Mbps程度でていて、ADSLモデム直結のころや有線LAN接続のエンデバーとの差はみられません。サテライトだとCPUパワーがないので若干遅いですが、それでも1Mbps弱の速度がでています。これで、エンデバー、サテライト、ビブロの3台からブロードバンドでインターネットに接続ができるようになりました。

ビブロからの会社へのアクセスも従来のモデムによるダイヤルアップに比べると格段に早くなり、大きな添付ファイル付きのメールを受信しても電話代を気にしなくてすみます。社内のメールだとExcelやWordの大きなファイルが添付されるのが茶飯事なのです。みなさんファイルの大きさとか気にしてないようだし。とにかく、これで自宅からメールを気軽に読めるようになりよかったです。

また、無線LANと云っても使いかたは普通の有線のLANと同じです。使い始めてみると線が繋がっていないことなど忘れてしまうほど、当たり前にネットワークが使える。インターネットだけでなく、親機であるエンデバーのファイルとプリンタを共有するようにして、快適なパソコン環境が実現できました。プリントサーバを導入しすれば、エンデバーが立ち上がっていなくても印刷ができますが、今のところそれほど頻繁に印刷することはないので、しばらくこのまま続ける予定です。

以上で無線LAN導入記はお終いです。セットアップなどの技術的なことはほとんど書きませんでしたが、これは特に難しいことなくセットアップができたためです。マニュアルの指示通りに行えばパソコン初心者の私でもセットアップできました。ADSLになったみなさんにはブロードバンドルータ付きの無線LANをお勧めします。

なお、今回の一連の導入記で紹介した写真を付録としてまとめてみました。よろしければ、眺めてください。

写真でみる無線LAN導入記 (2001.7.1)

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