『週刊かすてら・愚か者の退屈な生涯』2019年第14号

19年 3月17日 日曜

 曇。
 バナナ、天麩羅饂飩。買い物。養老孟司著『バカのものさし』読了。子どもの相談に養老孟司が応える形式。都市人の教育について「ぼくがひとつ、参考になると思っているのが、ユダヤ人の子育てです。彼らは、都会でしか、ほとんど住んでこなかった。それでも、かなりまっとうに育っているんです。しかもあれだけ迫害を受けてきたわけでしょう。とても真似はできないけれど、参考にはなるんじゃないかと思っています」(p.160)。高山羽根子著『居た場所』読み始める。揚げ春巻。ビデオ。『ジャパノロジー』駅。『目がテン』スゴ腕林業家に弟子入りして木の伐採修行!▽これぞ職人芸!驚きの伐採「吊るし切り」▽6日間の過酷現場…80本のヒノキ伐採!▽阿部さんが樹齢100年の巨木伐採初挑戦。『地球ドラマチック』生きものたちの秘密の庭。フランス・ノルマンディにある庭の生き物たちの姿。『美の巨人たち』葛飾北斎「弘法大師修法図」。

19年 3月18日 月曜

 晴。
 バナナ、天麩羅饂飩。外出せず。昼寝。『居た場所』読了。中編と短編二編。表題中編は何か奇妙な事が起こっているらしいのだが、最後まで良く判らない。もやもやした読後感。例えば、SFにありがちな「破滅の予感」のような不安感もなく、良いか悪いかという評価もできない。宙ぶらりん。「蝦蟇雨」は何が起こっているか判る。理由は判らないが。主人公が「判ろうとするから苦しくなるのではないか」という意味の事を言うのが面白い。「リアリティ・ショウ」はある種の「地獄」が描かれているのだが、地獄の住人はそれほど苦しんでおらず、希望がない中で鬱屈もせずに生きている。ある種の「元気な絶望」である。それを地獄と感じるのは外部から来た者達である。これも「評価の拒否」の形式である。俺はこの三編から「評価の不可能性」という共通性を見出してしまった訳だが、そういう「抽象化に向かう思考」を批判されているような気もする。こういう「結論を回避する」傾向も一つの形式なんだよな。抽象化を回避しようとしている筈なのにどんどんメタに後退して行くのはなぜだ。ハンバーグ。ビデオ。『イッピン選』ちょっとおいしくちょっと豊かに〜東京・金属製品。東京・下町は金属加工の手仕事がさかん。銅製のおろし金は、水気たっぷりの大根おろしができる。また銀のアイススプーンは指の熱を伝えて、さくっとアイスをすくい取る。

19年 3月19日 火曜

 曇。
 バナナ、天麩羅饂飩。外出せず。昼寝。荒俣宏著『神秘学マニア』をぱらぱら捲る。スタミナ焼き。ビデオ見ず。

19年 3月20日 水曜

 晴。
 バナナ、鳥肉の竜田揚げ、掛け饂飩。図書館。『別冊NHK100分de名著 読書の学校 養老孟司特別授業 「坊っちゃん」』読了。中学校で行われた特別授業の講義録。「どの生徒の質問も、とても丁寧な字で書いてある。内容もよく読めている。大学なら『まあこれくらい読めているのなら、あとは自分で考えてください』と言って何も話さずに帰るところだ」(p.4)。「人生を変える本があるように、世の中には人生をかけて書かれた本がある。私が面白いと思うのは、そういう本だ」(p.9)。「偏見がないと何を見ているのか全く見当もつかない。それではものは見えない。観察をするためには、そのものを見るための偏見が必要です」(p.62)。「日本では、楽しんで仕事をすると怒られる。難行苦行で、渋い顔をしてするものが偉い、それが良い仕事だと思われる節がある」(p.102)。養老孟司 小島慶子著『歳を取るのも悪くない』読み始める。ハンバーグ、肉まん。数日前から首の付け根の左後ろに出来物ができていたのだが、うんっと背伸びをしたらそれが破れて大量の膿が溢れる。風呂に入る前なら良かったのに、入った後。ふやけて皮膚が柔らかくなっていたのかも知らぬ。トイレットペーパーで拭う。少し服を汚す。ビデオ。『日曜美術館』“浮世の画家”を描く〜カズオ・イシグロの小説に挑む現代作家。ドラマ用に小説に登場する絵の制作を現代画家に依頼する。

19年 3月21日 木曜

 曇。強風。
 バナナ、鳥の竜田揚げ、掛け饂飩。外出せず。昼寝。『歳を取るのも悪くない』読了。対談。養老「僕の母は八十五になったときに、『そろそろ老後のことを考えねば』と言っていた」(p.17)。能動態と受動態の間にある中動態について・児島「國分さんがよくおっしゃる『惚れる』もそうですね。よし惚れてやる、と思って惚れるものではないし、強いられて好きになるわけでもない。気づいたらそうでしたという状態が、中動態だと。思い出されるとか、生まれるなどもそうですね」(p.158)。山尾悠子著『ラピスラズリ』読み始める。カレーライス、目玉焼き、コロッケ。ビデオ。『THE 世界遺産』ディキスの石球のある首長制集落群 コスタリカ 石球はなぜ?/黄金文化/石球のつくり方。『ダーウィンが来た!』地上最大の対決!セイウチvsホッキョクグマ。

19年 3月22日 金曜

 曇。
 バナナ。外出せず。昼寝。昏々と眠る。『ラピスラズリ』読了。連作集。相互に関連する、つまり連作となっている短編四編と中編で構成される。共通するのは冬眠する種族が登場する事だ。舞台は近未来の日本と、中世くらいの西欧らしい屋敷、そして西暦一二二六年のアッシジ近郊。いずれも奇妙なカットバックと言うかフラッシュバックを含む構成で、時間の流れが部分的に断片化されている。しかし全部読み終わっても、全体の流れが判ってああそうかとは成らず、前後関係も因果関係も判らない部分がたくさん残る。全体に何とはない滅びの予感に満ちているのだが、滅びの瞬間が描かれることはない。そして最後に再生のイメージが示されるが、唐突な感じで、それまでの流れとの連続性が薄い。と言うか、全体に余り流れていないのだが、その停滞感が面白くもある。重要らしい小道具として人形が思わせぶりに描かれるのだが、効いていない。しかし、ここまで来るとわざと効かせていないのではないかと勘繰る。冬眠者の屋敷の話は何となく「ゴーメンガースト」に似ているなと思う。閉ざされた屋敷の話というのはファンタジーの定番か。「眠れる森の美女」もそうだし「美女と野獣」もそうか。どちらも停滞(死)と復活の話だ。日本だとなんだろう。マヨイガ系か。「トビアス」に登場する犬が哀れである。時間を置いてもう一度読みたい。山尾優子著『飛ぶ孔雀』読み始める。麻婆豆腐。ビデオ。『タモリ倶楽部』「天龍・鬼奴も美声になれる!?大実験!しゃがれ声ボイトレ」どんな声でもトレーニングで美しい声に変えられるというボイストレーナーによって、日本を代表するしゃがれ声の持ち主・天龍源一郎と椿鬼奴は美声へと生まれ変われるのか!?。

19年 3月23日 土曜

 曇。
 バナナ、竜田揚げ、掛け饂飩。外出せず。昼寝。読書『飛ぶ孔雀』。ほっけの開き、塩鯖、目玉焼き。ビデオ見ず。
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