『週刊かすてら・愚か者の退屈な生涯』2018年第12号
18年 3月 4日 日曜
晴。
バナナ、白身魚の磯辺揚げ、煮込み饂飩。外出せず。昼寝。読書『新編 日本幻想文学集成8』。豚肉の生姜焼き。ビデオ。『目がテン』移住体験プレゼンターが1週間の移住生活!▽シニア注目の移住先!大分県・豊後高田市。『のどじまんTHEワールド!春の名曲傑作選』。『所さんお届けモノです!』こだわり専門店の逸品(4)。長野県マシュマロ専門店「やわはだ」/東京都・指人形専門店「笑吉」。『ミライダネ!』さようなら教育格差!賢い子どもはスマホで学ぶ。『イッピン選』おいしく!使いやすく!〜新潟 燕の金属製品。素早く火が通ると人気の鍋、工業デザイナー柳宗理が設計したフライパン、誰もが手軽においしいコーヒーをいれられるドリップ用ケトル。
18年 3月 5日 月曜
曇後雨。
バナナ、白身魚の磯辺揚げ、煮込み饂飩。外出せず。昼寝。読書『新編 日本幻想文学集成8』。焼売、カレーライス。ビデオ。『日曜美術館』イレーヌ ルノワールの名画がたどった140年。
18年 3月 6日 火曜
晴。
バナナ、白身魚の磯辺揚げ、煮込み饂飩。買い物。昼寝。『新編 日本幻想文学集成8』読了。夏目漱石は十編が納められているが、やはり「夢十夜」が一番面白い。特に、背負った子供が前世を語り出す第三夜と、船から飛び降りる第七夜と、豚の群れに舐められそうに成る第十夜が俺好み。夢をそのまま描いたように見えるが、同じ巻に収録されている内田百間や島尾敏雄の夢に比べると、ずっと小説的纏まりが在る。他には、「趣味の遺伝」の結末の筋が通ったような通らぬような宙ぶらりんの感じが面白い。また、「カーライル博物館」と「倫敦塔」は、小説として面白いというのではないが、漱石の歴史幻想癖とでも言うべき傾向が判って面白い。内田百間の「東京日記」と「サラサーテの盤」を読むのはどちらも四度目か五度目。大好きである。日常に幻想が不意に割り込んで来る感じが良い。その他の、見た夢をそのまま書いたような纏まりを欠く作品も好きだ。解説にもあるが、夢幻的雰囲気を台無しにしかねない滑稽味が、不思議と巧く融合している感じが面白い。幻想と恐怖と笑いが、混じり合いもせず分離もせずにたゆたっている。皿鉢小鉢てんりしんり。解説の別役実は、内田百間の特徴として、第一に「笑い」、第二に「存在そのものの寂寥感」、第三に「(幻想と)日常過程との連続面に見られる特異性」を揚げている。豊島与志雄は、実は俺には馴染みの薄い作家だが、大人向けの現代民話のような「白蛾」と「沼のほとり」はなかなか面白かった。初期の作品は、神秘に憧れながら没入できない葛藤のような物が、自分にも覚えが在るせいか鼻に付く感じ。島尾敏雄は、夢を描いて纏まりがないという点では百間以上で、小説的構成もなければ結末もない。ただ断片的イメージが羅列される。百間ほどではないが、島尾敏雄にも微かに笑いの気配がある。「当って砕けろではなくて、砕けてから当たっているんだ」(p.625)。もう一つの特徴として、やたらと自分を卑小に描こうとする、自嘲や露悪趣味という以上の自分への攻撃性。作家にはよく在る自己嫌悪かも知らぬが、度が過ぎている感じもする。勿論度が過ぎるくらいの方が面白いのだが。島尾敏雄の「現実に対して痛みを感じられない」距離感は、同時代の作家から批判される事も多かったらしいが、本人こそ「リアリティの回復」に苦しんでいたのかも知れぬ。鰹のたたき。ビデオ。『THE 世界遺産』シューシュタルの歴史的水利システム イラン西部 水路だらけの装置/水はどこから?/もう一つの運河。『ダーウィンが来た!』海のチアリーダー!キンチャクガニ。『NHKスペシャル』“河川津波”〜震災7年 知られざる脅威。東日本大震災の津波は、川をさかのぼり、海から離れた内陸にも被害をもたらしていた。『サイエンスZERO』ロボットが物流を変える! 完全自動化への挑戦。『100分de名著』松本清張スペシャル 第1回 人間と社会の暗部を見つめて。「点と線」。『探検バクモン』世界と闘う町工場。一つ一つ違う金属のクセを知り尽くし、金属を曲げのばして、ロケットの部品や天文台のアンテナといった“究極の高精度”を実現する「へら絞り」と呼ばれる金属加工の極み。
18年 3月 7日 水曜
曇。
バナナ、魚の磯辺揚げ、煮込み饂飩。買い物。E・L・カニグズバーグ著『ぼくと〈ジョージ〉』読了。頭が良く、控え目な少年ベンの体の中にはもう一人の少年、ジョージが住んでいた。周囲の大人達はそれを異常ではないかと大騒ぎするのだが、そんな物は異常でも何でもない。子供が皆頭の中に友達を持っている訳ではないが、珍しいというほどの物ではなく、特に都市部であればどこでもある程度は居る筈である。架空の人格とも言えるが、実際に話し合っている訳だから、その意味では実在の「話し相手」である。勿論そこには少年期の孤独に対する心理的な防衛や補償の仕組みが在るだろう。この作品で一番面白いのはベンとジョージの関係で、それに比べれば周囲で起こる出来事は、ベンに対する窃盗疑惑ですらも類型的で瑣末な事に過ぎない。主張が弱く影が薄い事を除けば、学力優秀で大人達に手間を掛けさせないベンは優等生的だが、ジョージは言葉が汚く冷笑的で辛辣な皮肉屋だった。しかしそれは単なる反抗ではなく、型に嵌まらぬ柔軟で広い視点から来る物だった。二人は、幼少期から補い合うような良い関係を築いて来たが、ベンに自我が芽生え、興味が他者に向き始めた時からジョージとの間に対立が起こる。母親や教師を含めて理想化された指導的大人は登場しない。これは、大人であっても悪さや弱さを持った普通の人間でしかないという当たり前の事を示すと共に、世の中の変化の速い現代に於いては、それに倣えば良いという先行の型(モデル)が成立しない事も示しているだろう。従ってベンとジョージは自分で成すべき事を決めなければ成らないが、意見は対立し、激しい言い争いに成る。一度はベンの中からジョージは消えたように見える。大人達はそれを「成熟」と見るが、物語の終盤でジョージは再び現われる。型の存在しない現代では、行動規範を自分で創造し続けなければ成らない事を象徴している。ユング風に言えば生涯続く自己実現だが、スタジオジブリの鈴木敏夫は解説でこれを「永遠の思春期」と呼んでいる。ベンの両親は離婚していて、マリリンという父親の再婚相手は、ベンの「異常」を騒ぎたて、生半可な心理学の知識を元に精神障害に仕立て上げようとする。こういう「他者を分析する事で優位に立ち優越感を楽しんでいるのだが、それに気付かず自分は善意で行動していると思い込んでいる」人は始末が悪い。そしてどこにでも居る。傍迷惑な善意。牡蛎フライ。ビデオ。映画『PAN〜ネバーランド、夢のはじまり』。脚本のできがそれほど悪いとは思わぬが(良いとも思わぬが)、「ピーター・パン」の前日譚にする意味がない。独立した御伽話で良い。関連作品にするのなら、原作に在る皮肉やナンセンスの要素、永遠の子供であるピーターに対する憧れと哀れみの同時に並立する感じなどを盛り込むべきであろう。映像はやたら豪華で、金かかっていそうなCGが多用される。良くできているなとは思うがイメージや動きにそれほど面白みはない。空中帆船が一回転する処と、怪鳥の活き活きとした動きだけがちょっと面白い。寧ろ、昔ながらの人間同士の活劇が動きとしては面白かった。ピーターが宙を飛ぶ爽快感がもっと出れば良かった。難しいのも判るが。そう考えると宮崎駿の飛行(感覚)描写の素晴らしさが判る。『ナウシカ』『ラピュタ』『トトロ』『魔女』『豚』で全部飛び方が違うのも恐るべき事である。『NHKスペシャル』被曝の森2018〜見えてきた“汚染循環”。福島第一原発事故による放射能汚染。山間部を中心に残る「帰還困難区域」。科学者は放射性物質残留のメカニズム、生物への影響を調査。放射性物質セシウム137は土壌に吸着されて、雨水などで流れ去る事もなく、鉛などの金属のように生物濃縮もせず、森の生態系内を循環しているらしい。セシウム137の半減期は三十年である。林業家が「俺達が生きている内は駄目だ」と言うのが悲しい。
18年 3月 8日 木曜
雨。
バナナ、白身魚の磯辺揚げ、煮込み饂飩。外出せず。昼寝。読書せず。ハンバーグ、肉まん。ビデオ見ず。何もしない一日。
18年 3月 9日 金曜
雨後曇。
肉まん。買い物。図書館。昼寝。小川哲著『ゲームの王国 上』読み始める。ソーセージ、カレーライス。ビデオ。『タモリ倶楽部』「なぜ6文字で正解できるのか!?クイズ王直伝!早押し虎の穴」現在週に15以上もあるクイズ番組。クイズ王と呼ばれる人は知識もさることながら問題を少し聞いただけで正解できる。そこには(秘)テクニックがあった!クイズ王が禁断のテクニックを伝授!『所さん!大変ですよ』ご長寿&ダイエット料理 お手軽レシピ続々登場。今年度紹介した料理の中から視聴者から反響が大きかったものを大公開。元気な100歳の食卓からヒントを得た「健康ご長寿料理」や栄養満点「ダイエット料理」。『モーガン・フリーマン 時空を超えて』時間を遡ることはできるのか?。アインシュタインが唱えた相対性理論によれば、現在・過去・未来という時間の区別は、単なる幻想に過ぎず、全ての時間は既に存在しているという。もし全ての時間が同時に存在するなら、未来をのぞくことが可能になる?一方、同じ物理学でも量子物理学の世界では、未来が過去に影響を及ぼす現象が見られるという。また、タイムトラベルを可能にしようと研究する科学者も。『スーパープレゼンテーション』未来を変えるテクノロジー。テクノロジーについてのプレゼンを2本。コンピュータ画像認識の最先端研究とは?/汚染された大気を吸い込む巨大掃除機。
18年 3月10日 土曜
曇後晴。
バナナ。外出せず。昼寝。昏々と眠る。読書『ゲームの王国 上』。エビフライ、肉じゃが。ビデオ。『のどじまんザ・ワールド』。
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