『週刊かすてら・愚か者の退屈な生涯』2017年第52号

17年11月26日 日曜

 晴。
 バナナ、鯵フライ、煮込み饂飩。買い物。図書館。『傭兵隊長』読了。著者の死後、原稿が発見されたジョルジュ・ペレック最初期作品。中編くらいの長さ。主人公は美術品の贋作作家。自己同一性の問題を扱うには都合の良い設定だが、案の定と言うか、主人公は自分が何者であるかを見失い、行き詰まりからの解放を願って雇い主を殺す。勿論何の解決にも成らず以後も苦しみ続ける。主人公がもがく中で、自己同一性の他に、創造と模倣という表現上の問題も浮上する。小説は主人公の一人称部分と、対話形式の部分で構成されるが、いずれでも主人公は非常に饒舌である。話は冗長で繰り返しが多く諄い。饒舌な者は屡々何かを隠そうとしていると考えるのが定石である。「だってそんなに単純ではないんだよ」「それでどうなるというんだ」「今となっては分からない」「どうでもいい」対話部分では、こういう話を曖昧にする言葉を主人公は繰り返す。おそらく主人公には無意識に直視したくない物があり、話がそこに近付くと逸らそうとする。存在を認める事ができない。抑圧。フロイト。自己同一性と創造性の問題からは、逃れる事も直視する事もできず、主人公は苦しみ続ける。誰かの或いは何かの影ではない自分の本質的中核の如き物を求めながら、それがないという事が明らかに成るのを恐れているのかも知れない。中核は他者からの影響を排除した処にあるのではなく、寧ろ関係性の中にこそ在るのではなかろうか。なんて、言葉にして判った気になるのも危険なんだよな。カレン・ラッセル著『レモン畑の吸血鬼』読み始める。ビデオ。『目がテン』かがくの里大収穫祭SP(2)。春と秋のハチミツは味が違う!/秋の果実。『所さんお届けモノです!』天才キッズ発明品企画 第3弾。干した布団を簡単に裏返す装置/一人で自分の身長が測れる装置/腰痛の人でも腰を曲げずに靴下がはける装置。『ビートたけしのスポーツ大将』。見なくても良いかな。『美の巨人たち』ミレー「種をまく人」。

17年11月27日 月曜

 晴。
 バナナ、鯵フライ、蕎麦。外出せず。昼寝。読書『レモン畑の吸血鬼』。メンチカツ。『ETV特集』ペリーの告白〜元米国防長官・沖縄への旅。1994年から3年間、米国防長官を担ったペリー。北朝鮮核危機の実態や沖縄基地問題を巡るNHK単独インタビュー。大田昌秀元沖縄県知事との知られざる友情と葛藤、北朝鮮危機と密接にかかわった普天間返還交渉の実態、日米に横たわった不信の存在…。この夏には自ら沖縄を訪問。再び訪れた危機の時代に、どう向き合うべきか。『日曜美術館』漱石先生 この絵はお嫌いですか〜孤高の画家 木島櫻谷(このしまおうこく)。

17年11月28日 火曜

 曇時々晴れ。
 バナナ、鯵フライ、煮込み饂飩。買い物。昼寝。読書『レモン畑の吸血鬼』。ハンバーグ。ビデオ。『ヒャッキン』。

17年11月29日 水曜

 晴。
 バナナ、烏賊の磯辺揚げ、蕎麦。買い物。昼寝。『レモン畑の吸血鬼』読了。短編集。これもハッピーエンドがない。全ての作品で、主人公は強い抑圧下に在る。そして殆どの作品で、その葛藤は解決されず、破滅にも至らずに終わる。不条理系幻想文学はカフカに呪われているので、こういう閉塞感は仕方がないのか。不条理→予測不可能→思い通りに成らない→閉塞的恐怖という図式か。しかし現代米国文学特有の孤独病でもない。見る角度を少し変えると喜劇にもホラーにも成る奇妙な味わい。まあ、不条理は本来ナンセンスなので喜劇に通じるのは当然だが。その中で、明治期の日本を舞台にした「お国のための糸繰り」の結末はグロテスクではあるが解放の予感が在って、救いのある読後感。「帰還兵」は、主人公の中年女性マッサージ師がトラウマを負ったイラク帰還兵を癒そうとする話だが、言葉を介さずに「手が身体と直接会話する」感じが描写されていて面白い。ソーセージ、肉まん。ビデオ。『カラオケ★バトル』。『ダーウィンが来た!』2週連続ネコ大特集!(1)男はつらいよ/(2)荒ぶるオスの真実。

17年11月30日 木曜

 雨。
 バナナ、烏賊の磯辺揚げ、煮込み饂飩。外出せず。昼寝。ヘスス・カラスコ著『太陽と痛み』読了。長編。スペインの作家。筋立ては、逃亡劇+サバイバル+少年と老人の交流。特徴の一つとして、年代が良く判らない。オートバイが登場するので、今から百年以内であろうと予想は付くがそのどの辺りかは全く判らない。地域もよく判らない。話題と成る地名や気候風土からスペインかその周辺であろうと思われるが、はっきりとは示されない。固有名詞が全く出て来ない。特に人物の名前が判らない。文中では、少年、ヤギ飼い、警官、などと表される。少年が何故これほど執拗に追われるのかや、老人がどうして少年が追われていると察したのかなど、物語の重要な謎が明かされない。神話の茫漠とした象徴性や普遍性と、神は細部に宿る小説との融合を試みた物らしく、それはある程度成功していると思われる。苦痛に満ちた小説である。それも抽象的理念的な物でなく、ほぼ肉体的な苦痛。特に印象に残るのはひり付く渇きと攻撃的な日射し。干魃に依って乾ききった台地を、少年と老人は追っ手を逃れてさ迷う。犬、ヤギ、ロバなどの家畜が活き活きと描かれているのが俺には面白かった。鯵の開き、鯖の干物。ビデオ。『THE 世界遺産』皇妃エリザベートと2つの都 エリザベートが嫁いだ街ウィーンの絢爛豪華なホーフブルク王宮と、「ドナウの真珠」と称えられるブダペストの美しい街並み 孤独なプリンセス/プリンセスが愛した街。『NHKスペシャル』ドラマ 龍馬 最後の30日。今年新たに発見された龍馬暗殺5日前の手紙を手がかりに、大胆な仮説に基づき、理想の新国家極秘構想に賭けた「龍馬最後の30日」を描くドラマ。『美の壺・選』北海道の駅。

17年12月 1日 金曜

 曇。
 バナナ、烏賊の磯辺揚げ、煮込み饂飩。図書館。昼寝。アーサー・ランサム著『オオバンクラブ物語 上』読み始める。豚肉の生姜焼き。ビデオ。『そこんトコロ』東急ハンズで突撃取材!「あなたはソレを買って何をつくるんですか?」電子レンジで焼き芋/粘土細工の要領で簡単に銀のアクセサリー/檜のかんなくずを材料に夫への手作り結婚記念プレゼント!▼開かずの蔵を開けろ!東京ドーム3個分の敷地を誇る豪農の蔵に眠るお宝▼突然仕事を休んで、逆向きの列車に乗りどこかへ行ってみませんか?大人気の「逆向き列車」企画。『タモリ倶楽部』プラレール山手線一周ツアー 後編。『サイエンスZERO』超リアル!? テクノロジー×アート最前線。スキャン・分析・出力の技術を使って、美術品を完全再現。失われた遺跡も復活させた。最新の映像抽出技術で、人物をリアルタイムに分身。特殊なレーザによって、空気をキャンパスに自在に絵が描ける。テクノロジー×アートの新たな可能性。『人間ってナンだ?超AI入門』第7回 恋愛する。

17年12月 2日 土曜

 晴。
 バナナ、烏賊の磯辺揚げ、煮込み饂飩。買い物。昼寝。『オオバンクラブ物語 上』読了。メンチカツ。ビデオ。『大河ファンタジー 精霊の守り人〜最終章〜』(2)カンバルの闇。『100分de名著』ラッセル“幸福論”第3回 バランスこそ幸福の条件。『ブラタモリ』#88 立山。
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