I 「映画監督の面白さは、人の人生を作品の中でつくれる事ですね。
映画って言うのは、いい作品ばっかりじゃないんですよ。黒沢明監督も、すごいいっぱい駄作はあったけど、その駄作があったからこそ
『七人の侍』とかの素晴らしい作品が生まれたんですよ。
よくハリウッド映画は素晴らしいみたいな事を言いますけど、ハリウッド映画の駄作って見た事あります?ものすっごい駄作なんです
よ(笑)でも名作の陰にたくさんの失敗作があるように、文化は失敗もなければ前に進めないんです。だから、僕は失敗を恐れていな
いし、失敗によって利口になれると思うんです。それに失敗を失敗だとを思っちゃったら、その失敗した事が全部無駄になっちゃうん
ですよね。
だから失敗して"あーっ"てなっちゃわないで、そこで何かを学び取ることで前に進めると思うんです。」
T 「そういえば、先程、河童の太鼓演奏がありましたけど。」
《この講演が始まる前に、石井監督の『河童』にちなんで、『河童』と言う名前の田主丸太鼓の方々が、この日の為にわざわざ福岡
(だったかよく覚えていない)からいらっしゃって、演奏していたのです。(別に『河童』の曲を太鼓で演奏したのではなく(どうや
ってするんじゃい!)、たまたまグループ名が『河童』なだけ)
でも、実は石井さんこの演奏聞いていないんです。ホントにギリギリに会場に着いたから…。楽屋で筑紫さんに演奏があったと聞いて石
井さん「えっ、この人達は河童の衣裳着てやったんですか?」とボケをかましておりました…。(それじゃあコントだよ(^^;))
ちなみに、この講演の最後に『河童』の方から半被をプレゼントされてました。ステージ上で半被を着た石井さんを見るとは思わなかっ
たわ…。でも、意外と違和感無かったりするのが怖い。》
T 「良く考えたら、河童ってものすごく曖昧な存在ですよね。こっちの村では神様の様な存在で あるのに、もう一方の村では、とんでもなく嫌な存在でいるし…。」
I 「その曖昧さってすごく日本人っぽいですよね。龍とかもそうだし…。西洋には絶対に無い考え方
ですよね。向こうは悪は絶対に悪だし、神は絶対に悪にはなり得ないじゃないですか。
なんかその曖昧さが、悪にもなれるし、いい存在にもなれるっていうのが架空の存在であるのに、すごく人間っぽいですよね。そこら辺
の存在の曖昧さがすごく日本人っぽいと言うか。」
T 「この日本人の曖昧さってどこから生まれたんだろう?なんで曖昧なのかな?」
I 「曖昧というか、なんかこう許してくれる?ような…。僕は実は落語が好きで(手を60cmぐらい開いて)ビデ オもこんなに持ってんですけど、それに共通するものがあるような…。なんか人間の良いところも悪いところもひっくるめて「お前、そ れでいいんだよぉー」っていう感じの、全部包んでくれるような所があると思うんです。」
(その後、どういう流れか忘れたけどライブの話になって)
T 「昨日はライブがありまして見させてもっらったんですけども…」
(そう!筑紫さんはこの講演の前日に大分市で行われたTRANSのライブに行ったのでした!!私も筑紫さんを会場で見ました!
かなり浮いてたのですぐに分かってしまうんですよねー《笑》いくらこの日の為とはいえ、ライブに行くなんて、かなり偉いぞ!筑紫さ
ん!!しかし彼も踊ったのか!?)
I 「…(石井さん、ちょっと恥ずかしそう)。ものすごいライブでしたね。」
T 「ステージ上では名前が違うんですよね?確か…」
I 「あのー(石井さんとっっても言いにくそう…)、石井ビュウティーっていうんですけど…。」
T 「なぜそういう名前にしたんですか?」
I 「いや、いつまでも美しくいたいって。こういう人前に出る時って、僕はいつも化粧してるんです
けど、男も、もうそろそろ美しくなっていい時期なんじゃないかと…。
それとカールスモーキー石井ってのは、米米の中だけのものだし、本名で『石井竜也!』って呼ばれるのも、なんかお袋から呼ばれてる
みたいで・・(笑)」
T 「しかし昨日のコンサ−トはびっくりしました。皆踊ってるしね…。こっちも踊らなきゃなら
ないような雰囲気で…(笑)
僕は何かこう石井さんが教祖になってて、『幸せ教』というか(笑)皆を幸せにするようなものを与えてるように感じたんですけども…。」
I 「なんですか(笑)そりゃ。しかも、『幸せ教』って…、なんかホントにありそうな名前じゃない ですか(笑)別に力を与えてるって感じはないですよ。」
T 「いや、でも僕は非常にカリスマ性を感じて…。驚いたんですけど、今まであんなに盛り上が ってたのに石井さんが『バイバイ』って言ったら、皆、サーっと帰ってしまって…。この人達は石井さんの言う事なんでも聞いちゃうん じゃないだろうかって(笑)」
I 「ホント、従順ですよね(笑)あれが大阪だと、俺達が出てくるのずーっと待ってんですよ(笑) 俺達が出てくるまで、ずーっとアンコールしてる(笑)」
T 「やっぱり東京でするのと、地方でするのって違います?」
I 「違いますよ。その土地ごとのノリがあります。東北のノリがあるし、関西のノリ、九州のノリが
ありますね。
東京はどっか見てる目がクールなんですよ。かえって、いろんなイベントが身近にあり過ぎて、色んなもん見ちゃってるから、『ほら、
やってみろよ』ってのが強い感じがしますね(笑)
九州とかって、すごっく温かいです。こっちの流れにすごく乗ってきてくれる。反対に大阪とかの関西は、物すっごく参加意識が強いん
ですよ。こっちの流れについていこうとするというより、自分達で流れを作ちゃう(笑)で、各ポイントにスターがいるんですよ(笑)
2階なら2階に、3階なら3階に、1階でも前とか後ろに必ず何人かスターがいてですね、客席側とステージ側でノリが合わさってすごく
なる(笑)。」
T 「こういうツアーとかやってると、東京と地方って空気とか違いません?」
I 「(大きく頷いて)そうなんですよ!皆さん普段から、こんなに自然の中に住んでるから気付かな
いでしょうけど、ほんと違うんですよ!日常であんまり気付かないんですけど、やっぱり地方とかに着くと、全然空気違うんですよねー。
空気がうまいんですよぉ!普段、よっぽど悪い空気吸ってんでしょうね(笑)でも、ここは空気も水もうまいでしょう?
で、さっきから不思議だったんですけど、そういうとこなのに(2人の対談の席の真ん中にあるミネラルウォーターを掴んで)こんなも
んが何であるんでしょう?(笑)」
T 「僕もそう思ってました(笑)」
つづく・・・