北炭清水沢火力発電所と清湖町




平成18年5月の北炭清水沢火力発電所



清水沢から東に向かってしばらく行くとあるのが清水沢ダム。このダムも北炭が建設したもので昭和15年に竣工しました。堰堤の部分が道路になっていて渡ることができます。平成6年から所有者は北海道企業局となりました。



写真はその堰堤から眺めることができる平成15年5月の発電所。大正15年に建設された発電所は北炭真谷地鉱閉山に伴い大半の使命を終え、平成2年に廃止されました。平成8年より解体が進みます。ものものしい外観は健在ですが立ち並んだ煙突とベルトコンベアの斜路は撤去されています。かつて前知識なしに三菱石炭鉱業鉄道で清水沢から南大夕張に向かった際に突然現れた発電所に戦慄を覚えたことは今も深く記憶に残っています。



宮前町の市街地の中に唐突に「北海道炭鉱汽船株式会社電力所」と書かれた門構えが現れます。



平成18年10月最後の解体工事が行われる中の発電所。この建物は現在も利用されているため残っています。



煙突がぽつんと残る風景が何か寂しい。



トップの写真とほぼ同位置から見た平成19年5月時点の発電所。昨年の状況からはほとんど変わりはないものの平成18年5月時点と比較するとその大半が解体されてしまったことがわかります。



周辺の施設は荒れ果てたまま残っているものが多数。



平成20年10月には設備機器の類を解体中でした。



清水沢ダムからさらにその先に進んでいくとあるのが清湖公園。かつては子供たちが遊んだであろう湖に程近い公園には錆び付いた遊具が並びます。



公園の一角にあるのがかつての風間健介写真館。家の中には炭鉱を題材にした写真が壁一面に貼られていました。本人は東京へ移りましたがそんな風間さんの写真は「そらち炭鉱遺産散歩」や「写真集夕張」にて見ることができます。現在は窓も破れ荒れ果てた姿になっています。



清湖町にもかつてはたくさんの炭鉱住宅が立ち並びましたが今は大半が荒野に還り、わずかに数軒の住宅のみが残ります。何もない場所ですがなんとなく暖かみがある風景で少し前の大夕張の風景と似ている印象を受けました。



北海道旅情報巻頭  3-1.炭鉱を旅する
北炭清水沢火力発電所と清湖町