一瞬の幻影・ゴールドラッシュ


明治期に北海道では一大ゴールドラッシュがありました。 多くの人が夢を見て金を探しまわり、山奥に大きな集落が形成されました。 鉱山は自然の摂理として有限なため現在そんな集落は全く残っていません。 しかしながら現在、砂金公園として整備され体験砂金取りができる場所もありますし、わずかながら昔の遺構を残す場所もあります。

■浜頓別ウソタン砂金採掘公園

日本で最も大きな金の原石が見つかった場所として有名です。 ゴールドラッシュもここウソタン砂金地が本場であったとか。 今も林道を溯った所には金山神社があったりします。 しかしながら一般的には道路は荒れ、熊の危険があるためウソタン砂金採掘公園で体験採掘をするのみにしておきましょう。

道内では初めて出来た砂金採掘公園で川に入って砂をすくいその中から砂金を見つけ出します。 一回やって見つかるのはほんのわずかなのですがそれでも結構楽しいです。 自分で見つけた砂金はアクセサリーにして持ち帰ることができます。

浜頓別町はこのウソタン砂金地を歴史として残すため砂金博物館を構想中です。 まだできるのは先かとは思いますが期待して待っていましょう。

■鴻ノ舞金山

鴻ノ舞金山は浜頓別と比べ開発の時期は遅く発見されたのも大正期になります。 本格的採掘は昭和期に入ってからで日本有数の金山として名をはせました。 現住友金属鉱山によって採掘は進められ今でも事務所が沈殿池の近くにありました。 多分、沈殿池の維持を現在も続けているのかと思います。

日本有数の金山であったので当然大集落が鴻ノ舞には形成されました。 しかしながらその様子は現在からはとても想像できません。 私が行った時、目に付いた構造物はわずかしかありませんでした。 巨大な沈殿池を道から見上げたり、慰霊碑がぽつんとたっていたり、昔ここは何町であったかとの案内板がたっていたりと最近取り付けたものはちょこちょこ目に入ります。 しかしながら昔からの構造物としては川岸の壁だけになった鉱員住宅だけでした。 その鉱員住宅は林と同化しなぜかとても美しかったのを覚えています。

鴻ノ舞の道路を車で走っていても行き交う車は本当にほとんどありません。 ここをわざわざ通らなくても便利な道がいくらでもあるのでしかたがないのですが一層さみしさをかきたてます。 山の木々が空の暗さとあいまってとても不気味に思えました。 私がこの鴻ノ舞を出る時、雨が降り始めたのを今でも覚えています。

鴻ノ舞金山工員住宅 鴻ノ舞金山工員住宅2 鴻ノ舞金山
鴻ノ舞金山住友 住友金属鉱山鴻ノ舞砕石所 鴻ノ舞金山神社階段

北海道旅情報巻頭  3-1.炭鉱町を旅する
一瞬の幻影・ゴールドラッシュ