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スイスの写真

シャフハウゼン編その一

 スイス東北部、ドイツと国境を接する町、シャフハウゼンはラインの滝の為に、船を乗り換え積み荷を乗り換えさせることで栄えた町です。
 船宿と倉庫が川沿いに並び、それらが落とす通行税が町の基盤を作ったと言えるようです。
 その意味で、ラインの滝はライン川を行き来する交易にとって大きな意味をもっていたのです。
 ゲーテがその姿を詠い、多くの芸術家にインスピレーションを与えたその滝は、ヨーロッパの歴史においても数々の役割を果たしたのです。
 ユーゴ空爆で、誤爆が騒がれていますが、第二次大戦で、ライン川を挟んで国境が入り組んでいるこの地方も数多くの誤爆による被害を被り、多くの文化遺産が瓦礫となってしまったそうです。

 写真左の聖ヨハネ教会は、サン=サーンスも弾いたことのあるオルガンがあり、そのことは音楽紀行のページでも触れてありますが、見所は万聖教会のほうであります。

 万聖教会(写真右)は博物館も併設されていて、このシャフハウゼンの町の由来も、また先史時代の出土品から修道院の所蔵品であった数々の写本に絵画、町の産業史などなど、あまりの展示の多さに、全部回ると相当くたびれてしまいます。
 なかなか壮大な博物館といえるようで、パンフレットなどを貰って、よく検討してからまわられることをお勧めします。
 私はこの後二時間ほどの大休憩をビールとともにとりました。

 中庭には、シラーが「鐘のバラード」という詩に詠んだという一部が欠けた大きな鐘が置かれてあります。
 これを見て、昔モスクワに行ったとき、クレムリンの中庭で見た、とてつもなく大きく、そして大きすぎたが故に割れてしまった鐘を思い出していました。
 鐘のバラードは私は読んでいませんので、偉そうなことは言えませんが、多くの音楽の中に鐘の音がそのモチーフとして使われていることを思い起こすなら、これらの鐘が芸術家にインスピレーションを与えた事は容易に想像できます。
 ラフマニノフの有名なピアノ協奏曲第二番の開始部などは鐘以外の何物でもありませんよねぇ。

 花々が咲く中庭を歩いて行くとその鐘に出会えます。

 緑の木々と古い回廊の取り合わせが実に良い雰囲気を醸し出していますし、そう観光客が多くくるところでもないようで、町の真ん中にありながら実に静かでのんびりするのに打ってつけの空間を提供してくれているようでした。

 静かな、静かな回廊は、ロマネスク調の柱でありますが、そう古いものではなさそうでした。
 しかしこの美しい光と影の映像は、静寂とともに深く心に入り込んでくるような印象を受けました。
 一〇四九年の建立だそうですが、古いバジリカ様式(どんなものか全然わかりませんが)を幾分保ってはいるものの、度々の改修で、もとの雰囲気はほとんど無くなったとエリア・ガイドには書かれています。
 ベネディクト派の修道院だったそうですが、今はプロテスタントの教会になっているそうです。
 ちょっと素っ気ないような気もしますが、みなさんはいかがでしょうか?
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