The Other Side of Myself
15th May, 2000
自動筆記を始めたのは小学校5年生の時だった。寝る前に思いついたことを書き綴るのだが、
ほとんどが恋に始まり恋に終わる記述だった。ゆえにわたしは自分を恋愛至上主義者だと思う。
しかし、恋愛至上主義はその信条が単純なだけに挫折しやすい。
第一に、恋愛は頭だけでするものではない。
だから恋愛至上主義者は当初、頭と体の分離にいつも悩んでいる。
たとえそれを克服しても恋の命は短いので創意工夫が必要なのだが、それは恋愛至上主義者に
向かない。創意工夫できるくらい器用ならとっくに主義を曲げている。
しかも、人間は体が大きくなるように精神的にも成長する。
目も肥え、痛い目にあえば学習もする。その結果、主義のための合理化が間に合わなくなる。
さらに致命的なことに、恋愛至上主義者も年をとる。
年をとると頑固になり、実際の状態より信念が優先してしまったりする。
結局、客観的かつ現実的でありながら恋愛至上主義者でいるのはむずかしい。
それゆえ、看板を下ろしてこっそり地下活動するのが妥当なのかもしれない。
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