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マニアック観光 <Maniac目次へ>
ジーザ <Ziza>
グリエルモ1世が手がけた離宮。”悪王”と呼ばれた彼の時代の建築物は少ない。
建物の裏手に管理事務所があり、そちらで入場券を買う。
この管理事務所には、5、6人の男たちが、事務所の外や中でうろうろしていた。見学に来た観光客でもなければ、工事か何かの作業に来た人たちでもなさそう。
事務所に向かって行くと、顔の険しい感じの男たちがこっちをジロジロ見てる。私が近づくと、外でたばこを吸っていた男が私の方を指しながら中の方に何か声をかけた。何となく怖い感じ。
私がチケットを買うと、この男が建物の入り口を示してくれた。何、ここの職員なの?
建物の中に入ってわかったのだけれど、ここは贅沢な人員配置がなされている所だった。
大した展示品があるわけじゃなく、訪れる人もほとんどいないというのに、美術館並に職員が配置されているのだ。まあ、階段の位置がわからなくて困っていると、親切にそこまで連れて行ってくれたりして助かったけれど。
何だか、失業者対策の施設という感じなのである。
それはともかく、建物の内部はかなり整備がされていた。
大理石の柱、モザイクの床、壁画など、ノルマン期の独特の装飾がかなり残っていた。1972年の修復工事の際に発見された壺なども展示されている。廃墟同然のクーバに比べると見所はたくさんある。
おもしろかったのは、二階の床下にある排水溝の跡。床にガラスの板が貼り、照明を当てて排水溝の構造を見せる工夫がされていた。
グリエルモ2世の頃には、中に噴水まであったという。さぞかし豪華な宮殿だったのだろう。
パレルモを訪れたゲーテ大先生も、このジーザを見学している。あまりノルマン期の遺構に興味を示さなかったゲーテ大先生も、この建物については絶賛していた。もっとも、彼はアラブ人が建てたと思っていた節があるのだが。
ジーザの隣には、小さな教会があった。
色あせてはいるが、昔は赤かっただろう円いドームが付いている。名前もよくわからなかったけれど、パレルモらしい建築物だった。
なかなかいい。ちょっとした収穫だった。
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