民事訴訟通達管理センター→石原総合事務所

■ペンネーム「ビビッタよー」さんからの投稿です。

 本当にこういう詐欺が早くなくなってほしいものでね。
 まさか自分がと思っていましたが、訴訟最終通告書、訴訟番号(イ)408615−32号なる文字にもう頭が真っ白になってしまったというのが事実ですね。お恥ずかしいですが。
 確かに、''万が一、身に覚えがない場合、早急にご連絡ください。''とか''裁判取り下げ最終期日本書到達後3営業日以内''とあり、後から見れば裁判所がこんなアバウトなことを書くわけないからおかしいと思うますが、そのときになって冷静に判断することが出きるかどうかだと思います。
 そこで私もあわてて民事訴訟通達管理センター東京都中野区東中野4−19−8
 03−3360−1332に電話しちゃいました。そのやり取りは、以下のとおりです。
 
私 :もしもし母宛てに葉書がきて電話したんですが、訴訟番号xxxです。
石川氏 :お名前と住所と電話を教えていてください。
私 :はいxxxxxxxxx
石川氏 :本人に代わってください。
私 :私でお願いします。
石川氏 :あなたが代理人ということで、本人からの確認がほしいですね。
私 :じゃあ母にかわります。
母 :代理人ということでお願いします。
石川氏 :わかりました。今後は、代理人とのやりとりに致します。
 訴訟内容は、以前購入された電動マッサージ器の代金76万3500円が未納になっておりますが。
私 :ええー。まったく、身に覚えないないです。
石川氏 :こういう場合、あなたが裁判に出廷しないと100%原告の言い分が通ります。ですから、この葉書に気付かずに裁判に欠席してお金を請求される件数がこれまで6件ほどあります。
 そこでまず、この裁判を取り下げなくてはなりません。国選の弁護士なら国から費用をいただいているのでお金が発生しませんからこれからいうところに電話してください。Yの紹介ということで、2,3分後に電話してください。詳細は、先方にFAXで送っておきます。メモの用意は、いいですか。
 03−5428−5653石原総合事務所です。
私 :はい。わかりました。
 
 ガチャン。
 
 早速石原総合事務所へ電話する。
 
私 :もしもし民事訴訟通達管理センターの石川さんの紹介で電話したのですが。
本田氏 :はい、今までに民事訴訟のご経験はございますでしょうか。
私 :ないです。
本田氏 :では、簡単にご説明いたします。・・・・・・
 特に気を付けなければならないのは、訴訟の内容等を第三者に言ってはならないということです。ここが刑事とは違うところです。もし他人に漏らしたことがわかるとその時点で法に違反しますので気をつけてください。これは守ってください。
 そこで今回は、請求書が裁判所に受理されてしまっております。
私 :そんなもの買ってませんが。
本田氏 :うーん多分偽造した請求書と思われますが、こういう詐欺が最近多発しているんですよ。
 裁判所が受理してしまってますから、こちらがいくら買ってないといってもみずかけ論になってしまい、物的証拠を持っている原告のほうが強いと言わざるを得ません。
 そこで回避する方法として裁判が始まる前に取り下げてもらうことです。それには2つ用意するものがあります。1つは、意思表示を示すもの。2つめは、xxx金(良く聞き取れなかったのですがキョウタク金もしくはキョウサク金?)
 1つめの意思表示とは、物を購入していないことを示すもので、それは、こちらで用意します。そこであなたには、2つめのxxx金を用意していただかなくてはなりません。これは原告が物的なものを持っている以上こちらも物的なものを用意する必要があるからです。お金がないから実際に購入してもしていないように装っているんじゃないかという疑いを払拭しなければならないからです。お金は、請求金額の76万3千5百円を振り込んでください。このお金は、後日すべて返還いたします。
私 :何時頃までですか。
本田氏 :今日中。です。というのは、原告は、裁判を早めてくる可能性があるからです。もしこのまま裁判をすると、言葉どうしのやりとりをしても物的なものをもっている原告が勝つのは目にみえています。
 ですから、できるだけはやく用意してください。それからこれらのことは他人話してはいけません。最近の詐欺は、監視員みたいなものを張り巡らせて、もしばれるとそこで法律違反となり払わされることになります。
 もしそうなれば裁判費用を含め2百万ぐらい請求されるおそれがあります。ですから、気をつけてください。お金は出きるだけ早く。
私 :わかりました。とりあえず用意致します。
 
 電話切る。
 
 あれっ今日の何時までかなと思い再度電話する。
 
私 :本田さんお願いします。
山口氏 :本田先生は今電話中なので私がお受け致します。用件は聞いております
私 :今日の何時ごろまでに用意すればいいのでしょうか。
山口氏 :今日の1時まで。
私 :あと1時間か。わかりました。
山口氏 :次の口座に振り込んでくだい。りそな銀行難波支店xxxxxxxアブラダトモコです。
私 :はい。わかりました。
 
 ガチャン。
 
 こんな具合でした。でも振り込み先が個人名というのがおかしいと思い、なんとか難をのがれましたが、電話でやりとりした時点では詐欺には気付きませんでした。一刻も早く摘発していただきたきたいものです。

■「ビビッタよー」さんには、ブログにコメントを投稿していただいたのを、私が無理を言って、より詳しいものをこちらに再投稿していただきました。お手数をおかけして、すみませんでした。ありがとうございました!
 
 実は、投稿文の途中が少しばかり文字化けしているんですが、最近当サイトでも架空請求ハガキの投稿やコメントが増えているのに加えて、「「振り込め」はがき急増 福岡市消費生活センター 今月700件の相談」なんて新聞記事まで見つけてしまったので、見切り発車で繰上げ掲載することにいたしました。「ビビッタよー」さん、また時間のある時にでも、該当箇所を教えてくださいね。
(「ビビッタよー」さんが文字化け箇所をメールして下さいましたので、投稿文に付け加えておきました。(2006.2.6))
 
 上記の新聞記事ですが、「ビビッタよー」さんの投稿と共通した情報が記載されていましたので、以下に引用いたします。強調効果は私が追加しました。

「振り込め」はがき急増 福岡市消費生活センター 今月700件の相談
 
 「民事提訴されている。連絡を」と書かれたはがきが今年に入って福岡都市圏などの家庭に郵送され、福岡市消費生活センターに寄せられた相談だけでも七百件を超えていることが、二十七日分かった。福岡市東区では、はがきの連絡先に電話をした主婦(64)が、訴訟取り下げ費として約二百九十万円をだまし取られており、福岡東署が詐欺事件として捜査中。同センターは「振り込め詐欺を狙ったもの」として、注意を呼び掛けている。
 
 同署などによると、はがきは差出人が「民事訴訟通達管理センター」とあり、「通信販売の未納金で提訴されている。裁判所に出廷することになる」と虚偽情報を記入。「身に覚えがない場合連絡を」と、記載の電話番号に連絡するよう仕向けていた。
 
 主婦が電話をすると、弁護士を名乗る男二人が「訴訟を取り下げさせるには供託金が必要」などと説明。主婦は二十三、二十四日の両日で計三回銀行口座に入金。追加の催促電話もあり、言われるままに振り込んだ。主婦は「『年金や家財道具すべて差し押さえられる』と言われ、動転した」と話しているという。
 
 同署管内では、同じはがきによる被害が他にも三件(総額百九十万円)発生。粕屋署など県内複数の署にも同様の相談が多数寄せられている。
 
 福岡県消費生活センターにも今月十六日から五日間で、同じ内容のはがきに関する相談など二百件以上が寄せられたという。福岡市消費生活センターは「受取人が電話するよう仕向けるなど、手口が巧妙」と指摘。「はがきが届いても電話しないように。警察署などに相談を」と呼びかけている。
(西日本新聞) - 1月28日2時15分更新

 こうやって文字で読むと、冷静にもなれますが、電話口ですらすらと御託を並べ立てられたら、普通は動揺します。
 一度動揺したら、その分だけ判断力が鈍ります。そうしている間も、ヤツらは入念に用意した台本を、立て板に水のごとく読み上げるわけですから、動揺は収まるどころか、どんどん雪だるま式に膨れ上がって・・・。
 
 いや、本当に気が付いてよかったですね、「ビビッタよー」さん。ギリギリのところで踏みとどまれたのは、素晴らしいと思います。
 
■それにしても、電話口では多大な威力を発揮する「入念に用意した台本」、こうやって白日の下にさらしてみると・・・ツッコミ所が沢山です。
 
 とりあえず、訴訟を起こされているのに本人に裁判所から連絡が無い、というトコロはこの際スルーすることにして、
 
 国選弁護士は、刑事事件の場合の話ですから。
 
 訴訟の内容等を第三者に言うのは、民事では法律違反・・・って・・・あの・・・弁護士に相談することもできないんでしょうか・・・なんか、スッゴク自己矛盾してません?(笑)
 誰に相談することもないまま、最後まで騙されて欲しいのはわかりますが、自らの存在意義まで否定してはいけませんよ、本田さん。
 
 裁判所が請求書を受け取ったってことは、裁判所が支払ってくれるのかな?(笑)
 偽造した請求書も受け取ってくれるんですね。架空請求しているヒマがあったら、裁判所から色々巻き上げた方がお得のような気がします。
 
 意思表示だの供託金だのは、詐欺師理論が意味不明なのでパスします。
「お金がないから実際に購入してもしていないように装っているんじゃないかという疑いを払拭」って、冷静に考えると「なんでやねん」な理由ですが、「ビビッタよー」さんのコメントによると、振り込んだお金はすぐ払い戻す、と相手が言ったとのこと。なかなかどうして、上手く考えてあります。
 そもそもが「詐欺」なんだから、無理があってあたりまえなわけで、それを差っ引いたらかなりデキのいい「騙し文句」なんじゃないでしょうか。西日本新聞の記事でも、判明しているだけで4件、総額百九十万円の被害が出ているそうですし。
 
 本当に、架空請求の相手に電話をするのはご法度ですね。皆さん、周知徹底をよろしくお願いします。
 
■もしもうっかり電話をかけてしまい、金銭的な被害をこうむった場合は、ためらわずに警察に通報、被害届けを出してください。
 
 すんでのところで騙されずにすんだ場合は、先ずは振込先の銀行に通報して口座を止めさせ、警察に通報。
 あと、相手が弁護士を名乗っていたら、弁護士会にもチクってやりましょう。弁護士を騙る相手には、容赦無い追求が待っているらしいですから。
 
■当サイトに寄せられた、架空請求ネタの記事の一覧は、「体験談総目次 不当請求・架空請求」にあります。ご参考にどうぞ。
 
 また、架空請求ハガキの名称を並べてみました。「架空請求ハガキ考」でそのバカさ加減を堪能してくださいね。

(2006.1.30)