シツコイ先物取引勧誘員

■ペンネーム「踊る受付嬢」さんからの投稿です。

 会社で代表番号を取っている「踊る受付嬢」といいます。勧誘員から社内の人へかかってくる電話をどう阻んで撃退するかが迷惑電話へのわたしの役割になります。
 
 わたしのブラックリストのトップ3に入っている会社に「Cムテックス」という先物取引の会社があります。次から次へと勧誘員を代えて、社内の人へも社長から係長までいろんな役職の人にかかってきます。
 大半の勧誘員がまともに社名も用件も、当然連絡先も言おうとしません。あまりに勧誘がしつこくなってきたので、この会社をネットで検索し連絡先を調べて勧誘電話を断る旨の文書を送りました。これで特商法17条(再勧誘の禁止)はわたしの味方です(笑)
 
 しかしそれ以降も電話は続きます。勧誘を断る連絡をしていることを告げると、あっさり引く勧誘員もいましたが、中には会社名さえごまかせばいいと思うのか、「コームテッコウです」と、偽名かとも思うような名乗り方をする勧誘員もいます。
 
 非常識な勧誘員が多いなと思っていましたが、とうとうこんなのまで現れました(笑)
 電話をかけてきたのは30そこそこと思われる男性です。
 ちなみにウチの会社では迷惑電話対策の一環として会話を録音していますので、下のやりとりはかなり正確です。
 
C 「常務様いらっしゃいますか」
私 「常務でございますか。恐れ入りますがどちら様でしょうか」
C 「CムテックスのIといいます」
 
 うわ、またこの会社だ。断っても断ってもかけてくるよな、と内心うんざりしながら、迷惑電話対応基本パターンであるしつこい質問をすることにしました。
 
私 「恐れ入りますがどういったご用件でしょうか」
C 「営業のほうでお電話いたしました」
私 「営業のご案内ということでございますね」
C 「はい」
私 「失礼ですがCムテックス様はどういったものをお取り扱いでいらっしゃいますか」
C 「え、なんでですか」
 
 なぜ言いたがらない。そんなにやましいのか?
 
私 「詳しくご用件を承るようになっておりますので」
C 「あー、常務さんの場合ですか」
私 「会社にいただいたお電話にはお聞きするようになっております」
C 「あー、ちなみに常務様はいらっしゃいますか」
私 「在席の確認をする前にご用件をお願いします」
C 「経済講演会のご案内をしております」
 
 ここの会社は用件を聞くとほとんどの勧誘員があいまいなことを言ってごまかそうとし、さらにつっこむと「経済講演会の案内」と答えます。そんなにひんぱんに講演会が行われているんでしょうか? は、もしや勧誘員が投資の説明をすることが「講演会」なのか?
 
 一旦保留にして常務に確認するふりをし、頭を撃退モードに切り換えです。
 
私 「お待たせいたしました。Cムテックス様からは以前から何度も投資のご案内を頂戴しておりまして、そちら様の会社へ勧誘の電話をお断りするご連絡をしております。お聞きではございませんでしょうか」
C 「え、え、常務様がですか」
私 「当社からご連絡しております」
C 「え、ちなみに常務様は」
私 「おりません」
C 「いない?」
私 「はい。繰り返しになりますがCムテックス様へは勧誘のお電話をご遠慮願いたい旨の断りのご連絡をしております」
C 「あのね、わたしがお聞きしていることには」
 
 このあたり会話がループです。勧誘員にくどく勧誘断りの連絡をしていることを告げます。
 
C 「だから常務様個人からではないですよね」
私 「そちら様の会社へお断りの連絡をすでに差し上げております」
C 「投資どうこうじゃありませんので」
私 「何度も投資のご案内ということでお電話を頂戴しています」
C 「あー、ウチの人間がですか」
私 「はい」
C 「常務さんあてにですかね」 
私 「当社の社員に何度も連絡を頂戴しています」
C 「常務さんあてには?」
私 「何度も頂戴しております」
C 「あー、いまご不在なんですか」
 
 わざと話をずらすような会話の運びかたをする人です。彼のテクニックでしょうか?
 少々イラだってきたので奥の手を出すことにしました。
 
私 「失礼ですけれど、特定商取引法17条に違反しておりませんか」
C 「(一瞬つまった後、声を張りあげて)はあ? わたしが質問していることにはまったく答えていないですよね。いなければいないでいいんですけどね」
私 「わたしの言っていることはお聞きですか。勧誘のお電話はお断りしていると申し上げております」
C 「勧誘じゃなければいいんでしょ」
 
 おお、見事に居直りました。先物取引の会社が勧誘以外でなんの目的があるというんでしょうか。
 
C 「別件があったもんですからね。いつもですね、会社名も聞かれるからわざわざ言ってるんですけど、別件でお電話したかったんです」
 
 どういう脈略なのかは不明ですが、名前を名乗るのは電話をかけるときの基本中の基本のはず。なにをいばっているのかよくわかりません。
 
 勧誘員の日本語もたいがい崩れてきたようです。もういいでしょう、引導を渡すことにしました。
 
私 「失礼ですけれど、Cムテックス様からのお電話をお取り次ぎすることはできません」
C 「あぁ、そうですか」
 
 最後はふてくされたように吐き捨ててのガチャ切りでした。
 
 どうにかして目的の人物に取り次がせようと、ああだこうだ言う勧誘員が本当に多いです。もっとまともな勧誘員教育をして欲しいものです。
 
 勧誘員へ最後に一言。
「わたしが受付にいるかぎり、わたし以外の声を聞くことはできませんから」(笑)

■踊る受付嬢さんから、二回目の投稿です。いつもありがとうございます!
 
■・・・ああ。・・・受付嬢といったら「会社の顔」ですからね・・・。どんなにムカついてもブチ切れるわけにいきませんよね・・・。なんて忍耐力。頭が下がる思いです。
 詳しい記録をありがとうございました。
 
■「わざと話をずらすような会話の運びかた」は、テクニックというよりも、「なんとかして敵の言葉尻を捕らえて喰らいつこうとあがきながら、電話を引き延ばしている」往生際の悪さの賜物のような気がします。
 ちょっと突っ込まれたぐらいで、ボロボロと言葉遣いが怪しくなってくるあたり、そんな高度な技を持ち合わせているようには思えません・・・。
 お客(それも会社役員)をつかまえて「いなければいないでいい」って、どうよ。
 
「常務様いらっしゃいますか」
「あー、常務さんの場合ですか」
「あー、ちなみに常務様はいらっしゃいますか」
「え、え、常務様がですか」
「え、ちなみに常務様は」
「だから常務様個人からではないですよね」
「常務さんあてにですかね」
 
 常務常務うるさいんじゃあ!ヽ(`Д´)ノ
 
 ・・・私に受付嬢は無理みたいです・・・。

(2006.1.11)
(参考)
この他の、踊る受付嬢さんの投稿は以下の通りです。
逃げも隠れもいたしません!

■・・・ワタクシ、またしても大ポカをやらかしてしまいました。訂正を兼ねて、「たもぎた」さんからの投稿を至急追記します。

 ご無沙汰してます。いつもROMだけはさせていただいています。
 
 前回と同じく特商法関連の指摘です。1月11日の「特商法無視の先物取引勧誘員」(踊る受付譲さんのご投稿)ですが、先物取引も特商法の指定商品・指定役務等に含まれておりません。
 
「商品取引所法(第214条)」および「海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律」で、「拒絶の意思表示をした人に再勧誘すること、迷惑を覚えるような時間・仕方で勧誘すること、必ず儲かるなどと断定的な判断を提供して勧誘すること」などが禁止されています。
 
 商品やサービスなどによって規制される法律が違い、面倒くさいですが、そのあたり詳しい勧誘員ですと、「特商法」だけで対応しようとすると揚げ足をとられかねないので、お気をつけください。

またやってしまったああぁ! 
 またしても、指定商品をチェックするのを忘れていました・・・。
 
 特商法が適用される「指定商品・指定権利・指定役務」ですが、ついつい「あんなに沢山指定されているんだから大丈夫だろう」とたかをくくってしまう傾向が私にあるみたいです。正直、今回も指定商品かどうかはあまり気にしていませんでした・・・。
 
 はい、先物取引に特商法の規定は適用されません。たもぎたさん、本当にご指摘ありがとうございます! 感謝、感謝です。
#いいかげん、学習しろよ>自分。
 
 というわけで、このページのタイトルですが、「特商法無視の先物取引勧誘員」というのは間違いを含んでいるので、勝手ながら「シツコイ先物取引勧誘員」に変更いたします。失礼いたしました。
 
■ついでに、ブログの方で「まめ屋」さんから先物取引の勧誘電話について有用な情報をいただいたので、ご紹介します。

 勧誘電話をストップさせる一番有効な方法は直接主務省に相談する事です。
 経済産業省では商務課検査室に設けられている「商品先物相談窓口(03-3501-1776)」に
 農林水産省では総合食料局の商品取引監理官に
これまでの経緯を文章と口頭で具体的に説明すれば良いかと思います。
 後、録音しているものがあるのであればCD-ROM等にやいて一緒に送ればなお良いかと思います。

 ・・・いやホントに、皆さんに支えられて、やっと0.83人前の当サイトです。
 頼りない管理人ですが、これからもよろしくお願いいたします・・・。

(2006.1.13)
(参考)
この他の、たもぎたさんの投稿は以下の通りです。
老後の資産運用は・・・・「たもぎた」さんからの補足

■掲示板の方で、「先物死せる孔明」さんからも補足をいただきました。許可を得たので、一部引用します。

 「特商法無視の先物取引勧誘員」についてですが、2005年5月1日以降なら商品取引所法にも違反しています。
#具体的には第214条第5項,6項,7項に違反していると思われます。
 これは経済産業省に通報したほうが良いかもしれません。
 
 参考までに「神戸先物取引被害研究会」のHPから次のページのリンクを貼っておきます。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~sqkobe/110_4topics.html

■ありがとうございます。上のたもぎたさんの投稿にもあった、「商品取引所法(第214条)」についての詳しい話をいただきました。
 せっかく条項まで指摘していただいたので、 「法令データ提供システム/総務省行政管理局」から、該当する条文を抜き出してみる事にします。

(不当な勧誘等の禁止)
第二百十四条  商品取引員は、次に掲げる行為をしてはならない。
 
 一  商品市場における取引等につき、顧客に対し、利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供してその委託を勧誘すること。
 
 二  商品市場における取引等につき、顧客に対し、損失の全部若しくは一部を負担することを約し、又は利益を保証して、その委託を勧誘すること。
 
 三  商品市場における取引等につき、数量、対価の額又は約定価格等その他の主務省令で定める事項についての顧客の指示を受けないでその委託を受けること(委託者の保護に欠け、又は取引の公正を害するおそれのないものとして主務省令で定めるものを除く。)。
 
 四  商品市場における取引につき、顧客から第二条第八項第一号に掲げる取引の委託を受け、その委託に係る取引の申込みの前に自己の計算においてその委託に係る商品市場における当該委託に係る取引と同一の取引を成立させることを目的として、当該委託に係る取引における対価の額より有利な対価の額(買付けについては当該委託に係る対価の額より低い対価の額を、売付けについては当該委託に係る対価の額より高い対価の額をいう。)で同号に掲げる取引をすること。
 
 五  商品市場における取引等につき、その委託を行わない旨の意思(その委託の勧誘を受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示した顧客に対し、その委託を勧誘すること。
 
 六  商品市場における取引等につき、顧客に対し、迷惑を覚えさせるような仕方でその委託を勧誘すること。
 
 七  商品市場における取引等につき、その勧誘に先立つて、顧客に対し、自己の商号及び商品市場における取引等の勧誘である旨を告げた上でその勧誘を受ける意思の有無を確認することをしないで勧誘すること。
 
 八  商品市場における取引等につき、顧客に対し、特定の上場商品構成物品等の売付け又は買付けその他これに準ずる取引とこれらの取引と対当する取引(これらの取引から生じ得る損失を減少させる取引をいう。)の数量及び期限を同一にすることを勧めること。
 
 九  前各号に掲げるもののほか、商品市場における取引等又はその受託に関する行為であつて、委託者の保護に欠け、又は取引の公正を害するものとして主務省令で定めるもの

 もう少し素人にもわかりやすいように噛み砕いてみよう、と思ったら、「先物死せる孔明」さんからご紹介のあった「神戸先物取引被害研究会」のページが、ズバリ、商品取引所法「第214条第5項,6項,7項」について詳しかったので、これまた該当箇所をまるっと引用することにします。(手抜きと言わないで〜:笑)

(2)不当な勧誘等の禁止
1. 勧誘の告知・意思確認義務
 まず商品先物取引業者は電話勧誘ないし訪問勧誘を問わず,勧誘に先立って,「会社の名称」と「これから勧誘するのが商品先物取引であること」を告げ,顧客がその勧誘を受ける意思があることを確認しなければなりません(214条7号)。
 例えば,長々と世間話をしたり,あるいはアンケートと称して会話に引き込んだ後に先物取引の勧誘をすることはこの規定に違反します。
 
2. 委託を行わない旨の意思を表示した顧客への勧誘禁止
 顧客が「委託を行わない」と言っているのに対し,業者が委託を勧誘することは許されません(同条5号)。勧誘を受けることを希望しないと言っている場合も同様です。
 
3. 迷惑な仕方での勧誘禁止
 顧客が迷惑を覚えるような仕方での勧誘も禁止されます(同条6号)。
 具体的には,迷惑な時間帯,例えば,夜間・早朝・勤務時間内に電話・訪問することや,長時間にわたる勧誘や威迫・困惑・不安の念を生じさせるような勧誘がこれにあたります。

「長時間にわたる勧誘や威迫・困惑」までは良く聞くフレーズですが、「不安の念を生じさせるような勧誘」って・・・(苦笑)

(2006.1.20)