着物一着、無料プレゼント

■ペンネーム「桃花」さんからの投稿です。

 こんにちは。以前に一度掲載して頂きました、桃花です。
 ちょこちょこと勧誘電話はあるものの、あまり変わり栄えしないものばかりで、ちょっぴり欲求不満だったのですが、最近笑えるものが来ましたので、使えるようなら使っていただこうと思いまして、メールいたします。
 
 娘が高校を卒業しまして、大学生活も落ち着いてきましたら、かかってくるようになりました、「お振袖」
 先日のは、初っ端から、かなり腹の立つ話し方でした。暇な時間帯ということもあり、よーし相手になってやろうと鼻息も荒く……実際は、相手のマシンガントークが静まるまで「はい、はい」と相槌を打っていただけですがw
 
 そのおば様は
「桃花さんのお宅ですか? あのー、桃子ちゃんのお母様ですか?」
 と、何だかとっても焦ったような話し方だったんです。
 なんだ、こいつは?と思ったものの、「そうですが」と言うと、
「あー、良かった。何度もお電話していたんですよー」
 と悲鳴のような言い方。これはもしかして振り込め詐欺かー?と、ワクワクしながら、すぐに娘に連絡を取れるように、片手には携帯電話をw
 そうしたら、「私、〇〇協会(会社名?)のものなんですー」と。
 
 がくっとしました。ほんとに紛らわしい焦り方をすんなよなっ!と腹が立って、腹が立って。
 だからゆっくり話を聞いて、思いっきり断ってやろうと、腹を決めました。
 
 彼女のセールスは、だいたい以下のとおりでした。
 
「この会社は有名なテレビ番組に、着物の良さが伝わればと思って、衣装の提供をしてきた。
 けれどテロップに小さく会社名が出るだけなので、少しも会社の宣伝にはならない。着物も実際に手にとってもらう機会にはならない。
 だから、これから成人式を迎えるお嬢様方に、着物を一着、無料でプレゼントするので、それを何かの機会に着て欲しい。それが着物の良さを見直す機会になる。
 ついては、都合のよい時間に家に伺うので、着物を一着選んで欲しい。
 本当に無料でくれるのかと不安なお母様もいらっしゃるけれど、本当に無料です。ただし、気に入らないものを無理に押しつけても、着てもらえなければ意味がないので、気に入ったものがない場合は残念なんですけれどね」
 
 ということを、滑らかにお喋りになりました。マニュアルを読んでいる様子はなく、かなり慣れた感じでした。
 
「家に来られて、上がられるのは鬱陶しいので、どんなものでも文句は言わず、着させますので、どれでもいいから一着送ってください」
 と切り出すと、
「いえいえ、そんな。やはり一度見ていただいて、気に入ったものを」
「絶対文句は言わず、着させます。成人式にそれで行かせますよ。だから一枚、送ってくださいよ」
「あー、見ていただけないんなら、お伺いしても無駄ですよね」
 
 すみません、そこで吹き出して笑ってしまいました。
 内心では「やっぱり気に入りそうにない物を並べて、それならーと有料の方を見せるつもりだったんだろうがー」と思いましたが、向こうが急に諦めちゃったんで、笑ってしまって言えませんでした。
 
 家にきてもらって、「これにします!」って言ったら、どうなるのかなー。もったいぶって、プレゼントの方は見せないのかな? それともよほど「こんなのはいらないよ」っていうものしか持ってこないのかな? 色々想像は膨らみました。
 私が笑ってしまったもので、相手は早々に切ってしまいました。あー残念。

■桃花さんから3回目の投稿をいただきました。ありがとうございます。
 
■着物一着無料って・・・スゴイ撒き餌ですね・・・。
 宣伝の為にプレゼント、というのならば、数をこなさないと意味がありません。宣伝ですから。沢山の人に効率良くまわった方が、効果的ですもんね、宣伝するだけなら。
 
 いくら「好きなものを選んでね♪」というコンセプトだとしても、いちいち会社の人がやってきて、着物を見せて、だと、あまりにコストがかかり過ぎです。本当に目的が宣伝だけなら。
 
 カラープリンタやカラーコピーが普及した現代、写真入のカタログなんて簡単に作れます。それを郵送して、希望の品を選んでもらった方が、断然経済的に理にかなっています。写真じゃ本物の質感や色合いが・・・って仰るのかもしれませんが、宣伝でしょ? プレゼントでしょ?
 
 対面販売が目的じゃあるまいし、お宅訪問にこだわる必要性は一ミリグラムも無い筈ですけどね(笑)。

(2006.9.6)
(参考)
この他の、桃花さんの投稿は以下の通りです。
「工事の挨拶に来ました」
ピロンちゃんのライバル?