40万円の布団クリーニング?

■ペンネーム「事務員」さんからの投稿です。

 こんにちは。
 ずいぶん前の事なのですが、思い出したので投稿させていただきます。
 
 わたしが仕事から家に戻ると、見知らぬ車が1台停まっていました。そして、ただいま〜と中に入ると母が見知らぬ男と迷惑そうな顔で話していました。
 わたしは一旦その場を離れたものの、怪しいのに捕まっているのではないかと思い、一応車のナンバーを控え、家のなかに戻りました。
 そして、その営業マンが席を外した隙に母に「誰?」と聞きました。布団のクリーニングらしく、40万程の契約をさせられていました。
「名刺もらった?」
 と聞くと
「持ってないって・・・」
「えっ?! 営業来て名刺持ってないって??? おかしくない? しかもクリーニングで40万って・・・新しいの買えるじゃん」
 その一言で母も
「やっぱりそうだよね〜。でもしつこくて、契約書に判も押しちゃったし、今ふとん積み込んでるし・・・」
 とその場は、取り合えずその営業は古いふとんを持って帰っていきました。
 クーリングオフすればいいよ。と母と話していました。
 
 その数日後、町内で最近このあたりで、同じ手口のふとんのクリーニングの詐欺にあった人の集まりがあり、たまたま母がそれを見かけ話を聞きに行き、はっきり詐欺と自覚したのか、すぐにクーリングオフ手続きをしてなんとか無事に終わったはずでした。
 
 しかしその後、その会社から仕返し?の電話があり、ヤクザ口調で「ふとん返すのも金がかかる(「る」は巻き舌で)んだよーー!!!!」と叱られましたが、その後その預けた布団は戻ってきませんでした。
 でもまぁ、もう何年も使っていない、カビくさい布団だったので、処分する手間と料金が浮いたので、よしとしましょう!

■事務員さんから、4回目の投稿です。いつもありがとうございます。
 
■悪徳布団屋さんの王道を行く業者のようですね(苦笑)
 
 40万円の布団クリーニング、とありますが、流石にいくらなんでもクリーニングサービスで40万ってありえないので、これはおそらく以下のような黄金パターンの訪問販売だったのだと思います。
 
 1.布団のクリーニングを格安ですると言う口実で訪問する。
 2.クリーニングするのは不可能なほど布団がへたれている、良くこんな布団で寝てましたね、とか、この布団のメンテナンスを続けるよりも、新しい布団を買った方が、お得or健康に良い、とか、そんなことを言って、高価な布団を売りつけてくる。
 3.で、新しい布団を買ったのだから、この古い布団は必要ないですね、とさっさと持ち去り、購入者がその日の内に買った布団を使わなければならないように仕向ける。
 
 特に、最後の「古い布団を持って帰る」というのが、悪徳業者的に結構重要ポイントです。
 
 クーリングオフという言葉は、随分と巷に広まってきたと思いますが、その中身については、マニア(笑)以外は、漠然としたイメージしか抱いていないという方が殆どだと思います。
 というわけで、一度ここでクーリングオフの効果についてご紹介いたしましょう。
 
 まず、クーリング・オフには理由は必要ありません。業者が納得していようがいまいが関係無く、消費者は問答無用に一方的に契約を解除できるのです。
 特商法で規制されるような業務形態(訪問販売、電話勧誘販売などなど)を自分で選んだ業者の責任ですから。
 
 で、すでに商品を受け取っている場合は、返送費用は業者持ちで返品できます。
 役務(レンタルとかクリーニングとかエステとか工事とか。要するに「サービス」)を受けた場合でも、その対価を払う必要はありません
 クーリングオフで損したぞ、どうしてくれる! 何て言われても、違約金や損害賠償を払う必要もありません
 当然、既に支払っているお金は全額返してもらえます
 工事がなされてしまった場合も、無償で元に戻して貰えます
 ただ、健康食品や化粧品といった消耗品を使ってしまった場合は、クーリングオフできません。でも、これについても、購入時に業者の手によって開封させられた場合については、適応されることがあります。
 あと、現金払いの三千円未満の取引も、クーリングオフの適応外です。
 
(詳しくは「経済産業省」「特定商取引に関する法律 WebSite」をご覧下さい)
 
■で、「古い布団を持って帰る」という話に戻りましょうか。(前置き、長っ!)
 古い布団が無ければ、新しく買ったその布団を使わざるを得なくなります。
 布団を開封してしまうと、シロウトさん(マニアではない一般的な消費者)はついつい、
「使ってしまったから、返品できなくなってしまった」
 と思い込みがちです。
 加えて、
「古い布団を処分されてしまった」→「どうせ、新しい布団は必要なんだし」
 みたいに、簡単に諦める方向に誘導されてしまうでしょう。
 
 ああ、なんておそろしい勧誘テク・・・!
 
■何はともあれ、事務員さんのお母様が無事クーリングオフすることが出来て、本当に良かったです(^^)。

(2006.6.30)
(参考)
この他の、事務員さんの投稿は以下の通りです。
謎のNTT
偽のNTT
謎の怖い電話
心当たりがありませんが、何か?