20003月 パリ・イタリア旅日記 

3月21日(火)


 

ウフィツィ美術館 (2)


ボッティチェリほか




いよいよ、ボッティチェリの作品の展示室だ。
さすがに部屋は、混み合っている。



ボッティチェリの部屋












ボッティチェリ「マニフィカトの聖母」



「ヴィーナスの誕生」

「春」



フィレンツェは、「ボッティチェリの都」とも呼ばれている。
しかし、彼の作品は、1815年まで、公開されることなく、
フィレンツェ近郊のメディチ家の別荘にあって一般に知られる事はなく、
ある時期忘れられていた画家だったそうだ。

しかし、
彼は、ロレンツォ豪華王を当主とするメディチ家を
スポンサーとして、ほとんどフィレンツェから離れることなく、終生
フィレンツェと運命を共にしたそうだ。だからこそ、
上記のように言われて、ふさわしいのだろう。

マザッチョの作風に5歳年下のフィリッポ・リッピが、
惹かれて、盛んに模倣をしていた。
才能のみならず、「破戒僧」として、名を馳せていた
そのフィリッポ・リッピ
ボッティチェリが、弟子入りした。

又、ボッティチェリは、フィリッポ・リッピの紹介で、
後にヴェロッキオの工房に入っている。
ヴェロッキオは、フィリッポ・リッピから、子供時代に絵を
習っていたのだそうだ。そして、そのヴェロッキオには、
レオナルド・ダ・ヴィンチも弟子入りしているのだから、
何ともすごい人間関係だ。

第10室から14室は、
とにかくたくさんのボッティチェリの作品であふれていた。
「受胎告知」「東方三博士の礼拝」等々・・・




ボッティチェリ「受胎告知」



混み合っている「レオナルド・ダ・ヴィンチの部屋」




レオナルド・ダ・ヴィンチ




レオナルド・ダ・ヴィンチ
「受胎告知」

「東方三博士の礼拝」 未完




ヴェロッキオとレオナルド・ダ・ヴィンチ








ダビンチが描いた部分



ヴェロッキオは、上の絵を、彼の工房にいたレオナルドと
共同制作する。しかし、レオナルドが、
単独で描いた部分を見て、天使の豊かな表情、
髪の毛の描写、衣のヒダの精緻な描写の見事さに、師である
ヴェロッキオは、「筆を置いた」と言われている。




絨毯の見事さに撮った写真



大作を見て回るのは、かなり体力がいる作業だ。
美術館の回廊の「コ」の字型の真中
に来た辺りでは、もうかなり疲れており、
それから先を「あと、もう少し。」と、お互い励ましながら
回っていた我が家族だった。




ウフィツィ美術館の窓から望むヴェッキオ橋



一息ついて、気を取りなおし、又、展示室に入るが、段々
集中力に欠けてきているのが、自分でもわかる。
主人のビデオもどうも床と人の足ばかり
写している。娘も、すっかり疲れ気味で元気がない。
「ま、とにかく、一応、ザァーッと、見て、休もう。」
ということになる。




エル・グレコ「福音書記者ヨハネと
聖フランチェスコ」

ラファエロ「ヒワの聖母」

ペルミジャニーノ
「長い首の聖母」
(以上写真資料から)



エル・グレコ独特のひょろ長い人物の描写に再び出会う。
ルーブル美術館では、「キリストの磔刑」を見ている。
ねじれがあるフォルムと、神秘的な背景が、いつも彼の絵に
劇的な雰囲気をもたらしている。

ラファエロもルーブルで、「美しき女庭師」をみているので、
聖母子像としては、二つ目になる。その穏やかさが、
安心して見ていられて、ホッとする。

ペルミジャニーノのこの作品も見たかった作品の一つだ。
異様に首の長い聖母と、右下にいる
異常に小さい人物との取り合わせが又、一段と、
アンバランスである。
この絵は、世の中を風刺しているのだ、
と、どこかで、読んだ気がするが、詳しくは、忘れてしまった。



美術館を出て、食事の場所を探す気力も無く、
とにかく、美術館の中で、食事をしようということにする。
3階の奥の奥にあるテラスは、眺めもよく、
なかなか気持ちが良かった。



私達にとって、フイレンツェ最後の日。
夕食は、前夜、主人の探訪で、見つけていた
中華レストランで
することにしていた。中華は、まあまあの味。



食事の後は、もう一つ、これも主人発掘の
インターネット・カフェに行く。




主人が夜の探索で、発見したカフェ



コンピュータは、20台以上ある。
店員さんは、コンピュータ好きの学生さん風。
使い方を聞くと、本当に親切に教えてくれた。

何回も店員のお兄さんを煩わせて、お互い、
日本へのメールを送る。でも、店員のお兄さんは、あちこちからの
質問に、腰も軽く飛び回って、応えていて、とても感じがよかった。

明日は、最後の訪問地ローマに出発である。
汽車の時間が、怪しいということで、ラヴェンナからと、同様
バスで、向かう事にしていた。




ローマ1日目へ



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