2000年3月 ヨーロッパ旅行日記



ベネチア 3日目 18(1)


アカデミア美術館 
   Gallerie dell' Accademia 




サンタルチア駅、ローマ広場まで行って
ホテルから到着までにかかる時間と、
バスの乗り場を確認して来ることにする。
乗るのは、JALのユーロエクスプレスバスである。
私達は、ラベンナ経由、フィレンツェ行きの便を選んでいる。

イタリア旅行をする時には、必ず
「ラベンナ」には、寄りたいと思っていた。
でも、ラベンナは、汽車で行くには、地理的に不便なところだ。
そのためにベネチアを一泊増やして、JALを利用することにしたのだ。


水上バスの乗り場は、ホテルの目の前。
大運河の中を通る各駅停(?)よりは、
反対側にまわる便に乗る方が駅数が少なくて早い、と、
昨日の口笛・マフィア氏が教えてくれた。


ベネチアに来てから、何回も水上バスの乗り場や
番号について人に聞くことが、あったのだけれど、
みんなかなり適当だった。
乗り場にある切符売り場の人の返事さえ、
違っていたのだから・・・どう考えていいのやら??

そんな中で、あの怪しい口笛氏の情報が、
唯一正確だった。


ローマ広場まで行ってみる。思ったより広い。
車が、そこまでしか入れないため、ローマ広場には、
各国の観光バスが、皆そこに集まることになっている。
駅の裏。、運河のない、平凡なヴェネチアが、そこにあった。



アカデミア美術館   



美術館前の風景





オペラの衣装で
美術館前で、コンサートへのお誘い









美術館に入る




(資料より



ヴェネチアには、本当にたくさんの教会があり、
そのひとつひとつにヴェネチア派の貴重な絵画や作品がある。
時間を惜しんで動けば、もう少し、たくさんの作品を見れただろうとも
思い、残念な気もする。

でも、体力ギリギリまで、動き回るタイプの私達ではないし、
娘は、宗教画には、すっかり飽きていた。
そんな中で、最後に残したのが、このアカデミア美術館だった。
解説書には、
「世界にも比類のないヴェネチア派絵画の一大コレクションを
誇る美術館」と書かれている。でも、外見は、そう大きそうでもなく、
あまり期待せずに出かけたのだった。

ところが、入ってみると、
中は、かなり広い。
初めて、オーディオ・ガイドなるものを借りて回る。

ジョバンニ・ベッリーニが、ヴェネチア派の「元祖」で、
ベッリーニ一族が、ヴェネチア派を形成していたと言われる。
ヤコボ・ベッリーニの息子が、ジョバンニと、ジェンティーレで、
アンドレア・マンティーニャが、娘婿。
ジォヴァンニの弟子が、ジョルジョーネ、ティツィアーノ、
ティツィアーノの弟子が、ティントレットとヴェロネーゼ。
これは、美術解説書からの受け売りだが、
聞けば、確かに、血族関係や弟子という密接な
人脈から成り立っており、「一族」と言うにふさわしいという感じだ。
彼らが、15世紀から16世紀にかけて、ヴェネチア派の最盛期を飾った。

その作品の数々が、この美術館に収められている。
そして、ヴェネチアの他の教会にも、散在しているわけだ。



ジョバンニ・ベッリーニ「ピエタ」

ティントレット「動物創造」

マンティーニャ「聖ゲオルギウス」

コスメ・トゥーラ「聖母子」
(画像は、資料より)



この美術館でも写真撮影、ビデオ撮影は禁止だ。
しかも、監視員の数が、どこよりも多くビツクリする程だった。
どの角にも誰かがいて、見張られているようで、ちょっと見心地が、悪い。
でも、とにかく、中は、広く、外からの印象よりずっと明るく、
大作が目白押しだ。

でも、娘は、とっくに
入り口付近の部屋に戻って、イスで休んでいる。

この美術館で嬉しかったのは、
コスモ・トゥーラの「聖母子」の一つに会えたことだった。
今回の旅行のキッカケは、そもそも
「放送大学」の授業で「美術史と美術理論」を取ったこと。
そして、その時に、論文提出のテーマとして、私が選んだのが
「コスモ・トゥーラ」だったからだ。それが、
思いがけず、ここでひとつ、又、ルーブルでも、もう一つ、見れたのは、
ラッキーだった。

それにしても、オーディオ・ガイドを、頼りに一つ一つ説明を
聞きながら見て歩くのも結構疲れるものだ。



ハプニング

美術館の外に出かかったところで、娘が、
カメラを中のベンチに置いてきたことに気づく。
焦って、出口の係員の人に伝える。
ところが、何という幸運。カメラは、ちゃんと、美術館の人の手にあった。
「イタリアで、モノを無くしたら・・・」と、聞いていたので、
早くも、諦めかかっていたのに、よかった!
あの、警備員の数は、伊達じゃなかったというところか。

カメラを渡してくれる時、掛員の皆が、
満面の笑みで、とても誇らしげだったのが、印象的だった。




美術館の外に出ると、又、
空と、目の前に広がる運河の青さがまぶしい。
美術館の前に運河をまたいでかかる、
アーチ型の木の橋、
アカデミア橋も美しい。


アカデミア橋から左側を見る

アカデミア橋から右側を見る






ヴェネチアの運河、橋、小路へ



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