2000年3月 パリ・イタリア旅日記

ヴェネチア 2日目 317 (1)


リアルト橋 Ponte di Rialto



又、小路を通って歩いて行ってみよう、ということになる。
東方貿易の盛んな頃に、
その中心地だったリアルト橋付近は、
帆船が、行き交っており、当時、橋は、木製の跳ね橋だったそうだ。
リアルト橋は、大運河のおよそ真ん中にある。
現在の大理石作りの新しい橋になったのは、
1588−1591年とのこと。




リアルト橋に向かって観光客で賑わう小路



その改築計画に際しては、設計コンペが、行われ、
有名な建築家達が、数多く応募したとのこと。
このころから、イタリアでは、「公募」ということが
あったのだ、ということに感心する。
19世紀までは、大運河にかかるただ一つの歩道橋だったそうだ。
そのデザインは、当時としては、相当ユニークだったらしく、
完成時には、人々の間で意見が分かれたらしい。
今、その橋が、ヴェネチアの観光の名所になっている。







リアルト橋の上には、びっしりと、貴金属やカバンの店が並んでいる。
観光客は、店々を眺めながらその橋を渡ったり、
外側の階段を上りつつ、大運河の景色を堪能している。
橋の上から眺める景色は、
「これこそヴェネチア」と私達を満足させてくれる。







リアルト橋からの眺め、大きい画像は、ここをクリック



リアルト橋付近の賑わいには、何か心躍る華やかさがある。
景色を眺める人の感動、買い物をする人の楽しみ、
ゴンドラに乗って行き過ぎる人の裕福な喜び、
カフェでくつろぐ人の満足、
様々な人の様々な幸福感が、その場所の中空で
フワフワと舞い踊っているような感じがする。
私達も、カフェで、一休みする。
隣のテーブルから聞こえてくる外国語の話し声や
通り過ぎるボートのエンジンの音、
とにかくその全体のざわめきが、嬉しい。











カフェで、主人は、今度の旅に来て以来、
お気に入りのカプチーノを飲む。娘と私は、紅茶。







しばし、くつろいでから、
もう一回り、その界隈を散策してみることにする。


リアルト橋付近では、
ザッカリア側(私達のホテルの側)は、ホテルが多く、
橋を渡った側には、カフェが多かった。
リアルト橋の上から続く貴金属店等の店並みを越すと、
果物やさん、野菜やさんが、まぶしい青果を
並べている。その前を通って、私達がくつろいだカフェの通りを越すと、
まもなく、お肉やさん等がある「生活圏」に入って行く感じになる。












生活のにおいがする細い路地を抜けていると、
その頭のずっと上で、洗濯物が揺らいでいたりする。
家の中から食器の音も聞こえる。
三階位の窓から、屈託のない大きな声で、地上の人と話している場面に
出くわしたりするが、
その声が、石造りの高い建物の間の、細い路地で、
取り分け響いて聞こえる。映画の一場面みたいだ。







旅先にいると、たったそれだけのことでも感動する。

石に囲まれている路地の、ちょっとひんやりして、湿った空気は、
「日本じゃない。」気分を体感させてくれる。





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