東北の旅
2002年7月26日〜31日


2002年7月30日(火)

*は、クリックすると、大きい画像があるものです。

浅虫温泉


青森市内を出ると、道は、単調だ。
カーナビも無口のままだ。

でも、お天気が、どうも芳しくない。
明日、朝の海の景色を楽しみにしていたのだけれど、
この調子では、綺麗な海の風景は、無理そうだ。

山道を下ると、海が見えてきた。
曇り空の下で海は、やはり、灰色そのもの。
残念。

予約した旅館についた。
思っていた通りの日本旅館の雰囲気で満足。




玄関から畳なんて、なかなかいいかも。
*


用意していてくれた部屋は、海が見える部屋だった。
一度荷物を下ろす。
でも、その後、主人が、通りすがりに
見せてもらった部屋が気に入って、換えてもらうことにする。

海と、反対側。道路に面しているけれど、
こちらの方が、いい感じ。日本旅館らしい雰囲気満点。
私は、日本旅館に泊まるのは、何しろン十年ぶりのことだった。



*


立派な外構えの戸を開けると、
中の上がりかまち?までのアプローチとして、
小規模ながら、白砂が敷かれていて、飛び石もあった。

初めの部屋より高い部屋なのは確か。
でも、初めの部屋と同じ金額でよいとのこと。
(安くして欲しいとこちらから言ったわけではない。
あれって、もしかして、おかみさん、ヤケになっていた・・・?
後で話したことだ。)夕食を済ませてきて、
朝食だけの私達の一泊に部屋。

主人によると、青森からの電話で、
「お土産も置いているので・・・」と言われたそうだ。
それで、こちらで買う分を少し残していた。
お部屋の代金、安くしてもらったし、買わなくちゃね。
お土産売り場に行く。
お土産売り場の女性、とても愛想が良くて親切、
と思ったら、彼女が、ここのおかみとわかる。

おかみさんは、目鼻立ちがはっきりしていて
綺麗なひとだ。年の頃は・・40半ば?
若い頃には、きっと皆に振り返えられていたに違いない。
色白で、年齢らしい魅力がある。
でも、お土産売り場でうろうろしたりしているうちに
何となく見えてきたのは、
ちょっと、寂しげな何か諦めたような(気がする)
おかみさんの横顔だ。

夏休み中の、ねぶた祭りの前、
というのに、
私達を入れて、お客さんが5人・・・ではねぇ。
私達が泊まったのは、旧館の方なので、
全体の様子は、わからないけれど・・・。
それにしても、これでは、
おかみさんの表情が晴れ晴れ、とは、行かないのも
わかる気がする。

大きなホテルが、大浴場を整備し、
「和風モダン」などと銘打って、現代風におしゃれな和室や
設備を整えているのに普通の旅館が、
太刀打ちしていくのは、きっと大変なことに違いない。

「お客さん、ビール飲みませんか?ご馳走しますよ。」
おみやげ売り場の隣にある小さなカウンターの
コーナーの方に目を向けておかみさんが言う。
主人は、そこにいた他のお客さんと一緒にビール(コーヒー?)を
ご馳走になったらしい。

私は、お風呂に入りたかったので、部屋に戻った。

お風呂は、こじんまりとしているけれど、
岩風呂になっている。
ちょうどいい湯加減の温泉だった。
女性客は、なにしろ私だけ。
お風呂は、独り占めの感で、私は、かってないほど、
何回もオフロに入ってしまった。う〜ん、気持がいい。
窓の方の戸を開けると、外には、小さな露天風呂もあった。






部屋は、純日本風な分、不便なこともある。
トイレも洗面所も外にある。そして、洗面所は、別として、
トイレには、(その階には、宿泊者は私達だけ?だったので)
夜、し〜んとした部屋部屋の前の廊下を通りぬけて、
行かなければならない。夜の共同トイレのドキドキ感。

いい年をして、久しぶりに小学校の
「トイレの花子さん」気分を味わった。


夜、お客さんが休んだ頃、
ホテルの従業員の女性たちが、
例のカウンターのところに集まって、おかみさんとビールなど
飲んだりして、くつろいでいた、と主人が言った。
(それがいつものことなのかは、わからないけれど)
そして、夜おそく、
それぞれ、お風呂に入って、帰って行く。
(私が、すれ違った)
目立つようにしているわけではないけれど、
そんなことの何やかやがつい見えてしまうのも、
こういう旅館ならでは、なのかもしれない。


7月31日(水)



朝、食事のために下に下りていくと、
おかみさんは、玄関中央の奥にある中庭の小さな池の
お掃除を見守っていた。数羽のガチョウを
池の横のケージに退避させ、いつも雇われているらしい人が
長靴を履いて、なれた様子で水を掻き出していた。


私が隣に立つと、
おかみさんは、「何だか、お天気がよぐなぐてねぇ〜。」
ちょっと力なく言った。
おかみさんの心配事は、もしかして、
池掃除の日のお天気のことだけじゃないかもしれないなぁー
その時も、そんな気がしたものだ。


玄関の「卓球台」(あったのです!典型的なのが)上で、
出発のための荷造りをした。汽車で帰るので、
トランクひとつ分にあらゆるものを詰め込んで宅配に
するつもりだった。でも、送り返す荷物は、そのトランクひとつに
収まらなかった。おかみさん、自らが
ダンボールの箱、ガムテープ、はさみ、と持ってきて
そばで、甲斐甲斐しく手伝ってくれた。
荷物を詰めたダンボールの箱を持ち上げてみて、
「だいじょぶ。まだ入りますよ。」
おかみさんの言葉に、力を得て、ぎゅうぎゅうに荷物を詰め込んだ。

外は、土砂降りになっていた。
お天気もここまで崩れると、諦めがつく。
私達は、どこも見学せずに青森に戻ることにした。
車の窓から見る海は、強い雨足の中、空との
区別も出来ないくらい灰色だった。
車の中で、宿からもらった案内書を読む。
あら、見どころ、何箇所があったんだ!!
どちらにしても雨だったので、行かなかったのだけれど、
昨日仲居さんに、むつ湾を展望できるところ、について聞いたら
特にない、という返事だった。
ほんとに、もぉーー「東北の人は、宣伝ベタ」

それに
浅虫温泉にも「ねぶた祭り」があるのだそうだ。
「青森のは、混むから、まず浅虫の見てくれると
いんですよねぇ〜。」おかみさんが、お土産を買ったときに
言っていたっけ。
「ええっ、それ宣伝するといいんじゃないですかぁー。」
私は、生意気にも、思わず、言ってしまっていた。



今も、おかみさんは、諦めをちょっと横顔に
漂わせて、接客しているのだろうか?

あの宿が、すいていたのは、もしかして
あの前後だけだったのかもしれない。
と、したら、とってもごめんなさい。勝手に想像して、
余計なことたくさん書いたので、
宿の名前が出せなくなってしまいました。
m(_ _)m




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