2002年10月17日〜22日

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10月20日(日)
藩家園、中国マッサージ、Masamizu家


再び藩家園へ



さあ、今日は、もっと、落ち着いて見れるハズ。
写真も撮らなくちゃ。


塀に沿って並んでいるお店。




こちらが、屋根がある真ん中の方。




刺繍のところでは、やはり、自分が夢中で、
写真を撮ることを忘れている。






再び、Masamizuさんにお付き合いいただいて、
この混雑の中、苗さんの店を見て回る。
Mizuさんが、持ってきてくださったホッカイロが今日は
背中で暖かい。Mizuさん、何から何まで、有難うございます。


昨日、アレがあったお店は、どこだっけ?
「思い残しがないように」、
何回もお店を行ったり来たりする。
根気よく、お付き合いくださるMasamizuさん。

たくさんの刺繍の中から自分なりに、これは、と思うものを
選び出す手がかりは、もう自分の好みの色のトーンだけだった。

ひなびた中でも、好きな色合い。でもそれが本当に
選択するに値するかとなると、自信がない。
そんな時、Masamizuさんに「あ、それ、いいなぁー。」
なんて、言っていただくと、もう「将軍さまのお墨付き」だ。

お蔭様で、随分、いいものを「横取り」させて
いただいてしまったと思う。

Masaさんから教えていただいたおかげで、
めぐり合えたとっておきの刺繍がある。
その貴重な刺繍には、それが、山里を離れるに至った
「いきさつ」があった・・・。

愛する誰かのためにと長い時間と心を込めた
手仕事には、それだけでも物語がある。そして、
大切にされてきたその刺繍が、彼らの手を離れるざるを得なかった時には、
又、もうひとつの切ない物語がある。

だからこそ、この刺繍たちには、、、思い入れが深い。
いとおしさが募る。
行く末まで、心配したくなる。
Masamizuさんが、「刺繍たちが、本当に愛でてくれる人の元に
届いてくれるように」と、そのことを一番に、いつも願っている理由だ。



↓取っておきの一枚
この細かい手仕事、技の数々。素材の妙を・・・。

*クリック(「我が家の刺繍たち」Index 3-20へ)
ブラウザーの戻るでお戻りください
[他の刺繍も今後「我が家の刺繍たち」で、徐々に
ご紹介していくつもりです。



この後、Mizuさんの真似をして、自分なりに
あれこれアレンジしてみるために欲しくなった小物の刺繍を
かろうじて買う。でも、いざ買う、となると、やはり
自分の好みにやはりこだわってしまう。
迷って、やっと数点を決める。
あまり執着せずに、たくさん買うとよかったのかなぁー、とは、
後で思ったことだ。



Masamizuさんに教えていただいて、苗族にも
素敵な編み籠があることを知る。なるほど、そうなんだ。
自分達に必要なものは、皆自分達で作っていたハズなのだもの。
籠だって、あるよね。
そうしてみると、皆、なかなかいい形、
古色を着ていい表情をしている。金額と、形のおもしろさと、
荷物として持ち帰ることを考えて、小ぶりのものを選ぶ。


↓その時に選んだモノ。
籠の表面は、黒光りし、網目は、長い間使われて?詰まっている。

W23×H8.5cm
奥行きは、Wから注ぎ口と取っ手の長さを引いた長さ




アクセサリーもあって嬉しい。
これは、ピアス!!

直径3cm高さ1.3cm
「渦巻きフェチ」の私には、何とも堪えられない一品だ。
これは、買わないわけには、行かない。
この円形部分が耳にあけた穴に入るというのだから、スゴイ。
へそピアス、鼻ピアスの若者もビックリの大きさである。
それにしてもこの模様の細かさには、ホクホク。


購入したその他のアクセサリーは、
ここから


娘達用に、来た時に注文しておいた印鑑を
受け取る。そして、念のために、お土産の品を買い足す。
さて、もうそろそろ・・・思い残すことは・・・?



いやいや、
あ〜、いくら時間を掛けても、キリがないかもしれない。
それにお金も・・・。でも、それにしても
自分が気に入ったものばかり、そして、
本当に良いモノばかりを手に出来たものだと思う。


何しろ、藩家園では、浮かれっぱなしだった私である。
帰ってから、やっと家で落ち着いて本と照らし合わせては、
眺めて楽しんでいる。
そして、そうするほどに感じずにはいられないことがある。
結局、今、我が家にいる刺繍たちは、
お二人の苗の刺繍と関わってきた「年季の深さ」があってのものだということだ。
帰って来て、今頃になって、
改めて、Masamizuさんの「年季」を次々と見つけては、
遅ればせに、感動している日々である。



お昼は、



「ホテル・ニューオータニ」
(中国名は、何でしたっけ?、済みません)
の中華レストランで点心をいただく。


豪華な雰囲気の中で、
中国茶の飲み方など、教えていただきながら、
お上品な飲茶を堪能させていただく。



とっても仲のよいMasaさんとMizuさん

ほら、「絵になるお二人」
Masaさんにも登場していただかなければ。
写真が遠すぎる、って?(笑)


昼食後、デパートの服飾コーナーに寄って、
再び、少数民族刺繍事情を見学させていただく。
よい仕立ての高価なものから、
ある程度手軽なものまで、コーナーがあって、お客さんの
出入りもなかなかのものと見受ける。

上質なシルクの光沢と合わせた品のいいデザイン
の中で苗族やトン族の刺繍は、ほんの小さな一片でも、
確かに存在感がある。うーん、さすが。


でも、やっぱり、思いは、複雑。
この素晴らしさを知ってほしいけれど、知られたくない。



途中に立ち寄ったスーパーマーケット

日本のインスタントの食品もたくさん、
棚に並んでいる。

ドアのところで、店員さんと、行き合わせる。
さっさと先に行く店員さんにあっけに取られている私を見て、
Mizuさんが、「これ中国式」と笑う。
施設は、整ってきても「接客」という意識は、まだまだないらしい。
これが、近代化中の中国サービス業の現情なのだそうだ。
レジの店員さんも、確かにニコリともしなかったなぁー。




初めてのマッサージ体験
中国マッサージ



とても雰囲気のある場所
この通りに、連れて行っていただいたお店がある。





↓通された部屋。

この椅子に腰掛け、用意された下駄に履き替えると、
漢方入りのお茶が運ばれてくる。
全身の新陳代謝を進める効果があるとのこと。
よい香りのそのお茶を飲みながら待っていると、
お湯が入った桶を持ったかわいいお嬢さんたちが現れ、
一人ずつの前にスタンバイする。

お湯に足をつけてから、漢方薬のペイストを足に塗り
ゆっくりと時間をかけて、マッサージしてくれる。

お嬢さんたちは、皆専門の学校を出て、
資格を持っているのだそうだ。
つぼを押さえながら、一人ずつ、それぞれの
体調について、ポイントを指摘してくれる。
私の担当は、常盤貴子似で
とても感じのいいお嬢さん
 でも、どの娘さんも、素顔が初々しくて、かわいい。

ゆっくり、30分以上もかけて、マッサージしてもらった後、
Mizuさんによると、この後、もうひとつコースを選べるとのこと。
「どうします? 全身マッサージと美顔と指圧のどれでも。」
・・・と。
「全身マッサージしましょうか?」
「あ、いえ、とんでもない・・・」あわてる私。
「じゃあ、美顔に?」
「いえ、あの・・・指圧で・・・。」急いで答える。

結局、お二人共、指圧にお付き合いさせることに。
その節は、大変、失礼を。
アタフタしていた私の事情、
お二人には、わからなかったことだろう。

*****

はい、今、ここに謹んで告白致します(笑)

1
たっぷりお肉の充実した 二の腕等々(言葉を濁す)、
日頃から、「門外不出」と、心に決めております。
と、いうより、「禁門外出」というべきかも。

2
心から美顔体験もしたかったのですが、
ファンデーションも持たずに出かけていて、
シミシミ素顔では、そのまま外を歩けそうにありませんでした。
^^;(;_; )
これは、つまりは、「環境問題」?

いつも素顔でほっそり美人のMizuさんには、、、
増して、Masaさんの前では、とてもそんな理由説明する
勇気がなかったこと、お察しください(笑)。

*****


さて、ともあれ漢方の丁寧な足マッサージは、
本当に気持がよかったし、その後の指圧も
ゆっくり時間をかけてのもので、本当に全身ゆったりとくつろいだ。

実際、出発以来、毎日、薬を飲んで封じ込めていた頭痛が、
それ以降、ピタリと解消、マッサージ効果が、即、証明される。
もうあんなに丁寧なマッサージを、受けられる機会は、
そうないかもしれない。
今度は、「細くなって」?全身マッサージに
行かなくちゃ。 もちろん、美顔には、ファンデを忘れてはいけない。



外に出ると、日は、すっかり暮れていた。
如何にゆったりマッサージをしてもらっていたかが、
わかるというもの。


↓マッサージ院の外観






夕食は、「火鍋」



こういうお料理があることを全く知らなかったので、
名前を聞いて、興味深々だった。

ガイドブックによると、「火鍋」は、鍋料理の中でも、
一番パンチが効いたもの、とのこと。

お店は、ほとんど満席で、家族や団体連れの人で、
とてもにぎわっている。





お鍋が二つに仕切られていて、一方は、激辛の赤いトウガラシ油
もう一方は、白いあっさりしたゴマ味のスープが入っている。
その好きな方に選んで注文しておいた好みの具を入れて、
火を通して、オイル・ベースの付けダレにつけて食べる。
野菜、海鮮、肉など。
お肉は、しゃぶしゃぶのように食べる。




*クリックしてみて下さい。

激辛を甘くみては、いけない。これは、本物の辛さだ。
赤い方につけた具を食べようと口元に運んだ時点で、先に息をすると、
もうそれだけで、むせてしまう。でも、それが、何ともクセになるのだ。
その辛さたるや、私には、初めてのレベルだったので、
もしかして、胃にくるかも、とさえ思ったのだけれど、全くOK。
白いタレでは、モノ足りなくて、もっぱら赤い方で、又又、初体験の味を
体験させていただいてしまった。



食後、
連れて行ってくださったのは、外資系ホテルが
経営するデパート。そこで、Masaさん、ご推薦の
かわいいカードを紹介していただく。


人気の「農民画」をモチーフにしたカード。

*クリックしてみてください。




Masamizu家再び

Masamizu家の居心地よい「蜜の味」に誘われて・・・。
又又、帰りに、お邪魔してまう。


昨日もお邪魔したのに
何だか、不思議にお話の種は、尽きなかった。
中国の食のお話、そして、それにまつわる本もご紹介いただいた。
落ち着いたら、その本たち探してみなくちゃ。

それから、「渦巻き話」にも花が咲いた。当然、お二人共
苗との関連で、関心をもたれていた渦巻き模様、である。
アレクサンダー・カルダー(orコールダー)、この造形作家の名前を
私は、この時、初めて教えていただく。
写真集を見せていただくと、そこには、なんと
苗族のアクセサリーにそっくりの渦巻き模様の作品が。
Mizuさんも思われていたように、
絶対どこかで、苗とつながっていたとしか思えない感性の共通性・・・。
時代は、合わないし、場所から考えても接点がありそうもないのに、
なんて不思議なのだろう?


*****

でも、これは、本当にごめんなさい。Mizuさんの
せっかくの思いに、ちょっと、水を差してしまいましたね。
興味深々さが高じて、見つけてしまったのです。
「アイルランド」という文字を・・・。
彼の祖先は、アイルランドと、ありました。

*****


でも、アイルランドは、なにしろ「ケルトの渦巻き」の国。
私自身は、その渦巻きと苗も結びつけたいという野望を(勝手に)
持っているので、結構、めげていない。
現に上の苗の丸いピアスと、ケルト模様も、似ていると、思っていて、
一人悦にいっている。
「まあ、素人の考え、勝手に喜ばせて置いてやってください。」
というレベルのお話なのだけれど。


クリック
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(アジアの渦巻きから感じるのは、
「不安」ではなくて「調和」。 この違いは?)





そして、Masamizu宅で、何よりも嬉しかったのは、
じっくり、刺繍のお話が出来たこと。


苗族の刺繍への深い思いを抱いたMasaさんと
どんな風にMizuさんが出会うことになるのか、そんなお話も
伺っていると、苗の刺繍に向けて、本当に出会うべくして
出会ったお二人なのだなぁーと、しみじみと思う。

夫婦でも、同じ思いを丸ごと共有できることは、そうはないと思う。
だから、きっと、お二人の出会いは、運命的に違いない。
(決め付ける私)

Masaさんは、自分から持論を、滔々と語られる方ではない。
誠実さがそのままこちらの心に伝わる静かな話し方をされる。
でも、その穏やかな言葉には、秘めた情熱が・・・。
Masaさんが語る将来の展望には、「もちろん苗の人々がいる」。

そして、
・・・そのお話を一緒にうなづきながら聞いている時の
Mizuさんのなんとも嬉しそうな顔・・・。


^^


刺繍のことを語るだけでも、集めるだけでもなくて、
実際にコトを始められているお二人のお話である。そのお二人が語る
これからの夢のお話に心が引き込こまれないハズは、ない。
・・・
場所は、Masamizu家の苗族刺繍博物館の素敵な空間。
私は、又、コロリと、時間を忘れてしまっていた。







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