2002年10月17日〜22日

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10月19日(土)
藩家園と、北京ダック・レストラン、Masamizu家


藩家園(パンジャーユエン)へ



とうとう、その日になった。
北京二日目、というか三日目というか・・・睡眠が足りているわけではないけれど、
興奮して、朝早くから目が覚めた。

おっと、鏡を見ると、昨日の赤マークが・・・
又、念入りに、今度は、クレンジングでこすってみる。


初めて、ホテルの朝食バイキングに行ってみる。

10元(150円)で、おかゆ、普通の中華料理数種類
から果物(メロン、スイカなど)のデザート、
飲み物(ジュース、コーヒーなど、牛乳もあったかな?)まで、
自由に取れるバイキング。朝食としては、充分である。



これは、普通の料金




客室用のエレベーターから降りて、フロントを
見た所。奥に見えるのが、↑のレストラン。




ホテルの外観



Masamizuさんが迎えに来てくだる。
お互いの赤マークの跡を確認してひとしきり笑う。
Mizuさんは、なにしろ、
鼻のてっぺんと、ほっぺの二箇所が赤い(笑)。


そして、出発。



藩家園


藩家園の門前に到着する。道路は、大混雑している。
私達が、タクシーを降りている間にも車は、
ドンドンやってくる。
車は、人が歩き出しても、通行人を気にしないかのようだ。
道を渡る時、「攻めて来る」車を押しとどめ、
とても細かく気を使ってくださるMasaさんに恐縮する。
(ホントに紳士のMasaさんである。Mizuさんや私が
危なくないようにいつも気にしていてくださっていたものだ。)


さて、道をどうにか渡りきると、ほら、とうとう藩家園が、すぐそこ!






門を入ると、すぐのところから、
陶器、壷、書画、天然石、敷物、家具、様々の骨董品の
お店がずらりと並んでいる。塀に沿った青空のお店と
真ん中の屋根がある部分にお店は、分かれている。
お店の数は、もう無数。広さは、、、ただただ広い。

さあ、苗さんのお店へ。
ここから、もう、私の心は、平常心ではなくなっていた、
と、後で振り返ると思う。

本で見ることしかできなかった刺繍を貴州省の旅で、
華麗な衣装という形で目にすることが出来た。
でも、その時点では、たくさん手にとって、手触りを感じて、
「思う存分見る」というところまでは、とても行かなかった。
もっと見たい、触りたい。
その思いが、憧れのように膨らんでいた時、
ネットで、Masamizuさんご夫妻と出会う。

いろいろな刺繍を思う存分見ることが出来て、
そして、お役に立てるなんて。
本当に幸せな出会いが出来たものだと思う。
そして、今、私は、北京にいる。目の前には、
たくさんの刺繍が、並んでいるのだ。冷静でいられる
はずがないというものだ。

つぎは、ここ。あっちにも・・・。
どの苗さんとも顔見知りのMasamizuさんが、
要領よく、次々と、いろいろお店に連れて行って下さる。
そんな中に、昨日の苗さんもいる。すると、まず
お互いのほっぺたを確認しあって笑いあう。
昨日、ご馳走していただいたものねっ。歌ったよねっ。
「仲間」そんな気がして嬉しい。

でも、他のお店でもそうだ。
売る、買う、というだけじゃない確実に+αの何かを感じながら、
お店を回れたのは、Masamizuさんのおかげだ。
それぞれのお店に溢れる会いたかった刺繍たち。
きっと後で夢に見る、と確信するほど、心は、高揚していた。



藩家園の様子は、
Masamizuさんのホームページ
「苗族・北京襲来の巻」を参照してください。



こんな種類の刺繍を特に見てみたいとか、
こういうのがあれば買いたい、とか、行く前にそれなり、
心に思っていたことはあった。
でも、実際、たくさんの刺繍たちを一度に目にしてしまうと、
もう、何もかもが飛んで行ってしまっていた。
「夢見心地」で、見て回る。



昨日の苗さんと、

真ん中が、昨夜会った苗さんともう一人別の苗さん。
ほっそりとしてかわいいMizuさん(緑)と、隣にいなくてよかった丸ーるい私。
私は、ありったけを着込んだ上にMizuさんの上着を借りていた。
これ、言い訳。(笑)


お昼は、藩家園の屋外食堂で済ませた。
ホカホカの中華饅頭をほおばりながら、
「さぁ、これを食べたら又、見よう。」
遠足中の子供のように、気持がはやっていた。


さて、Masamizuさんにずうっとそばについていていただいた
お蔭で、とっても素敵な刺繍を手にすることが出来た。
でも、正直のところ、この日購入したものの金額は、
全く覚えていない。私の理性は、浮かれてどこかの木に
引っかかっていたのではないかと思う。

夕方少し前、この日の刺繍見学会を終えることになる。

帰る前に
藩家園の中で、お土産を探す時間を取って
いただく。行く前に考えていたものに近い品を
見つけることが出来て、ホッ。



陶器のかけらを使って作られたミニミニ容器。

周りが漆のものが欲しかったのだけれど、それはなかったので、
代わりにこれを。かさばらなくてちょうどよい。何しろお土産は、
結構な数になる。



それから、
お勧めいただいたのは、印鑑のお店だ。
主人と自分にとりあえず、作ってもらうことに。出来上がるまで、
時間がかかるので、中国の和紙?のお店に連れて行っていただく。


筆を作った人の顔と名前が
ついている♪



こういうちょっとした時間さえ、無駄なく、こんないい時間にしていただいて、
全く大感激である。でも、感激しながら、果たして
私自身は、こんな風に素敵に人に喜んでもらえる案内を
出来るかしら・・・と、しみじみ考えていた。


印鑑の仕上がりは、大満足。
又、明日も注文しよう、と心に決める。ちょっと時間がかかるので、
要領よくしなくちゃ。

↑主人に
*カッコよくて、主人、大喜びでした。




苗字入り自分用 1 下同様、白文(凹)印に
嬉しい仕上がり!!
自分用遊び印 2 
漢字は、見本の字体から選ぶのだけれど、
ひらカナは、自分の書いた字のまま彫ってくれる。
とっさで、こんな字体しか書けなかったのが残念。
でも、石の形に合っていると思うので、その点で、満足。



あ〜、楽しかったぁーー。とうとう念願が叶って
もう大満足、でも、理性は、やっぱり、
どこかの木に引っ掛けたまま、又、明日も・・、との期待を胸に、
フワフワと、お二人について、門を出た私だった。



北京ダックのお店へ



ホテルで一休みして、地元で、知る人のみぞ知る
という北京ダックのお店に連れて行っていただく。

場所は、、、うーん、ここも正確な場所は、わからない。
いくつかあるという胡同(フートン)のどこかの
奥の奥にあるお店だ。私なら、多分地元でも、
行き着けないかもしれないと思う場所にそのお店は、あった。
元々は、店頭で北京ダックを販売していたお店だったところとのこと。



おもむき満点のお店の看板。


気取ったレストランとは、全く違うこの野性味ある
雰囲気に、ワクワク。



玄関




そして、「ここの北京ダック」は、
この場所の雰囲気の通り、ダイナミックだった。
食べ易い大きさに(スライスではなくて)割かれた??
北京ダックが丸ごとお皿に山積みされて出てくるのだ!
思う存分、いただいた。

その他にも
Mizuさん、Masaさん、それぞれのお勧めのお料理をいただく。
ナッツが入った炒めもの、ビリ辛のお肉、、、
それにキューリとニンニクのお漬物?、、、等々。
立ち上がった時、おなかは、満腹状態。
ジーンズのボタンがはち切れそうだった。


お店の中
ここは、四合院造りの真ん中に屋根をつけて
作られている部分とのこと。




↓北京ダックが炙られているところを
帰りながら覗くことが出来る。

*



Masamizu家


食後、Masamizuさんが、お宅へ誘って下さる。
本当は、お二人共、もうお疲れのハズだし
遠慮すべきところなのだけれど、、、
Masamizu家の刺繍を見せていただきたくて、
うずうずしていたので、
立ち寄らせていただくことにしてしまう。

Masamizu家は、お宅も素晴らしいけれど、
苗族の刺繍と暮す、その暮らしぶりが本当に素敵だ。
広いゆったりとしたスペースに(雑然とした我が家とは大違い)
時代の重みを感じさせる中国骨董家具が素敵に
配置され、そして、そこここにMizuさんの手で
品よくアレンジされた苗族の刺繍が、飾られている。


歳月の色を着た刺繍達が、風格ある額に入れられて、
壁に、家具に、床に・・・・。Masamizu家は、
そのままで苗族の刺繍博物館である。



そんな風に苗族の刺繍を心から愛でてこられたお二人の
思いが、溢れているお部屋で、
私は、初めから終わりまで感動しっぱなし・・・ふうっ!
しばし、言葉をなくしている自分がいた。

私は、あまりの居心地のよさに、
もういきなり長居をしてしまった。


この日、ホテルのベッドに横になりながら、考えていた。
貴州省の旅→Masamizuさんとの出会い→
昨日の苗さん宅訪問→今日の藩家園・・・
理想的な順番だったなぁーと・・・。
ツアーとは言え、貴州省の村のあの山道の土の感触を経て、
ここに至れたことは、私には、とても意味深いことのように思えた。
そして、更に、北京で頑張る苗さんたちと交流の機会を得て、
マーケットに行けたのも心から良かったと思う。


半分眠りの世界に入りつついる時、
まぶたの裏の暗がりで、
その日出会った刺繍たちの彩りが回っていた。
ふっ、ふっ、明日も・・・又。




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