2月17日(木)



(2)明日は、お別れ



主人と娘が目覚めたのは、やはりお昼すぎ。
まずは、朝買っておいたサンドイッチなどを食べる。
今日で、ルアンパバーンも最後。
周辺のお店を覗いてみようかということになる。


階段を下りながら、娘が、言う。
「今日は、時間があったら、少し勉強するから。」
帰ってすぐある資格試験がちょっと気になってきたらしい。


三人で、ホテル付近の通りを少し歩いてみる。
でも、あれ? 今日こそ、そこで、布をと思った店が、閉まっている・・・
そこは、あまり目立たい分、そんなに高くはなく、もしかして、掘り出しものも
ありそうな雰囲気だったのだ。
到着以来、毎日オープンしていたのに。ま、夕方になれば、とその時は、思った。


この通り一帯には、結構お洒落なお店がたくさんある。
おしゃれなお店と普通のお店は、見るからに店構えが違う。
そして、品物のお値段も、格段に違う。
でも、見て歩くのもこれで最後。そういう高級なお店の中も入ってみる。


私たちが、活動し始めたのは、いつもながら、気温が上がって来ようという時間、
ちょっと歩いただけで、額に汗が流れてくる。通りには、ほとんど、人通りがない。


通りかかったかわいいお坊さんに道を尋ねる。

でも、いくら有名なお店とはいえ、お坊さんにカフェの場所を聞いてもねぇ・・・。



エレファント・カフェ


地図によると、この通りしかない、と道を入って行くけれど、
カフェらしきところが、見当たらない。戻ろうとして、看板に気づく。
あった! 「エレファント・カフェ」。有名なお店だ。
これでは、今朝もわからなかったハズだ。
建物の周り中が全面スダレで覆われているからだ。中に入ると
雰囲気があるスダレも外から見ると・・・え、ここが?!という感じに見えるのだ。


でも、中に入ると、そのスダレが何とも気持がいい。
外の熱を遮断して、適度に風を通してくれるからだ。



一番暑い昼下がり、カフェには、他に誰も
お客さんは、いなかった。真ん中にカウンターがあって、
広々としたお洒落な雰囲気の中で、ほっと一息つく。
暑い時には、涼しい風と冷たい飲み物が一番だ。





確か、雅さんから、ここで美味しいと聞いていたのは、と、
注文したのが、バナナ・シェーク(@_@) 他より高いけれど、高級な味。濃くておいしい。
でも、帰ってメモを確かめてみたら、
雅さんのご推薦は、「バナナレーズン・アイス」。大失敗。
この旅で、初めてアイスクリームが食べられたハズだったのに。残念!


*カフェの雰囲気は、ここをクリック


取り留めないことをしゃべりながら、私たちは、
ここでゆっくり、涼んだ。


別行動


カフェを出て、私たちは、又、二手に分かれた。

娘と私は、カフェの前のまだ歩いたことがない小道を行ってみた。
カフェの斜め向かいは、どうやら、学校らしかった。
教室で、窓のそばにいた男の子たちが、何だか賑やかに娘に手を振ってくれる。
娘が笑って手を振り返す。
西洋の人が多いので、アジア人の若い女の子は、結構目立つのだ。
私は、「随分人気モノじゃない。」などと娘を冷やかす。
でも、ここは、何の学校だろうねぇー・・・。

その頃、主人が、そこに見学に入っていた。


そこは、美術学校だったらしい。中にギャラリーがあり、入って
見れるようになっていたとのこと。主人のビデオから。


授業風景


生徒の作品




学生さんたちの真面目な姿勢を見るにつけても、
主人は、自分がたまたま勤めている同じような学校の恵まれた環境と
比べて、感じるところが大きかったらしい。




一方、娘と私は、道沿いにちょっと目を引くお洒落な建物を
発見していた。

確か、「民族手工芸ギャラリー」?という看板がと・・・。


入ってみる。
中には、一所懸命、刺繍の手を動かしているお嬢さんと、
店員かオーナーの女性がいた。




彼女がしていたのは、フォーマルウェアのための刺繍とのこと。

華やかなビーズを使った豪華な刺繍が美しかった。


ショーケースの中の見事な作品は、皆彼女のものだと、
その女性が説明してくれる。
熱心に説明して、勧めてくれるけれど、私が欲しいのは、古いもの・・・
ちょっと違うなぁーと思いながら、ふと隣の部屋の壁を見て、驚く。

何と、苗族の衣装が壁に飾られていたのだ。
苗族の衣装が数点。
水族の背帯も・・・思いがけない出会いに
人知れず、心臓がドキドキしていた。
わぁー、ここで、まさか、苗の衣装に出会おうとは・・。

ひと呼吸おいて、思わず、つい聞いてしまう。
「これって、買えるんですか!?」答えは、即「ノー」だった。
大事な展示品とのこと。そうだろうなぁー・・・
ほんの数点、大事に展示してあるのを狙おうなんて、と反省する。

全く予想していなかっただけに、ちょっと心が弾む出来事だった。


その後、遠くに行く気力はなかったものの他の小道も少し散策して、ホテルに戻る。


シン(スカート)をはいた学生さんたち。

民族衣装が、自然に日常の中に生きていて、いいなぁーと思う。

布屋さんは、まだ閉まったまま。せっかく行くつもりでいるのに、
よりによって、その日に休みだなんて・・・

ゲストハウスに戻ると、主人がすでに帰っていて、ロマンチックしていた。

日中の日差しの中を歩いてくると、まずは、疲れる。
もう明日ここを離れるのだから、と言い聞かせて、一休みしたら、もう一度
とも思ったのだけれど、結局、出かける気力はなかった・・・・。

娘は、やはり、休みがてら、少し、勉強するという。その前に
冷やしておいたスイカを食べてみることにする。フロントで、ナイフを借りる。
念のため、切った断面を洗ってから切り分ける。
汗をかいた後の冷えたスイカは、取り分けおいしかった。


さて、ホテル代を払ってしまおう。
計算しておいたお金を持ってフロントへ。請求書を出してもらう。
そして、わかったこと。町の買い物では、
おおよそということで$1=、K10000の計算で通っているけれど、、
正式には、レートによるとのことで、その時は、K10300とのこと。
「うっ!」昨日、あまりきっちり計算しすぎてしまっていた。焦る。
それから、その不足の差額分を払うのにアタフタ・・・。
皆のキップやら残りの$を総動員することになった。


それにしてもこれからの町での支払いは、手持ちのキップがなくなった以上
ドルでするしかないのだけれど、ドル札が大きすぎる。困ったどうしよう?

夕方には、もう一度、メコン川の夕日に挑戦の予定だ。
あれこれ考えながら、部屋で荷物のまとめなどして、ロビーに下りて行くと、
フロントで何やらニコニコ笑いかけてくる青年がいる。
誰だろう、と、思っていると、奥さんが、紹介してくれる。

彼は、ビエンチャンで2年間、日本語を勉強した人なのだそうだ。
「ニホンノヒトト、ハナシヲシタクテ、ヤッテキマシタ。」とニコニコしながら日本語で言う。
彼(Jさん)の日本語は、ほとんど完璧に近い。先生に習っただけでは、
上達しないので、日頃から、いろんな日本人と話してみているのだそうだ。

彼がとても話したがっている、ということから、自然に話は、はずんだ。
こちらの話すことは、ほとんどわかるし、彼の日本語にも不自然なところがない。
日本語でご夫婦がわからないところは、英語で説明し、
Jさんに難しい日本語は、英語で、奥さんを通して、通訳してもらった。






このホテルで、とても快適に過ごせたので、
私としては、帰るまでに、お二人にこのホテルに来たのは、
お友達がいい所だと紹介してくれたからだ、ということを
伝えたいと思っていた。いつ伝えたらいいものか、と迷っていたのだけれど、
それが、この会話の中でごく自然に伝えることができたのが嬉しかった。

主人のロマンチック話(とは言わなかったけれど)、主人も
毎日とても楽しんでいて、バルコニーが、お気に入りの場所だったことも伝えた。
二人ともとても喜んでくれる。





それから、わが町の話になり、雪が降る話をした。
そして、雪祭りの話へと話題が進み、私は、荷物に入れてきた
雪祭りの絵葉書のことを思い出す。お土産に渡すのにちょうどいい。
部屋に絵葉書を取りに戻ったついでに、勉強途中の娘も誘った。

娘も加わると、、Jさんも大いに張り切った。
同じ日本語の勉強でも、おばさんより、若い子との方が、いいに決まっている。
大学では、何が専攻か、など
取り留めの無い話で、楽しい時間が過ぎて行った。

その流れの中で、彼が、夕方の予定を聞く。
後で考えると、娘に聞いた質問だったのに、
気が利かない私は、さっさと自分が答えてしまっていた。
そして、娘も特に気にせずにそのまま勉強に区切りをつけるために
部屋に戻った。

娘を見送った後、Jさんががっかりしたように言う。
「ワタシハ、イマ、ムネガ、イタイデス。コノイミ、ワカリマスカ?」
あ〜、わかりますぅ。ゴメンなさい。
Jさんの気持(お世辞だとは言え)をバッサリ・・・
何と無粋な母親であることか。

楽しい時間の最後に記念撮影をする。

ホテルで働いている女性たちも。
半分のお嬢さんは、恥ずかしがって隠れてしまう。

残ってくれたのは、あくまでも自然体の二人(左)。この席は、彼女達の指定席だ。
お昼は、いつもここで、テレビのメロドラマに夢中だったっけ。


肝心のお二人の写真が又、ボケてしまった・・・この大きさで、精一杯とは。




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