00.11.25 ぐるー回って
新しい言い方がいつごろから広まりだしたか、うっかりすると、その大事な瞬間を見過ごして、あとでいくら調べても分からなくなることがあります。 あのね、まずね、露那と同じ南口から行ったんだけど、階段上り下りできないのね、車椅子は。だから駅員さんの人が案内してくれて、中央口の方に来ました。で、こう来て、こっからのぼるのかなーと思ったのね。そしたら、ここもやっぱ階段で、のぼれません。てことで、まーたこっち来ちゃって、ぐっるー回って、丸の内のほう来て、で南口来て、……(NHK「週刊こどもニュース」2000.11.25 18:10放送)
「ぐっるー」の部分を力を込めて発音するのです。僕ならば「ぐるーっと回って」のように「と」を入れなくては話せないところです。 こっからここまで行くのに、ぐるー回って10分もかかっちゃった。
と、ほぼ同じ発音で言っていましたから、よく使う表現なのでしょう。 最初、こう狭いとこ入れるからね、ちょっとぐわーっ(と)するけど、エアをぶわーっとほり込む、でるからね、ほなまたしゅーっといく。また手ぇつっこんだらあかんで。もう、ぶわーっなる。 (NHK教育「ふるさと日本のことば・大阪府」2000.04.23 19:00放送)
この「ぶわーっなる」というのが、ちょうど先ほどの優君の言い方と同じです。この主人は、直前で「ぶわーっと」「しゅーっと」のように「と」を付けた言い方もしていますが、冒頭の「ぐわーっとする」では、「と」がちょっと聞きにくい感じです。 ぐーっ混ぜてね。(今くるよ・NHK「生活ほっとモーニング」2000.11.29 08:35放送) 関西では「『うどんが食べたい』言うた」と、引用の「と」が抜けることがあり、「ぶわーっなる」「ぐーっ混ぜて」もそれと関係があるでしょう。ちなみに僕の出身地の香川県でも「『うどんが食べたい』言うた」式の言い方はしますが、「ぶわーっなる」式のオノマトペの使い方はしないように思います(最近のことは知りません)。(2000.11.29) |
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